パリ, 2022年4月22日 /PRNewswire/ -- ランコムは、包括的な農業的・建築的アプローチに基づいて作られたユニークな農園である「Le Domaine de la Rose」を開園いたします。落ち着いた雰囲気をまとい、高い環境意識に裏打ちされたこのドメーヌでは、香料植物に関するイベントやトレーニングセッションを2023年から開催予定です。これらを通じ、ブランドが生物多様性保護のために具体的に行っている取り組みについて、特にバラにフォーカスしつつ、一般の皆さまに理解を深めていただくことのできるユニークな機会を提供してまいります。
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グラース地方の中心地にランコムが作り上げたのが、4ヘクタール(9.8エーカー)にわたって広がるエコロジカルな農園、「Le Domaine de la Rose」です。ブランドがこの土地を買収したのは2020年のことでしたが、その目的には、ブランドを象徴する原料であるバラや、その他の香料植物の栽培を行うことだけでなく、この土地が伝える遺産や天然資源を保護するため、生物多様性保護区を作り、はぐくむことも含まれていました。
このプロジェクトは、二つの分野を中心に進められました。一つは、在来種の植物や香水の原料となる花々を植え付け、それらの新鮮な作物を通じて農業活動に力を入れていくことであり、もう一つは、土地を人工的に改変することなく、地元材、リサイクル材、バイオベース素材を用いて敷地内の母屋の修復を行い、土地の遺産である既存の樹木を保全することを通じ、この場所に備わった建築的遺産や自然遺産を再生することでした。こうして、ランコムは、ビューティ界のトップブランドとして初めて、農業・園芸に関する包括的な遺産の所有者にして生産者、そして保護者となりました。現代的なアプローチに基づきつつ、資源および資材の使用を極力控えるこのエコロジカルプロジェクトは、ブランドの価値を反映したものであると同時に、フレグランスメゾンとしてのブランドの原点からそのエッセンスを得ているものということができます。
また、「Le Domaine de la Rose」は、教育用の蒸留所や調香オルガン台が示すように、香料植物に関する専門的な知見、そしてランコムが香水作りについて持つ特別なサヴォアフェール(専門技術)の伝承の場としての役割も担っています。2022年6月からは、新作の香水、「La Vie Est Belle Domaine de la Rose」およびフレグランス「Maison Lancôme 1001 Roses」で、一般のお客様にも「Le Domaine de la Rose」で新たに育ったロサ・ケンティフォリアを用いた調香をお楽しみいただく予定です。
このドメーヌをひときわ特別なものとしているのは、栽培学上の多種にわたる知見が組み合わされ、用いられていることです。これは、サステナブルで、トレーサブル、そしてオーガニックな手法による香料植物の栽培に革新と発展をもたらすことを狙いとしています。この土地は、これまでおよそ5世紀にわたって農地として用いられてきました。 また、土地の以前の所有者は、50年以上にわたり、バラおよび香料植物の有機栽培のパイオニアと目されてきた人々でした。ランコムは、アグロフォレストリーの手法を採用し、空積みの石垣*や水路、樹木といった、ドメーヌが誇るユニークな農業上・建築上の遺産を守っていくことで、このアプローチを継承しています。ブランドが取り組みにおける指針としている生物多様性調査で観察・記録されたところでは、ドメーヌには、163以上もの植物種が存在しており、33種類の鳥類や31種類のチョウ類、8種類のトンボ類、12種類のコウモリ類をはじめとする動物たちに住処を提供しています。
このエコロジカルなドメーヌは、ランコムの、企業としての社会的・環境的責任に関する戦略の不可欠な一部を構成しています。この戦略において、ランコムは、原材料の栽培や加工から、製品の使用や廃棄段階までを通じ、製品のエコロジカル・フットプリントの総体的な削減を目指しています。「Le Domaine de la Rose」を通じ、ランコムは、生物多様性への影響の軽減に取り組んでいます。これは、生物多様性の減少は、地球の生態系の保全や、生態系が物理的変化に対して持つ回復力に悪影響を及ぼすものであるためです。今日、ランコムでは、ブランドのスキンケア製品およびメイクアップ製品で使用するバラの99%がオーガニックとなっています。また、2025年までには、有機栽培のバラの使用率を100%にし、さらにそのうちの60%をフランス産とすることを計画しています。
