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CFA協会、グローバル・マーケット・センチメント・サーベイ2014を発表

CFA Institute
2013-12-19 20:07 1958

日本の専門家は国内経済成長に大きく期待もガバナンス欠如に懸念

世界全体の明るい兆しのなか、アジアの投資専門家は不動産バブルを憂慮

2013年12月19 日香港 /PRニュースワイヤ/-- CFA協会(本部:米国ヴァージニア州シャーロッツビル、http://www.cfainstitute.org)は、投資専門家である会員を対象に2014年の世界市場の見通しに関するアンケート調査を実施し、この度その結果をまとめたグローバル・マーケット・センチメント・サーベイ2014(以下、GMSS)を発表しました。GMSSによると世界の投資専門家は2014年に世界経済と自国経済がともに拡大するとみています。一方アジア太平洋地区の3分の2(68%)以上の専門家は国内資産バブルを憂慮しており、なかでも52%は不動産に起こると見ています。

日本の回答者のうち61%(全体では63%)が世界経済の拡大を予想している一方で、75%(全体では57%)が国内経済の拡大を予想しており、昨年の11%から大きく増加しています。また、全般に市場の信頼性はほとんど変わっていないと見ているものの、アジア太平洋地区の回答者は32%(うち日本では29%)が2014年に信頼性は改善するとみており、米州(23%)および欧州・中東・アフリカ(27%)の回答者より楽観的でした。

今回の調査では6,500名を超える会員から回答が得られ、そのうち日本からの回答者は87名でした。

GMSSの詳細資料は以下よりダウンロードできますwww.cfainstitute.org/gmss

CFA協会会長兼CEOのジョン・ロジャース(John Rogers, CFA)は「グローバル経済の成長を予想する当会員の数が過去2年間で倍近くに増加しましたが、油断している場合ではありません。調査結果は、金融業界に対する投資家の信頼感が低下していることを示しており、金融業界が社会に貢献する巨大な力となるためには、すべてのレベルにおいて倫理的行動を心掛けるべきです」と述べています。

日本の投資専門家は2014年の経済成長に強気の見通し

世界経済の成長を予想 日本では、昨年の40%を上回る61%の回答者が世界経済の成長を予想しています。アジア太平洋地区(56%)は相対的に低く、米州(62%)とEMEA(69%)を下回りました。

日本経済に関して楽観的な見方に転換 国内経済の見通しに関して日本の専門家は英国(74%)に次いで最も楽観的で、拡大を予想した回答者は73%と昨年のわずか11%から大きく増加し、縮小を予想した回答者はわずか5%(昨年は24%)でした。全体では57%が拡大を予想し、9%が縮小を予想しました。

株式への期待が顕著に増大 全体の71%が株式を2014年に最も良好なリターンを示す可能性の高い資産クラスであると回答し、2013年の50%から大きく増加しました。なかでも日本の回答者が80%と最も強気でした。

資産バブルを懸念 アジア太平洋地区の回答者の68%は、金融バブルが向こう1年間に起こることを予測しています。これは米州(49%)およびEMEA(50%)を上回っています。またアジア太平洋地区の回答者の52%が不動産バブルを懸念しています。

米国、中国、日本がベストな投資機会 アジア太平洋地区の回答者は、世界の株式市場のうち、2014年は米国(25%)、中国(20%)、日本(10%)に最も魅力的な投資機会が存在すると回答しています。

景気低迷、政情不安と新興国市場の成長率は国内経済にとり最大のリスクと認識 全体の31%は弱い経済状況が国内経済にとり最大の脅威であると回答し、政情不安も28%とその次に懸念されています。アジア太平洋地区の回答者のうち18%が新興国経済の成長率に懸念をもっており、これは他地域(米州:5%、EMEA:6%)を大きく上回っています。日本は政情不安への懸念が他地域と比べて高く、43%が最も大きなリスクと捉えています。昨年は軟調な国内経済を最大のリスクとみなしており、この1年で見方が大きく変化しています。資本市場にプラスの影響を与える要因として、日本では新興国経済の成長を挙げる回答者が44%と最も多い結果となりました。2013年の調査では41%が欧州ソブリン債務危機の解消・改善が重要であると回答していたことからは様変わりしています。

