ロンドン, 2022年9月14日 /PRNewswire/ -- 世界の化学産業は、世界の温室効果ガス排出量の約4%を占めている。システム変革企業のSystemiq(https://www.systemiq.earth/ )と東京大学グローバル・コモンズ・センター(https://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/ )の主要最新リポート(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )によると、より循環型で低排出の運用モデルを採用することによって、化石依存を終わらせ、地球にポジティブな力にならなければならない。緊急の行動を起こさなければ、業界は風評、規制のリスクに直面し、社会的な事業ライセンスを失う可能性があると、リポートは警告している。
Planet Positive Chemicals(地球にポジティブな化学製品)リポート(Systemiq(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )、東京大学(https://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/research-en/chemistry-industry-en/ ))は、化学産業の将来の前例のない青写真を提供している。化学産業は、年間収益が4兆7000億ドルに上り(注1)、パッケージングや消費財から建設、肥料まで経済の全ての分野に不可欠な化学物質を提供している。リポートによると、業界は現在、高炭素排出や汚染を含む多くの悪影響を地球に及ぼしており、気候への行動は現在、他の分野に遅れを取っている。
リポートは、業界が地球の限界内で活動するためには、供給と需要の両サイドで抜本的な介入が必要であることを明らかにしている(https://www.stockholmresilience.org/research/planetary-boundaries.html )。調査結果は以下の通り:
Planet-Positive Chemicalsリポートは、業界と政策立案者が今後の道筋について共通の見解を持って団結し、持続可能な運用モデルへの移行を加速するのに役立つことを目的としている。リポートは、システムを変革する可能性のある10の主要措置(https://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals )を提案している。これには、移行原則のグローバル憲章や、ネットゼロの化学物質のシード市場への先駆者連合の確立が含まれる。リポートの著者は、全てのモデリングと分析を公開している。彼らは2022年10月10日にバーチャルディスカッション(https://www.eventbrite.co.uk/e/systemiq-center-for-global-commons-planet-positive-chemicals-discussion-tickets-412873484707 )を開催し、移行を実現させるために、業界、その顧客、政策立案者、投資界が必要とするものを探求する。
世界的な化学企業デュポン(DuPont)の元最高経営責任者(CEO)でシェル(Shell)元会長のChad Holliday氏は「われわれは、国際レベルで合意された気候目標に関して、業界の現実的かつ即時の行動を必要としている。意欲的な企業がグローバルなネットゼロへの移行に代表される機会をつかむことを望んでいる。化学企業の元CEOである私は、地球にポジティブな化学産業は可能であると固く信じており、これは業界がその未来を再定義するための重要な転機である」と述べた。
東京大学の理事でグローバル・コモンズ・センターダイレクターの石井菜穂子氏は「人類がその経済的繁栄を含めて左右される複雑かつ相互依存の地球システムの崩壊を避けるために、われわれは社会・経済システムとライフスタイルを変革する必要がある。化学産業は非常に大きな役割を担っており、その製品は多くの分野で使用され、現代生活の至る所に存在する。その機会は明らかである。ネットゼロのGHG(温室効果ガス)を含む地球の限界内にシステムを戻し、グローバル・コモンズへの貢献者になることである。化学産業がその機会をつかむために自らをどのように変革できるかについて、このリポートが議論のきっかけになることを願っている」と述べた。
ユニリーバ(Unillever)の元CEOでSDGs(持続可能な開発目標)の策定に貢献したビジネスリーダーで活動家のPaul Polman氏は「革新的なリーダーシップは、われわれのグローバルな持続可能性目標の実現に不可欠だ。われわれは、世界の問題を作り出すのではなく、解決することによって利益を得る勇敢なビジネスリーダーを緊急に必要としており、このリポートは、まさにそれを行うよう化学産業に明確に呼び掛けるものである。それは、この分野が持続可能な経済、気候ソリューション、地球にポジティブなシステムを実現するための具体的な道筋を提示している。しかし、この将来の道筋に関連する成長と価値にアクセスするには、業界は過去の化石燃料への依存から自らを切り離さなければならない。これは、業界とそのバリューチェーンにとって喫緊かつ事業に不可欠な対話の始まりを示している」と語った。
SystemiqのマネジングパートナーであるGuido Schmidt-Traub氏は「化学産業はあらゆる近代経済を支えているが、パリ協定の目標を達成するには、バリューチェーン全体にわたって大幅に変わらなければならない。重要なのは、これらの変化は、このリポートで概説されている実証済みのテクノロジーを使って大いに実現可能であるということである。政策立案者、業界、投資界への提言は、現実的で実行可能だ。Systemiqと当社のパートナーは、いかに化学産業がネットゼロかつ自然にポジティブな経済の原動力となることかできるかについての議論をサポートする準備ができている」と述べた。
編集者注意
(注1)https://www.statista.com/statistics/302081/revenue-of-global-chemical-industry/
リポート全文はhttps://www.systemiq.earth/planet-positive-chemicals/ またはhttps://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/en/research-en/chemistry-industry-en/ で入手可能。
Planet Positive Chemicalsのディスカッションイベントはhttps://www.eventbrite.co.uk/e/systemiq-center-for-global-commons-planet-positive-chemicals-discussion-tickets-412873484707 で登録可能。
Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1895566/Report_cover.jpg?p=medium600