カンビアーノ), 2023年8月1日 /PRNewswire/ -- アウトモビリ・ピニンファリーナ(Automobili Pininfarina)はラグジュアリーEVの新時代を切り拓くコンセプトカー「プーラ ビジョン」(PURA Vision)を発表します。このコンセプトカーはアウトモビリ・ピニンファリーナのデザイン哲学である「PURA」(純粋)を具現化したエレガントなシルエットとドラマチックなプロポーションを持ち、これまでピニンファリーナ S.p.A.(Pininfarina S.p.A.)が生み出してきた名車のDNAを未来のデザインへと昇華させた、美しいエレクトリック ラグジュアリー ユーティリティ ビークル(e-LUV)です。
この新たなコンセプトカーは、アウトモビリ・ピニンファリーナの次世代ラグジュアリーピュアEVの方向性を示唆するものであり、8月のモントレー・カー・ウィークにて世界初公開されます。先頃公開されたハイパーGT「バッティスタ・エディツィオーネ・ニーノ・ファリーナ」(Battista Edizione Nino Farina)に加え、それに劣らぬ優雅さと新ジャンルのドライビングプレジャーを提案する新たな量産車も「プーラ ビジョン」とともに展示されます。
e-LUVを斬新な解釈でカタチにした「プーラ ビジョン」は、キャビンを後方に配置した大胆なプロポーションの中に時代を超越した美しさと洗練されたディテールが融合し、独特の存在感とダイナミックなアイデンティティを形成します。一際目を引くのは、細長いガラスハウスとピラーレスのドアです。3連開閉式のピラーレスドアのおかげで、洗練されたキャビンへの乗り降りが極めてスムーズです。
アウトモビリ・ピニンファリーナのパオロ・デラッチャCEOは次のように述べています。「『プーラ ビジョン』はアウトモビリ・ピニンファリーナの今と未来を結ぶ架け橋です。当社は創立5周年を迎え、その節目に発表した『バッティスタ・エディツィオーネ・ニーノ・ファリーナ』にはピニンファリーナ家へのオマージュが込められていました。一方、『プーラ ビジョン』はエキサイティングな未来に向けたクルマです。これまでのカテゴリーに当てはまらない新たなクルマに当社のデザイン哲学『PURA』を応用した場合の可能性を示しています」
「『プーラ ビジョン』は単に今後の新型車の方向性を示すだけのコンセプトカーではありません。ピニンファリーナの豊かな伝統から着想を得たシャープでモダンなデザイン哲学を表現し、これまでにない優美なラグジュアリーカーを生み出していくための手法を確立する重要なクルマです」
「この素晴らしいコンセプトカーとともに、新たなポートフォリオの第一弾も発表します。『プーラ ビジョン』とはタイプが異なりますが、『プーラ ビジョン』のデザインを色濃く反映し、目を奪われるほどに美しいクルマです。どちらもモントレー・カー・ウィークの期間中(8月17日~20日)、アウトモビリ・ピニンファリーナのプライベートレジデンスで公開されるほか、ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング(2023年8月18日)でも公開されます」
アウトモビリ・ピニンファリーナのデザイン哲学「PURA」
ピニンファリーナは94年の歴史の中で、時を経ても色褪せないデザインを大切にしてきました。クラシカルなプロポーションに美しいディテールを組み合わせた「プーラ ビジョン」には、ピニンファリーナならではの美しさが表現されています。低いボンネットと高いフェンダーが生み出す彫刻のような姿は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に自動車として初めて永久展示された1947年製「チシタリア」(Cisitalia)から着想を得たものです。
アウトモビリ・ピニンファリーナのチーフデザインオフィサー、デイブ・アマンテーアは次のように述べています。 「『プーラ ビジョン』はピニンファリーナが生み出してきた名車のDNAを受け継ぎつつ、シャープなラインと現代的な美しさで未来のクルマを具現化しています。どこから見ても個性的で、デザイン哲学『PURA』を応用した新しいタイプのクルマです。ドラマチックな存在感、魅力的なインテリア、厳選された素材など、他に類を見ないクルマではありますが、この美しいボディと時代を超えて愛されるプロポーション、ロアボディのディテールに技巧が凝らされている点を見れば、ピニンファリーナが手掛けたクルマであることは一目瞭然でしょう」
型破りのエクステリア
「プーラ ビジョン」は目立たないように配置されたヘッドライトと、デイタイムランニングライトの役割を果たす超スリムなL.E.S.S.ナノファイバー ライティング テクノロジーを採用した特徴的な顔つきをしています。厚さ1mmに満たないファイバーを使用した高度なライティングテクノロジーは、ほとんどのデザインに対応できる上、軽量でエネルギー効率に優れ、時代の先を行くe-LUVに最適です。ヘッドライトはロアボディの幅いっぱいに配置された多機能型デザインエレメントに収納されています。このデザインエレメントはロアボディを形成するだけでなく、冷却性能と空力性能を補う働きをします。
