イタリア・カンビアーノ, 2022年7月13日 /PRNewswire/ -- 世界初のピュアEVハイパーGT「バッティスタ」の生産がイタリア・カンビアーノに新設された専用の「バッティスタアトリエ」にて開始されました。このアトリエはイタリア・ピエモンテ州にあり、イタリアンラグジュアリーカーメーカーとしてスタートを切ったアウトモビリ・ピニンファリーナの物語はエキサイティングな新章に突入しました。
賞にも輝いたバッティスタは、2,300平方メートルの専用アトリエにて職人達の手によって限定150台が製作されます。また、バッティスタのオーナーはワールドクラスのカスタマーサービスを享受できます。アウトモビリ・ピニンファリーナのグローバルリテーラーネットワークに参加するラグジュアリーパートナー25社と、アウトモビリ・ピニンファリーナのクライアントリレーションズのスペシャリストがクライアントをサポートします。
アウトモビリ・ピニンファリーナのパー・スヴァンテッソンCEOは次のように述べています。「受賞歴のあるバッティスタを量産車として製作するチームを率いることができ、大変誇りに思います。2018年にローマでアウトモビリ・ピニンファリーナを立ち上げて以来、我が社は世界20か国から118名の専門家を招集し、チームを築いてきました。現在はミュンヘン本社と創業の地である北イタリアに国際色豊かな『ファミリー』が形成され、デザイナー、エンジニア、車両開発のスペシャリストらが革新的な未来のクルマづくりに携わっています」
「この素晴らしいファミリーはここ数年にわたり、バッティスタのオーナーの皆様にご満足いただくことに精魂を傾け、極めて困難な課題を克服してきました。バッティスタを納車する今年は、自動車の設計・技術の大いなる前進の年となります。 バッティスタのオーナーの皆様には、とてつもない満足感と極めて貴重な体験を同時に味わっていただけることと思います」
現代の技:バッティスタの製作工程
アンドレア・ノヴェッロは多様な人材が活躍するファミリーの一員として、アウトモビリ・ピニンファリーナのプロダクションディレクターを務めています。アトリエのある場所は、ノヴェッロの祖父が数十年前に勤務していた場所でもあり、祖父の知識や技術はバッティスタの製作に受け継がれています。
ノヴェッロはこう述べています。「バッティスタアトリエはイタリア史上最強のクルマを製作するために改装された施設であり、 歴史とインスピレーションに溢れた刺激的な場所です。ここでは先端技術を活かしたコンポーネントや材料を用い、品質保証プロセスを導入して、バッティスタのドライビング体験と同じように刺激的なオーナーシップ体験を提供します」
バッティスタアトリエは計14の生産ゾーンと品質保証ゾーンに分かれています。何台もの取付装置を特注で新規製作するなど、現代的技術を取り入れつつ、バッティスタの細かなネジ類はエアドライバーによる締め付けで精度を確保するという昔ながらの方法や工具も活かし、この場所で受け継がれてきたコーチビルディングの伝統が息づく製作工程となっています。
バッティスタの製作には10週間かかりますが、「バッティスタ・アニヴェルサリオ」の場合は手塗りでの仕上げを含め、トータルで18週間かかります。1台のバッティスタは10人の職人が1,250時間以上かけて製作します。バッティスタ・アニヴェルサリオは特注デザインの装備と仕上げが必要となり、最大1,340時間かかります。
最初のゾーンに送られてくるのはバッティスタのローリングシャーシです。このローリングシャーシは電動パワートレイン、T字型バッテリー、カーボンファイバー製モノコック、電気系統全体で構成されています。このゾーンではアウトモビリ・ピニンファリーナの厳格な品質標準に従って評価が行われ、その状態が記録されます。バッティスタはここカンビアーノで、電子制御された多くのゲートを通過して完成に至りますが、その最初のゲートがここになります。
続いて、下塗りされたホワイトボディがモノコックと結合され、バッティスタの姿が形になり始めます。「ゴッチャ」(Goccia:イタリア語で「しずく」)と呼ばれるルーフでキャビンを取り囲み、構造的な強度と剛性を確保します。この工程用に製作された装置にボディを載せ、これ以上はないほど厳しい許容誤差で2日間かけてすべての寸法とパラメータを測定・記録します。この場所では過去20年間、こうしたやり方を貫き、名車を生み出してきました。測定が終了したボディはシャーシから取り外され、専用の塗装工程に送られます。
塗装には通常3~4週間かかります。新たな塗装用コンパウンドと多層メタリック仕上げを用い、アウトモビリ・ピニンファリーナの拠点であるイタリア・ピエモンテ州から着想を得た28色の内の1色を塗装します。塗装用の特注装置に各パネルを取り付け、確実にカラーマッチングします。エクステリアの塗装を仕上げている間に、ダッシュボードとインテリアのアイテムを取り付けます。
