【仁川(韓国)2015年4月29日PRN=共同通信JBN】国連教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する今年の世界本の首都(World Book Capital)に選ばれた韓国・仁川で23日、ファンファーレとともにさまざまな関連行事が始まった。
ユネスコは毎年、異なった都市を世界本の首都に選んで世界図書と著作権デーの4月23日を記念する。仁川は世界で15番目に選ばれた。アジアでは3番目、朝鮮半島では初めて。
開幕式はソウルの西にある仁川の松島コンベンシアで開かれ、国内・国外から来賓500人が出席した。
市当局によると、展示や著名な作家との会合、書籍フェアなどのイベントがこれから来年4月22日までの1年間開催され、読書や創造的な出版活動が「すべての人々に書籍を」をテーマに繰り広げられる。
メジャーイベントの1つは韓国と仁川の保存文物の展示会で10月30日から11月29日まで、仁川市立メトロポリタン博物館で開催される。組織委員会によると、国立アーカイブや他の国家機関が保存している世界的な記録遺産が貸与されて展示される。
朝鮮王朝(1392年から1910年)の年代記や朝鮮時代の名医、ホ・ジュンがまとめた東洋医学の百科全書である「東医宝鑑」、韓国のアルファベットであるハングルのオリジナル書体、諺文正訓も展示される。
その他のイベントとしては第1回仁川国際児童・教育書籍フェアが11月11日から15日まで松島コンベンシアで開かれる。市当局によると、今回の国際書籍フェアはこれまでの国際書籍フェアとは異なり、韓国の先端的情報通信テクノロジーを利用したディスプレーが児童書や教育関連図書に使われていることを展示する。
2015年世界本の首都の開幕週間の関連イベントはすでに22日に始まっており、外国からのゲストが江華島の歴史遺物を訪れ、朝鮮王朝時代の重要な文書や書籍が保存されているライブラリーを見学した。
23日と24日には市当局がさまざまなプログラムを準備、作家李文烈(Yi Mun-yol)やその他の著名作家との会合、100年前に発行された初期韓国語新聞・雑誌の展示会などが催された。
当局は仁川市が本の首都に選ばれた機会を利用して読書基盤を整備、大規模な電子図書館を今月末までに完成させる計画だ。
市民は電子図書館が完成した暁には快適な電子書籍による読書を楽しむことができるようになる。
地元の市当局は市の文化教養の価値を高め、仁川が工業都市のイメージだけではないことを推進することを期待している。
仁川のユー・ジョンボク市長は歓迎のメッセージの中で「仁川は八万大蔵経が生まれた場所であり、出版文化のリーダーでもある。国家文物を保存してきた長い歴史を有している」と述べた。
八万大蔵経は8万枚を超える板版に彫られた仏教経典で5200万文字が彫られている。仏教経典としてはこれまで最大の包括的な記録文物とされている。もともと仁川の江華島で彫刻、保存されていたが高麗王朝時代(918年から1392年)にモンゴルからの侵略を受けたため、朝鮮王朝の初期に慶尚南道陜川の海印寺に移された。
ソース:Incheon Metropolitan City