*硫化物系固体電池の主要材料である固体電解質と主成分の硫化リチウムの開発に投資
*特許技術と自社プロセス開発で競争力を確保し、電池メーカーによる最終テストを待つ
*Ho-sung Kang代表取締役が固体電池事業への本格参入で事業ポートフォリオの拡大を目指すと発表
【ソウル(韓国)2024年4月1日PR Newswire=共同通信JBN】三養(Samyang)は、固体電池材料事業への参入を本格的に開始し、電池業界のゲームチェンジャーとしての地位を確立しました。
三養社(Kang Ho-Sung代表取締役)は、ソウル市鍾路区にある三養グループ本社で、固体電解質開発・製造会社Solid Ionicsと30億ウォン相当の投資契約を締結しました。これは、2020年に三養がSolid Ionicsに29億ウォンを投資したのに続くもので、投資総額は59億ウォンとなり、同社の価値と技術力に対する強い信念を反映しています。
三養は今回の投資により、固体電池の主要材料である固体電解質と硫化リチウム(Li2S)を事業ポートフォリオに加えることで、固体電池業界における地位を確保しました。これで、Solid Ionicsが開発中の製品の商品化も加速します。
次世代の二次電池である固体電池は、正極と負極の間の液体電解質を固体電解質に置き換えることで、爆発や発火のリスクを大幅に低減しつつ、エネルギー密度を大幅に向上させます。固体電池は材料の組成によって、硫化物系、酸化物系、ポリマー系の3種類に分けられます。中でも、イオン伝導性が最も高く、優れたエネルギー密度を実現できる硫化物系固体電池は、特に市場の関心を集めています。
Solid Ionicsは、硫化物系固体電池に使用される固体電解質の量産準備を進めています。同社は、主原料である硫化リチウムの製造で特許を保有しており、原料の安定供給と価格競争力が保証されています。
さらにSolid Ionicsは、材料の投入と生産が同時に行われる半連続生産プロセスを開発、毎回、同量生産が必要な一般的なバッチ生産プロセスと比較して、同一品質の製品の高速かつ大量生産を可能にしました。また、電解質膜用の大粒子と正極材用の小粒子の両方を製造できる、月産1トンの製造プロセスも確立されています。Solid Ionicsは、固体電池開発企業との最終的な商品化テストに向け準備を進めており、2027年までに蔚山に年間1200トンの硫化物系固体電解質を生産できる生産工場を完成させる計画です。
Ho-sung Kang代表取締役は「固体電解質は固体電池の最重要要素で、世界中の数多くの企業がその開発にしのぎを削っています」と語り、「今回の投資は、三養が固体電池材料事業に本格参入するための足がかりとなるもので、将来的には電池材料のポートフォリオ拡大も計画しています」と付け加えました。
今年創業100周年を迎える三養グループは、差別化された技術力と競争力のある市場ポジショニングを持つ、グローバルな専門企業を目指しています。三養グループは、ヘルス&ウエルネス素材、半導体などの先端産業材料、環境に優しい素材を中心に、高機能特殊素材およびグローバル市場に向けて事業ポートフォリオを強化しています。これには、半導体材料会社NC Chemとグローバルな特殊化学会社Verdant Specialty Solutionsの経営権取得も含まれています。