5番目のゾーンでは2日かけて車両全体の80%まで組立を進めます。職人達は、人間工学に基づいて設計されたリフトと、リフトに装備された特注の治具を使用し、ホイールアーチやフラットアンダーフロアなどの厳しい許容誤差を達成します。複雑な形状のバタフライドアもこの工程で2日間かけて取り付けます。洗練されたデザインのドアは車両構造に不可欠であり、
使用する装置はドアの重量を支え、複数の方向に傾けて確実に位置合わせできるように特別に設計されています。
次に、1回目のエンドオブラインチェックとコミッションを実施します。特注のソフトウェアとツールを使用し、車両を「工場モード」にした状態で、すべての基準が満たされているかどうかを点検します。続いて「顧客モード」に切り替え、バッテリーの充電、インフォテインメント、アウトモビリ・ピニンファリーナが独自開発したサウンド「スオーノ・プーロ」(SUONO PURO)など、実際の機能が正常に動作することを確認します。
アトリエ内に設けられた最終ワークステーションでは、バッティスタをリフトで持ち上げ、24時間かけてホイールとステアリングのアライメントを完了します。各車両はその後、ウォーターマネジメントエリアに送られ、強度に関係なく、水が車両に浸入しないことを確認してから最終承認され、デジタルログの完了となります。
エンドオブラインの品質チェックは完璧さにこだわる専門家らが担当し、機能試験、ライトトンネルでの徹底的な外観評価、路上試験などを実施します。バッティスタ用のGTテストプログラムでは、オーナーが実際に走行するであろう様々なタイプの道路や路面を想定した専用ルートで1台1台を評価します。それぞれのバッティスタは同じテストドライバーが詳細に検証します。テストプログラムが終了すると、バッティスタはカンビアーノに戻され、保護ラップが取り外され、最終的な見栄え点検の後、
クライアントに納車されます。
アウトモビリ・ピニンファリーナのチーフプロダクト&エンジニアリングオフィサーであるパオロ・デラーチャは次のように述べています。「バッティスタで目指したのは、新しいタイプの魅力的な『グランツーリスモ』でのドライビング体験でした。電動化がもたらす前例のないパワーをフルに活かしたバッティスタのドライビングは、このハイパーGTの姿とディテールに注がれたデザインチームの素晴らしい仕事ぶりに相応しいものです」
「すべての工程で品質を最優先しました。ワールドクラスの技術的構成部品の製作から、バッティスタ開発プログラムの過酷な試験に至るまで、アウトモビリ・ピニンファリーナのチームは、自分たちが初めて世に送り出すこの素晴らしいクルマで、お客様に一瞬一瞬を楽しんでいただきたいと考えました」
お一人お一人にビスポークの醍醐味を
バッティスタのオーナーは実際にバッティスタアトリエを訪ね、自身のバッティスタを製作するチームに会い、彼らと協力して好みのデザインを選び、製作の様子を目にすることができます。このコミッショニングサービスはバッティスタのオーナーだけが体験できる特権です。
クライアントは製作チームとの掘り下げた話し合いを通して理想のバッティスタをカタチにします。 各クライアントに対しては、クライアントをカンビアーノに招待する前にビスポークデザインが提案され、デザイナーらと直に話し合いをする中で、最終的な仕様が決定されます。
アウトモビリ・ピンファリーナのチーフデザインオフィサーであり、各クライアントと協力して理想のコンフィギュレーションを完成させる役割を担うデイブ・アマンテーアは次のように述べています。「バッティスタは1台1台がビスポーク仕様です。我々はバッティスタに情熱を注ぐデザイナーとして専門知識や見識をクライアントの皆様と共有したいと考えています。デザイン哲学『PURA』(イタリア語で「ピュア」の意)をお伝えし、クライアントとの共同作業によって、クライアントの個性を反映した夢の仕様を実現します」
「お客様にとっては非常にパーソナルな体験であり、無限に近いオプションからお選びいただく際には、お客様のインスピレーションを刺激し、記憶に残る体験をしていただくことが私たちの大切な役目です。そうしたプロセスを経ることによって、各オーナーのパーソナリティを反映し、真の相棒となる世界に1台のバッティスタが完成します」
製作エリアの隣にはエクステリアカラー、インテリアカラー、素材などの各種オプションを指定できるコミッショニングラウンジがあり、豊富なサンプルを見て触れることができます。エクステリアのために用意された「バッティスタ・エクステリア・ジュエリー・パック」を選択したり、ブレーキキャリパーの色やホイールのカスタム仕上げなどの指定も可能です。エクステリアの仕様は「13.9×10の18乗」通りほどの組み合わせがあります。