回答者は世界的な監視と国内での規制強化を呼びかけ

投資家からの信頼を構築する監視の改善を呼びかけ アジア太平洋地区では、EMEA(33%)および米州(24%)を上回る40%の回答者が、投資家からの信頼回復とグローバル市場の信頼性の改善には、規制強化とシステミックリスクの監視が最も重要であると指摘しています。

法規制の執行強化と強固なコーポレート・ガバナンスが必要 自国市場で投資家の信頼回復と市場の信頼性を向上させるために、全体の30%が現行法規制の執行改善が最も必要であると回答しており、次いでコーポレート・ガバナンスの向上(24%)、財務報告の透明性(17%)を挙げています。日本では48%がより強固なガバナンス基準の設定を最優先課題としています。

金融機関における倫理的な企業文化の欠如は投資家の信頼を損ねる

国内市場では不正行為や不適正販売、グローバル市場ではさらに財務報告や金融デリバティブの利用と開示が倫理上の課題 国内市場が直面する最も深刻な課題として、全回答者のそれぞれ25%と24%が不適正販売と不正行為を指摘しています。アジア太平洋地区では不正行為への懸念が32%と最も高く、中国では55%、日本では34%でした。グローバル市場が直面する倫理上の課題では、不正行為(全体の24%)、財務報告(21%)に次いで金融デリバティブの情報開示と利用(20%)が最も懸念されています。

グローバル・マーケット・センチメント・サーベイ2014GMSS)について

本調査はCFA協会が業界で専門家とみなされる会員を対象に毎年実施しており、本年は10月2日から17日まで実施されました。GMSSは金融市場の信頼性や倫理観、パフォーマンスに関する翌年の見通しをまとめたもので、世界中の投資家に知見を提供しています。2014年版は110以上の国・地域より6,500名を超える会員が参加しており、金融業界の将来に関する意見を把握する手段として、金融プロフェッショナルやウォール・ストリート・ジャーナル紙、ブルームバーグ等のメディアに活用されています。

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CFA協会 概要

CFA 協会は投資専門家の世界的な団体であり、専門家としての卓越性と資格の基準を設定しています。CFA協会は投資市場における倫理的行動の推進者であり、世界の金融業界に高度な知識をもたらす組織として高い評価を得ています。投資家の利益が優先され、市場が最良の状態で機能し、経済が成長する環境を生み出すことを最終目標としています。CFA協会には世界の142の国と地域で122,000名を超えるメンバー(114,600余名のCFA資格者を含む)が所属しています。詳細はwww.cfainstitute.org.でご覧いただけます。

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CFA(R)Chartered Financial Analyst(R)」概要

CFAは、証券分析及び運用アドバイスにおいて世界的に認められている専門資格です。英語によるレベルIからIIIの3レベルの試験は、それぞれ平均300時間に及ぶ学習時間を要するとされています。資格を取得するにはすべての試験に合格し、さらに4年以上の実務経験を有するほか、倫理規範および職業行為基準を遵守する誓約に署名し、CFA協会へ申請を行い会員となる必要があります。CFA試験は、複雑化とグローバル化の進む投資運用実務を反映し、極めて高度な水準に照らして受験者を評価するため、この資格を認定されることは、雇用者からも顧客からも大きな敬意を持って受けとめられています。

一般社団法人日本CFA協会 The CFA Society of Japan Inc. 概要

日本におけるCFA資格者や受験者に対して、専門知識の向上と相互交流の場を提供する非営利組織。倫理規範および職業行為基準、資産運用や調査に関する専門能力の向上と普及をめざし、会員向けに金融市場、財務会計、経済動向などをテーマとした講演会、セミナー、勉強会などを開催しています。また会員相互間の交流会なども行なっています。

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設立:1999年
代表者:瀬尾 周一, CFA
ホームページアドレス www.cfasociety.org/japan

出所:CFA協会

ソース: CFA Institute