「バラは、ランコムにとって常に重要なアイテムでした。このドメーヌを購入し、世界的な香水の都であるグラースにおける私たちのプレゼンスをさらに高めることができたことを非常に喜ばしく、光栄に感じております。ランコムは、スキンケア製品ライン向けにヴァロンソルに名高いバラ園を持っていることもあり、この地方とはすでに深いつながりを持っていましたが、今後さらに、ブランドが掲げる追跡可能で責任ある調達のアプローチの一環として、自社栽培のバラに注力していく予定です。私たちが目指したのは、近代的でサステナブルな改修技術を取り入れつつも、この場所に本来備わる農地としての性格と生物多様性の均衡を尊重した修復を行うことでした。このドメーヌの取得を通じて、ランコムでは、ブランドが誇る知見の伝承への取り組みとならび、内外の皆さまに、広く、バラにまつわる伝統的なサヴォアフェールをお伝えしていきたいと考えております」と、ランコム・インターナショナ社長のフランソワーズ・レーマンは語っています。
この、地道なサステナブルプロジェクトの実現に向けたランコムの意志は、そのコミットメントと同様、非常に強固です。本プロジェクトは、パッシブデザインおよびバイオクライマティックデザインをベースとし、建築事務所NeMの二人の建築家、ルシー・ニネとチボー・マルカによって手掛けられました。プロジェクトでは、既存の空積みの石垣**は、伝統的な手法による修繕を施した上でそのまま残されました。また、新たな農業用の建物の建設は、自然景観に溶け込むことができるよう、それらの石垣との調和に配慮しつつ行われました。すでに敷地内にあったプロヴァンス風住宅を、その大きさや建築的特徴を生かしながらリノベーションすることで新たに設けられたのがローズ・ハウスです。この建物は、グラース地方に古くから伝わる伝統と技術に忠実な色彩や素材も取り入れた、今日的な外観をまとうこととなりました。母屋の改装にあたっては、建物の外を覆う外装材、屋根、そして木工部は、この場所の配色に色を合わせ、全体の調和を図るべく、全てピンク色に統一されました。ピンク色は、この地方の花々や植物の中に自然に存在しているだけでなく、グラースの家々のファサードにもしばしば取り入れられており、この地方の地域色の一つということができます。そして、この色はもちろん、ブランドイメージを反映した色でもあります。
省エネ化を図るとともに、ライフサイクル全体における環境への負荷の削減を目指すエコロジカルなリノベーションを実現することを目指し、母屋の壁には、外壁側にラベンダーのわらと木質繊維の混合物を用いた断熱と、それを覆うピンク色の漆喰による仕上げを含む改修が施されました。このエコロジカルなドメーヌには、雨水を利用した灌漑システムに加え、水の回収・再利用システムが備わっており、水の自給および再生可能エネルギーの活用が目指されています。さらに、空調は、地中熱交換器による自然換気を併用した地中熱ヒートポンプによってまかなわれています。これらの一連の設備により、本プロジェクトは、BDM(サステナブル地中海建築、Bâtiment Durable MéditerranéenまたはSustainable Mediterranean Building)のゴールド認証を獲得しています。
*空積みの石垣は、テラス状になった土地の支えとなるもので、棚の上に広がる栽培地の地滑りを防ぐために設けられます。
**生物多様性についての一覧作成のための調査は、グラース生物多様性アトラス(Biodiversity Atlas of Grasse)のデータベースの開発を目的として行われました。これは、グラースのエコロジー移行契約(CTE、Ecological Transition Contract)が掲げる目標の重要な要素にもなっています。
Carolina SCHMOLLGRUBER:
Carolina.SCHMOLLGRUBER@loreal.com
Hayat ZENATI:
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Olivier VAN DONSELAAR:
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