【アナポリス(米メリーランド州)2022年10月20日PR Newswire=共同通信JBN】
*細菌感染を併発している患者としていない患者を対象にAB-101aを評価する試験
ファースト・イン・クラスの多標的治療薬を開発している臨床期皮膚科企業Alphyn Biologics(Alphyn Biologics )は18日、軽度から中等度のアトピー性皮膚炎(AD)を対象としたAB-101aの第2a相臨床試験の登録が中間点を越えたと発表した。本無作為化・並行群間比較・二重盲検試験は、大人および2歳以上の小児を対象にAD治療薬としてのAB-101aを評価するもので、本疾患の関連疾患としてよく見られる細菌感染の患者をサブセットとして組み込んでいるのがユニークな点である。
皮膚科医で、Alphynに投資しているAngel Physicians Fund(エンジェル医師基金)のメンバーでもあるShalini Gupta医学博士は「ほとんどの治療法がADの免疫システムの調整に焦点を当てているが、免疫調整を介して、ほとんどの患者のAD病変に存在する細菌感染も同時に治療する薬剤は現在、存在しない」「われわれはAB-101aの先行きに大いに期待しており、炎症を緩和し、かゆみを抑え、皮膚感染を治療する、効果的で安全な素晴らしいオールインワン・アプローチとなる可能性があると考えている」と語った。
ADには、免疫系要因に加え、細菌要因があることを証明する研究が増えている(注 1)。AD患者は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとする黄色ブドウ球菌(Staph)に関連することが最も多い細菌感染をしばしば経験する。これらの一般細菌は皮膚に生息、AD患者の炎症やかゆみを誘発する毒素を出して増悪や感染を起こしやすくし、治癒を妨げる。
本多施設臨床試験は、2歳以上の患者を非感染AD患者と感染AD患者の2群に分け、局所薬AB-101aの治療プロトコルを評価する。非感染群は患者登録が完了、感染群では最初の患者に投与が行われた。
AlphynのNeal Koller最高経営責任者(CEO)は「安全性は、市販されている多くのAD治療薬の大きな懸念事項だ」「AB-101aは、安全性、有効性、利便性に優れ、新しい治療薬の必要性が極めて高い小児を含む幅広い人々にとって利用しやすい、魅力的でユニークな治療オプションを患者とその担当医に提供できると考えている」と語った。
AB-101aは、Alphyn独自のAB-101プラットフォームを使い開発された。本プラットフォームには複数の生理活化合物が含まれているため、複数の作用機序があり、あらゆる標的疾患の複数の問題に対処できる可能性がある。AB-101の強力な安全性プロファイルのお陰で、Alphynは臨床試験プログラムを第2相から開始した。
(注 1)Staphylococcus aureus and Atopic Dermatitis: A Complex and Evolving Relationship. Joan A. Geoghegan, Alan D. Irvine and Timothy J. Foster. Trends in Microbiology. 2018 Jun;26(6):484-497. doi: 10.1016/j.tim.2017.11.008. Epub 2017 Dec 9
▽ALPHYN BIOLOGICSについて
Alphyn Biologicsは、AB-101プラットフォームをベースに、深刻で一般的な皮膚疾患に対するファースト・イン・クラスの多標的治療薬を開発している臨床期皮膚科企業である。主力製品候補AB-101aは、最も一般的な皮膚炎であるアトピー性皮膚炎(AD)の局所治療薬として開発が進められている。AB-101aは、強力な安全性プロファイルが実証されており、ADの免疫系要因と細菌要因を特異的な標的として開発中で、非感染ADおよび感染ADの治療に最適な医薬品になっている。AlphynのAB-101プラットフォームには複数の生理活化合物が含まれているため、複数の作用機序があり、安全性、有効性、さらに規制当局の販売認可上も優位性のある、強固な皮膚治療薬パイプラインをサポートしている。Alphynは、メリーランド州アナポリスとオハイオ州シンシナティに拠点を置き、オーストラリアに100%子会社がある。同社は2020年に業務を開始し、これまでに約690万ドルを調達している。