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化学産業は4度の地球温暖化を回避するために事業を劇的に変革しなければならないと、画期的リポートが警告

Systemiq
2022-09-14 19:33 1015
  • 画期的研究は、業界が持続可能な世界経済を実現し、規模を2倍にし、2900万人の新規雇用を創出するための信頼できる道筋を提示
  • 業界は気候ソリューションとして自己改革できる-2040年代初めまでにカーボンネガティブになり、2050年までにカーボンシンク(炭素吸収源)として機能
  • 劇的かつ緊急の変化がなければ、業界は2050年までに4度の地球温暖化に同調し、地球に壊滅的な結果をもたらす
  • 循環型のネットゼロの化学システムを構築するには、2050年までに3兆ドル以上の資本支出が必要

ロンドン, 2022年9月14日 /PRNewswire/ -- 世界の化学産業は、世界の温室効果ガス排出量の約4%を占めている。システム変革企業のSystemiq(https://www.systemiq.earth/ )と東京大学グローバル・コモンズ・センター(https://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/ )の主要最新リポート(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )によると、より循環型で低排出の運用モデルを採用することによって、化石依存を終わらせ、地球にポジティブな力にならなければならない。緊急の行動を起こさなければ、業界は風評、規制のリスクに直面し、社会的な事業ライセンスを失う可能性があると、リポートは警告している。

Systemiq's ground-breaking Planet Positive Chemicals report
Systemiq's ground-breaking Planet Positive Chemicals report

Planet Positive Chemicals(地球にポジティブな化学製品)リポート(Systemiq(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )、東京大学(https://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/research-en/chemistry-industry-en/ ))は、化学産業の将来の前例のない青写真を提供している。化学産業は、年間収益が4兆7000億ドルに上り(注1)、パッケージングや消費財から建設、肥料まで経済の全ての分野に不可欠な化学物質を提供している。リポートによると、業界は現在、高炭素排出や汚染を含む多くの悪影響を地球に及ぼしており、気候への行動は現在、他の分野に遅れを取っている。

リポートは、業界が地球の限界内で活動するためには、供給と需要の両サイドで抜本的な介入が必要であることを明らかにしている(https://www.stockholmresilience.org/research/planetary-boundaries.html )。調査結果は以下の通り:

  • 化学製品は全ての川下産業で使用されている。経済の他の分野は、化学物質バリューチェーンの気候への影響を緩和しなければネットゼロを達成することはできない
  • 持続可能な世界経済を実現するには、2050年までに化学製品の生産を倍増させる必要がある。主に持続可能な船舶輸送燃料として使用されるアンモニア(約440%)と、化石資源を使用せずにプラスチックを生成するためのメタノール(330%)で急増する
  • 予期される成長は、ネットゼロが炭素回収・貯留(CCS)などの幾つかの主要な削減技術の最大規模化に依存することを意味する。この技術がなければ、化学産業は主要な気候リスクになる
  • 業界が化石原料と脱却しなければ、2050年まで毎年最大6億4000万トンのCCS能力が必要になる
  • 循環型アプローチは2050年までに化学物質の総需要を最大31%削減できる。業界は化学物質を再利用、リサイクルし、または特定の化学物質を低排出の代替物に切り替える
  • 供給の移行には、化石燃料・原料からの転換と、生産プロセスと使用済み化学物質からの残留排出を捕捉するためのCCSのスケーリングが必要である
  • 化石原料を置き換えることで、業界はグリーン水素の世界最大の消費者となり(2050年までに最大で全需要の半分に達する)、エネルギー移行の重要な実現者の規模拡大を推進する
  • これは、低コストのグリーン水素を製造するための豊富で手頃な価格の再生可能エネルギー源を持つ発展途上国に1次化学物質生産の場としての経済的機会を生み出す
  • *業界は、大気およびバイオマスのCO2を使用してプラスチックを製造し、廃棄時に炭素を地下に貯留することで、2040年代初めまでにカーボンネガティブになり、2050年までにカーボンシンクになる可能性がある
  • この移行により、川上の生産、循環型化学物質、廃棄物管理で2900万人の雇用を創出することができる。しかし、化学産業は、環境的・社会的目的を求めることが多い高度熟練労働者を引き付けるために、自らを再配置する必要がある
  • 時代に合わなくなった生産の改良と新たなグリーンフィールド(新規構築)の化学製品生産インフラストラクチャーには、3兆ドル以上の資本支出が必要になる