エクステリアの素材とカラーは、「プーラ ビジョン」のアスリートのような印象を際立たせるようにデザインされています。ボディのメインカラーである「Bianco Sestriere Gloss」が洗練された雰囲気を演出し、ロアボディのむき出しのカーボンファイバー、細長いガラスハウス、グロスブラックのフローティングルーフがホワイトのボディに映えます。「プーラ ビジョン」はキャビンを後方に配置したドラマチックなプロポーションと短かめのオーバーハングで力強さを表現し、23インチのアロイホイールが凜とした佇まいを強調します。タイヤに付けられたホワイトのラインがエクステリアの統一感を高め、マットブラックのホイールに特別感をプラスします。
革新的なパノラマルーフによって、高級感と洗練性がさらに高まります。固定された中央部は「ビスコット」(イタリア語で「ビスケット」)と呼ばれ、LEDが放つリング状の柔らかな光で照らされます。この「ビスコット」には、大きなフロントガラスとリアのテールゲートをつなぐ役割と、曲線状で大型のシングルピースであるサイドウインドウを支える役割があります。このサイドウインドウは左右のラウンジドア開口部の一部でもあります。「ビスコット」があることによって、上から見ても「プーラ ビジョン」であることがすぐに分かります。ラウンジドアはヒンジで跳ね上がるように開き、ピラーレスの開口部と、後部にヒンジが付いたバックドアとの組み合わせによって、乗り降りがしやすい、広々とした2+2シーターとなっています。ラウンジドアは、ランチアの「フロリダ」(Lancia Florida)からインスピレーションを得ました。ピニンファリーナの創業者であるバッティスタ・ファリーナが1950年代に設計し、彼のお気に入りの一台であった「フロリダ」もピラーレスでした。
細部にまでこだわり抜くアウトモビリ・ピニンファリーナの姿勢は、宝石のようなエクステリアにも現れています。精密にアルマイト加工されたアルミニウムのベルトラインでガラスハウスをぐるりと取り囲んでいるのが、その一例です。ベルトラインは「プーラ ビジョン」のフロントガラスを起点として、切れ目のないエレガントな弧を描きます。ルーフラインを形作るのは両側のアルミニウム部品です。フロントには従来のドアミラーに代わって後方を映すカメラが組み込まれ、リアには「PURA Vision」の文字がデザインされています。
リアのLEDライトが超スリムな水平タイプであることと、正面から見るとガラスハウスがリアに向かって細くなっていることによって、「プーラ ビジョン」のくっきりとしたリアハンチが一層際立ちます。ホイールアーチからボディが垂直に盛り上がっているようなシャープなラインは筋肉質なスポーツカーに見られるデザインであり、「プーラ ビジョン」独特の佇まいを演出しています。斬新なビスコットルーフと相まって、上から見た姿もハイパーGT「バッティスタ」に勝るとも劣らない個性を発揮しています。
ロアボディに目を移すと、むき出しのカーボンファイバーを採用したバンパーがフロントエンドとの統一感を醸し出しつつ、研ぎ澄まされたボディカラーと彫刻のようなアッパーボディを一層引き立てています。
注目のコネクティビティとラグジュアリー
「プーラ ビジョン」のエクステリアは、SUVが放つ路上での存在感と車高の低いスポーツカーが持つ凜とした姿を融合させたデザインとなっており、そのデザインが豪華なインテリアにも反映されています。まるで2シーターのようなドライビングポジションですが、キャビン全体は明るく優雅で居心地の良い雰囲気です。電動パワートレインを搭載しているおかげで、フラットなフロアの広々とした室内空間が完成し、パノラマガラスルーフによって、さらに広がりを感じることができます。
インテリアの洗練されたデザインはエクステリアのアッパーボディと同じく、豪華なヨットから着想を得ているのがはっきりと分かります。フローティングタイプのフロントシートは帆船のフォイル(水中翼)のように吊り下げられ、センターコンソールはまるで帆のブーム(帆の底辺を支える支柱)のようです。運転席に座ると、大型のダッシュボードがエクステリアと一体化しているように感じ、ボンネットの特徴的なラインがキャビンまで伸びているのが目に入ります。
アウトモビリ・ピニンファリーナのインテリアデザインディレクター、フランチェスコ・クンダリは次のように述べています。 「『プーラ ビジョン』はアウトモビリ・ピニンファリーナが目指す優雅な未来のインテリアを具現化しています。乗員は心地よい理想の空間に包まれ、抜群の視界と最高の素材を堪能できます。雰囲気はスポーツカー、広々とした空間と快適さはラグジュアリーカーです」
アウトモビリ・ピニンファリーナの次世代モデルは、便利なコネクテッドカーサービスをあらゆる場面で提供することを約束しており、「プーラ ビジョン」も例外ではありません。テクノロジーが満載のキャビンでは、乗員が必要なときに必要な情報を得られるよう、直感的に操作できるセントラルタッチスクリーンや高度なデジタルデバイス、ヘッドアップディスプレイなどが装備され、どれもドライバーがカスタマイズできるように設計されています。
