Woven Capitalが主導するシリーズCラウンドによって、廃タイヤをごみ埋立地に廃棄せず有効活用し、高性能な再生自動車部品の開発を支援することで、循環型経済の実現が推進されます
ソウル(韓国)、2024年6月19日 /PRNewswire/ -- 再生カーボンブラックの大手メーカーであるLDカーボンは、トヨタの成長投資ファンドであるWoven Capitalが主導し、メリッツ証券、Investwith、韓国IBK企業銀行、現代自動車グループのZER01NE、Elohim Partners、New Main Capitalも参加する2,800万ドルのシリーズC資金調達ラウンドの実施を完了しました。LDカーボンはこの投資を活用して、使用済みタイヤや廃車由来の素材をピロリシス技術と材料回収技術でリサイクルし、再生カーボンブラックと熱分解油の生産能力を拡大します。これらの製品は新しい自動車部品やタイヤの製造に活用されます。この投資は、LDカーボンの循環型経済の実現というミッションの推進と、グローバルな顧客への原材料コストと炭素排出の削減に貢献するものです。
カーボンブラックの製造プロセスは非常に環境負荷が高く、年間2,500万トンものCO2を排出しています。加えて、全廃タイヤの28%が焼却されることで、さらに年間1,600万トンものCO2が排出されています。これらの排出量は、900万台の乗用車に相当する二酸化炭素排出量に匹敵します。LDカーボンの分解技術と材料回収プロセスは、特許取得済みの 再生カーボンブラック製造技術を活用することで、廃タイヤをほぼ100%回収可能にしています。これにより、環境配慮型の再生カーボンブラック(rCB)の供給と、熱分解油の開発が可能になります。
「LDカーボンは、自動車業界のサプライチェーン企業が直面している持続可能性への取り組みの中で、難しい化学的な課題に取り組んでいます」とWoven Capitalのプリンシパルであり、LDカーボンの取締役会に参加しているPrashant Bothra氏は述べています。「同社は大規模な生産設備の建設を進め、実績のある技術をスケールアップすることで、生産性を最大化し、高性能再生カーボンブラックの製造コストを削減しています。これにより、従来の原料に比べて大きな価値を提供できるようになります。規制やコーポレートの後押しがある中、強力な 営業におけるパイプラインと、アジアでの先発者優位性を持つ同社は、持続可能な未来を支える重要な役割を果たせるものと考えています。
自動車メーカーは、自動車製品への再生材の使用率を高めつつあります。この動きは、企業によるカーボンニュートラル目標の設定、排出量規制の強化、そして欧州委員会が自動車メーカーに対し少なくとも5%以上の使用済み自動車由来プラスチック材を含む、全体で25%以上の再生プラスチック使用を義務付けたことなどを背景としています。
「私たちの使命は、コストを抑えつつ、自動車産業の持続可能性プロファイルを劇的に改善することです」とLDカーボンのCEO兼共同創設者のSeong Mun Baek氏は述べています。「Woven Capitalをはじめとする戦略的投資家とのパートナーシップにより、より環境配慮型の車両を慎重な消費者や企業顧客に提供しようとする世界の自動車メーカーを支援するための、事業拡大に不可欠な洞察が得られるでしょう。私たちは協力して、自動車産業とその関連産業が、これまでにない水準の環境配慮を実現しつつ、コストと性能の高い基準を満たせるよう、確実に取り組んでまいります。」
LDカーボンは、廃タイヤから回収した再生カーボンブラック(rCB)とタイヤ熱分解油(TPO)の主要な生産企業です。同社の韓国・キムチョンにある既存プラントの年間rCB生産能力は7,000トン超で、主要なタイヤおよびゴム製品メーカーに供給しています。さらにLDカーボンは、SK仁川石油化学との間で、タイヤ熱分解油の10年間の供給契約を締結しています。同社は、2024年の完成を目標に、大韓民国忠清南道唐津市に、アジア最大級のタイヤ分解プラントの建設に投資しています。同プラントの年間生産能力は、使用済みタイヤ50,000トンから、TPO 23,000トン、rCB 20,000トン、その他の貴重なガスと素材7,000トンを製造する計画です。LDカーボンはまた、世界有数のタイヤメーカーなどの業界リーダーと共同で、主要製品の仕様開発にも取り組んでいます。