【バンコク2022年3月24日PR Newswire=共同通信JBN】
*チュラロンコン大学(Chulalongkorn University、Chula)の研究者は、National Research Council of Thailand(タイ国家研究評議会)の2021年Outstanding Inventions Awardから承認を得た簡単で正確で迅速な子宮頸がん用尿検査キットを開発
子宮頸がんは、乳がんに次いで30歳から60歳のタイ人女性に2番目に多いがんで、毎年1万件の新たな症例があり、年間5000人もの命を奪う。早期発見されれば治癒可能だが、多くの女性が費用とパップスメア方式への不安で検査を恐れている。これはヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる性感染症で、コンドームでは予防することができない。HPVにはワクチンが存在するが、まだ広く普及しておらず、100%の防御を与えるわけではない。
現在、Orawan Chailapakul教授・博士、Prinjaporn Tee-ngam博士、Sarida Naorungroj氏、Somrak Petchcomchai博士、Tirayut Vilaivan教授・博士で構成されるチュラロンコン大学理学部化学学科の研究チームは、頻繁に実施できるより簡単で痛みのない処置を可能にする子宮頸がん用の紙ベースDNAセンサーHPV尿検査キットを発明した。
紙ベースDNAセンサーHPV尿検査キットは、パップスメアよりも簡単で早く終わる。これで検査器具を挿入して膣壁を広げておく必要がなくなる。
Orawan教授・博士は「このキットは、DNAに似た構造を持つ合成物質であるPNA(ペプチド核酸)を使用したHPV DNAを検査し、ウイルスの特にがんを誘発する株を標的にするようデザインされている」と述べた。
「尿サンプルを溶液に混合し、ペーパーセンサーの上に落として、色の変化を観察する。標準の色は鮮やかな赤で、見つかったウイルス量によって色が薄くなる。尿内のDNA物質は組織内より少ないため、色の変化をよりわかりやすくするためにDNAレベルを増大させるスマートフォンの測色計アプリも使用される。検査結果は、感度85%、特異度78%、再現率100%という検査キットの高い精度を示す」
500バーツ未満のHPV検査キットは家庭用ではなく、医療センターや地域病院で施されなければならない。
子宮頸がんから身を守るには、女性は「常に陰部を清潔に保ち、定期的な検診を受けるべき」だとOrawan教授・博士は話を結んだ。
詳細はhttps://www.chula.ac.th/en/highlight/67741/ を参照。
▽メディア問い合わせ先
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Prof. Dr. Orawan Chailapakul
Email: orawon.c@chula.ac.th