プラハ, 2022年4月21日 「iMUCHAマルチメディアエクスペリエンスは、チェコのアール・ヌーヴォーの最高傑作に現代という空間を与えると共に、最先端テクノロジーにより、アルフォンス・ミュシャの作品と生涯を現世代に近づけることのできる非常に質の高い企画です。そのため、本展の開催に携わることができ大変光栄です。」とマルティン・バクサ文化大臣が仰いました。続けて、「本企画は、チェコ共和国と日本の二国間関係を強化する良い機会でもあると考えています。さらに、ミロシュ・ゼマン大統領をはじめとする公人より、チェコ共和国と日本の関係を深める重要度の高い文化事業の一つとして位置付けられています。」
チェコ共和国大統領の後援
チェコ共和国としても展覧会の開催に強い関心を持ち、チェコのミロシュ・ゼマン大統領が自らの後援のもと展覧会の開催を支援しました。「チェコ共和国と日本が長年にわたり友好関係を培ってきたことを大変嬉しく思います。このことは、日本がチェコにとって重要なパートナー国の一つであるという事実に大きく貢献してきたと強く感じています。そして、iMUCHAマルチメディアエクスペリエンスの開催は、二国を適切な方法でつなぐ次なる段階の一つになると確信しています。」とミロシュ・ゼマン大統領が仰いました。
世界初のiMUCHA展覧会の開催地となる日本
アルフォンス・ミュシャの作品が、世界で初めて最高画質の大画面に投影されます。360度の視界を作品で埋め尽くされた空間では、来場者はまるで物語の中に惹き込まれたかのようです。また、3D空間に配置されたアルフォンス・ミュシャの作品は、現代のパリやニューヨーク、そして時には夢のようなアール・ヌーヴォー様式の庭園にたたずんでいるような印象を来場者に与えます。この度は、チェコのアートシーンを支えるリチャード・フクサ財団が所有する世界最大級のアルフォンス・ミュシャのポスターコレクションがデジタル化されました。そして、日本における本企画「チェコプロジェクト」のパートナーは、ソニー・ミュージックソリューションズとなります。
アルフォンス・ミュシャの生涯と作品は、没入という壮大なイマーシブ展へと姿を変え、来場者は、サラ・ベルナールとの運命的な出会いからパリやアメリカ時代、聖ヴィート大聖堂やスラブ叙事詩といったボヘミアにおける制作活動など、ミュシャの作品にとって重要な意味を持つ年代や主な人生の節目を体感することができます。来場者はさらに、チェコの偉大なアール・ヌーヴォー を代表する芸術家であるミュシャについて、壮大な投影から彼の生涯や技術を学ぶことができます。
チェコと日本のアートにおける歴史的なつながり
アルフォンス・ミュシャの作品は、日本で高い人気を誇るだけでなく、日本とは密接な関係にあります。 ミュシャのポスターに描かれている花や植物、波打った髪などの装飾様式は、後にフランス美術の一端を担った日本の型紙(ステンシル)に触発されました。
ミュシャの作品に見られる自然な装飾模様は、明らかに日本文化の影響の現れであると言えます。このように、ミュシャは西洋美術のアール・ヌーヴォーに多大な影響を与え、再び日本にその姿を刻み込み現在に至ります。このことが最も顕著に現れている例は、現代的な日本文化の象徴である漫画です。 日本の漫画家は、1970年代からミュシャの作品の影響を受けてきました。
日本の女性の漫画家集団・CLAMP(クランプ)は、ミュシャから最も影響を受けたと考えられています。「聖伝-RG VEDA-」のイラストの多くには、アール・ヌーヴォーの装飾的なフレームおよびミュシャ様式が取り入れられています。また、藤島康介氏においては、「ああっ女神さまっ」にてフリル使いが印象的な服およびミュシャが描いた女性に匹敵するロングの巻き髪が描かれている点などからも、ミュシャの影響を感じとることができます。
横浜で開催される展覧会の会期は偶然に設定されたわけではなく、アルフォンス・ミュシャの没後83周年にあたる7月14日に記念すべきスタートを切ります。このように、チェコ共和国は本展の開幕によって、アール・ヌーヴォーの巨匠へ敬意を表します。