先進技術を採用したビジュアルデザインにもディテールへのこだわりが見て取れます。セントラルディスプレイは、必要なときにはコンソールから立ち上げ、使用しないときはすっきりと収納できます。各ヘッドレストにはスピーカーが装備されているため、各自が個別にサウンドを聞きながら、思い通りのドライブを満喫できます。大きなガラスで囲まれた空間の中で、乗員全員が周囲の環境を身近に感じ、いつでもワンランク上のドライブを楽しめます。後部座席の間にはワインクーラーがあり、都会的な贅沢に浸ることもできます。
持続可能なイノベーション
オーセンティックで手触りが良く、洗練された素材は「プーラ ビジョン」の特色であり、ラグジュアリーで現代的なキャビンになくてはならないものです。シートは4席ともくっきりとしたホワイトで仕上げられています。ダッシュボードとドア上部に配置されたチャコールのレザーが360度取り囲むようなラインを形成し、インテリアのアクセントになっています。
インテリアを見渡すと、ソフトなセミアニリンレザーと特別なファブリックが絶妙に溶け合っているのが分かります。むき出しのカーボンファイバーとアルマイト加工のアルミニウムはエクステリアのデザインと共通です。ドアシルに取り付けられているのは、「プーラ ビジョン」のホイールから出た廃アルミニウムで特別に製作されたプロテクティブ キックプレートです。3連開閉式ラウンジドアを開けたときの感動がさらに高まります。
アウトモビリ・ピニンファリーナのカラー&マテリアルデザインディレクター、サラ・カンパニョーロは次のように述べています。「ファブリックは単にモノを覆うための素材ではありません。デザイン哲学『PURA』に基づき、『プーラ ビジョン』は可能な限り効率的に、最高品質の素材を最小限使用し、高度なカスタマイズと時代を超越した持続可能な仕上がりを実現しています」
センターコンソール、アッパーシートバック、ヘッドライニングには「Nativa」ウール30%、リサイクルポリエステル70%を組み合わせた新素材が採用されています。新素材はメランジュヘリンボーンパターンの手触りが心地よく、ヘッドレストにはピニンファリーナのロゴが電子溶接されます。この革新的な新素材はコンセプトカーに使用されているにも関わらず、アウトモビリ・ピニンファリーナが量産車に対して設けている耐久性基準を満たしています。
アウトモビリ・ピニンファリーナのエキスパートたち
イタリアのアウトモビリ・ピニンファリーナでエンジニアリングと製造に従事するエキスパートたちは、数十年にわたる実績と社内の専門知識を注ぎ込み、新時代のコネクテッドラグジュアリーEVを目指して、コンセプトカー「プーラ ビジョン」を開発しました。今後は、このコンセプトカーからインスピレーションを得た車両がイタリアで考案、設計、開発され、ドイツにあるアウトモビリ・ピニンファリーナのデジタルイノベーションハブでは、その車両のための先進技術が開発されます。
アウトモビリ ピニンファリーナはイタリアのカンビアーノとドイツのミュンヘンを拠点とし、20カ国以上から集まった116名の従業員がグローバルな専門知識と経験を活かし、電動モビリティの新時代を切り拓いています。
以上
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編集者注
アウトモビリ・ピニンファリーナについて
アウトモビリ・ピニンファリーナの事業本部はドイツのミュンヘンにあり、ラグジュアリー&プレミアムカーブランドで経験を積んだ経営陣が指揮を執っています。ハイパーGT「バッティスタ」および今後の全モデルは、イタリア国内でデザイン、エンジニアリング、製造が行われ、すべての主要グローバル市場で「ピニンファリーナ」のブランド名で販売されます。アウトモビリ・ピニンファリーナは世界で最もサステナブルで最も熱望されるラグジュアリーカーブランドを目指しています。同社はマヒンドラ&マヒンドラ社(Mahindra & Mahindra Ltd)が100%出資し、ピニンファリーナS.p.A.(Pininfarina S.p.A.)とマヒンドラ&マヒンドラ社との間で商標ライセンス契約が締結されたことにより、アウトモビリ・ピニンファリーナと命名されました。ピニンファリーナS.p.A.は94年にわたる歴史の中で、世界に誇る名車を数多く手掛けてきた経験を活かし、設計と生産をサポートするという重要な役割を担います。
アウトモビリ・ピニンファリーナのバッティスタ
バッティスタは、これまでイタリアで設計・製造された車両の中で最もパワフルであり、内燃エンジンを搭載する現代の公道仕様スポーツカーでは達成できないレベルのパフォーマンスを発揮します。0-100km/h加速は現行のF1レースカーを凌駕する2秒未満、最高出力1,900馬力、最大トルク2,340Nmを誇り、ゼロエミッションパッケージで究極のエンジニアリングとテクノロジーを両立しています。各ホイールに1基ずつ計4基の電動モーターがあり、120kWhのバッテリーから電力が供給されます。WLTP複合モードの航続距離は1回の充電で最長476km(300マイル)です。イタリア・カンビアーノにあるピニンファリーナS.p.A.の工房では、150台限定のバッティスタが一台ずつ手作業で製作されています。
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