インテリアはカラーの他、革、アルカンターラ、アルミニウムなどの素材、エングレービングの組み合わせが1億2800万通りもあり、世界に2つとないバッティスタに仕立てることができます。その唯一性がバッティスタの投資ステータスをさらに高めます。その礎となっているのは、収集価値のある傑作車を生み出してきたピニンファリーナの輝かしい歴史です。
カラー&マテリアルデザインディレクターであるサラ・カンパニューロは次のように述べています。「バッティスタの製作は、真のパーソナライゼーションとクラフトマンシップをまったく新たな領域に展開する機会となりました。革新的技術とピニンファリーナが誇るデザインの伝統を融合することは私たちに与えられた特権であり、そのために使用する持続可能な材料やプロセスは今後のプロジェクトの向上と推進につながります」
バッティスタの設計・製作の状況については、アウトモビリ・ピンファリーナのクライアントリレーションチームから各クライアントに最新情報が直接通知されます。
比類なきオーナーシップ体験
アウトモビリ・ピンファリーナのクライアントサービスではバッティスタを生涯所有するための保証が提供されます。アフターセールスに360度のデジタルアプローチを採用し、部品・保証管理、トレーニング、リモート診断などを含め、世界各地のリテーラーパートナーによってオーナーに安心を提供します。北米、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアにサービス拠点を構え、世界のどこであろうとクライアントをサポートします。
専門技術を要する問題が生じた場合は、クライアントとバッティスタのために世界中どこでも「フライングドクター」が飛んで行きます。バッティスタについて豊富な知識を持つフライングドクターは、バッティスタの開発段階にゼロから参加し、オーナーズマニュアルやリテーラーパートナー向けワークショップマニュアルの制作にも携わってきました。
オーナーのための包括的なアフターサービスパッケージとして「エッッチェレンツァ(Eccellenza)」、「フーツラ(Futura)」、
「エテルナ(Eterna)」の3種類が用意されます。
世界各地のお客様へのバッティスタの納車は今夏に開始されます。ピュアEVハイパーGTのボディスタイルは「プーラ(Pura)」、またはボディデザインパッケージ「フュリオサ(Furiosa)」のいずれかとなります。150台限定で生産されるバッティスタの中にバッティスタ・アニヴェルサリオが5台含まれます。バッティスタ・アニヴェルサリオはデザイン業界に功績を遺したバッティスタ・"ピニン"・ファリーナへの敬意を示す仕様となっています。バッティスタ・アニヴェルサリオは5台とも完売しています。
詳細については、右記をご覧ください
automobili-pininfarina.com/media-zone
編集者注
アウトモビリ・ピニンファリーナのバッティスタ (PRESS KIT LINK)
バッティスタは、これまでにイタリアで設計・製造された車両の中で最もパワフルであり、内燃エンジン技術を搭載する現代の公道仕様スポーツカーでは達成できない水準のパフォーマンスを発揮します。0-100km/h加速は現行F1レースカーを凌駕する2秒未満、最高出力1,900馬力、最大トルク2,360Nmを誇り、ゼロエミッションパッケージで究極のエンジニアリングとテクノロジーを両立します。バッティスタは各ホイールに1基ずつ計4基の電動モーターがあり、120kWhのバッテリーから電力が供給されます。WLTP複合モードの航続距離は1回の充電で最長476km(296マイル)です。イタリア・カンビアーノにあるバッティスタアトリエにて、150台限定のバッティスタが1台ずつ手作業で製作されます。
アウトモビリ・ピニンファリーナについて
アウトモビリ・ピニンファリーナは、ドイツのミュンヘンに事業本部を置き、ラグジュアリー/プレミアム・カーブランドで豊富な経験を積んだ自動車エグゼクティブチームを擁しています。デザインとエンジニアリングはイタリア国内で行われ、手づくりされるハイパーGT「バッティスタ」と今後の全モデルは、すべての主要グローバル市場で「ピニンファリーナ」のブランド名で販売されます。世界で最もサステナブルで最も熱望されるラグジュアリーカーブランドを目指す新会社です。
同社はマヒンドラ&マヒンドラ社(Mahindra & Mahindra Ltd)が100%出資しています。
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