Planet-Positive Chemicalsリポートは、業界と政策立案者が今後の道筋について共通の見解を持って団結し、持続可能な運用モデルへの移行を加速するのに役立つことを目的としている。リポートは、システムを変革する可能性のある10の主要措置(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )を提案している。これには、移行原則のグローバル憲章や、ネットゼロの化学物質のシード市場への先駆者連合の確立が含まれる。リポートの著者は、全てのモデリングと分析を公開している。彼らは2022年10月10日にバーチャルディスカッション(https://www.eventbrite.co.uk/e/systemiq-center-for-global-commons-planet-positive-chemicals-discussion-tickets-412873484707 )を開催し、移行を実現させるために、業界、その顧客、政策立案者、投資界が必要とするものを探求する。

世界的な化学企業デュポン(DuPont)の元最高経営責任者(CEO)でシェル(Shell)元会長のChad Holliday氏は「われわれは、国際レベルで合意された気候目標に関して、業界の現実的かつ即時の行動を必要としている。意欲的な企業がグローバルなネットゼロへの移行に代表される機会をつかむことを望んでいる。化学企業の元CEOである私は、地球にポジティブな化学産業は可能であると固く信じており、これは業界がその未来を再定義するための重要な転機である」と述べた。

東京大学の理事でグローバル・コモンズ・センターダイレクターの石井菜穂子氏は「人類がその経済的繁栄を含めて左右される複雑かつ相互依存の地球システムの崩壊を避けるために、われわれは社会・経済システムとライフスタイルを変革する必要がある。化学産業は非常に大きな役割を担っており、その製品は多くの分野で使用され、現代生活の至る所に存在する。その機会は明らかである。ネットゼロのGHG(温室効果ガス)を含む地球の限界内にシステムを戻し、グローバル・コモンズへの貢献者になることである。化学産業がその機会をつかむために自らをどのように変革できるかについて、このリポートが議論のきっかけになることを願っている」と述べた。

ユニリーバ(Unillever)の元CEOでSDGs(持続可能な開発目標)の策定に貢献したビジネスリーダーで活動家のPaul Polman氏は「革新的なリーダーシップは、われわれのグローバルな持続可能性目標の実現に不可欠だ。われわれは、世界の問題を作り出すのではなく、解決することによって利益を得る勇敢なビジネスリーダーを緊急に必要としており、このリポートは、まさにそれを行うよう化学産業に明確に呼び掛けるものである。それは、この分野が持続可能な経済、気候ソリューション、地球にポジティブなシステムを実現するための具体的な道筋を提示している。しかし、この将来の道筋に関連する成長と価値にアクセスするには、業界は過去の化石燃料への依存から自らを切り離さなければならない。これは、業界とそのバリューチェーンにとって喫緊かつ事業に不可欠な対話の始まりを示している」と語った。

SystemiqのマネジングパートナーであるGuido Schmidt-Traub氏は「化学産業はあらゆる近代経済を支えているが、パリ協定の目標を達成するには、バリューチェーン全体にわたって大幅に変わらなければならない。重要なのは、これらの変化は、このリポートで概説されている実証済みのテクノロジーを使って大いに実現可能であるということである。政策立案者、業界、投資界への提言は、現実的で実行可能だ。Systemiqと当社のパートナーは、いかに化学産業がネットゼロかつ自然にポジティブな経済の原動力となることかできるかについての議論をサポートする準備ができている」と述べた。

編集者注意

(注1)https://www.statista.com/statistics/302081/revenue-of-global-chemical-industry/ 

リポート全文はhttps://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals/ またはhttps://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/research-en/chemistry-industry-en/ で入手可能。

Planet Positive Chemicalsのディスカッションイベントはhttps://www.eventbrite.co.uk/e/systemiq-center-for-global-commons-planet-positive-chemicals-discussion-tickets-412873484707 で登録可能。

Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1895566/Report_cover.jpg?p=medium600

ソース: Systemiq