【北京2022年2月11日PR Newswire=共同通信JBN】「やったー!」2022年北京冬季五輪大会のパンダ型のマスコット「ビンドゥンドゥン(Bing Dwen Dwen)」の大ファンの日本人、辻岡義堂氏は8日、2022年北京大会マスコットデザインチームの責任者の曹雪(Cao Xue)氏とオンラインで対談中に、特別なプレゼントを受け取った。
先週、日本テレビのアナウンサーである辻岡氏は、彼の一連の動画が中国のソーシャルメディアで急速に拡散した後、彼のビンドゥンドゥンへの愛が中国のソーシャルメディアで大きな話題となり、新たに「ギドゥンドゥン」の異名を得た。動画は、ニュースの生放送中に辻岡氏がビンドゥンドゥンのバッジのコレクションを「披露」し、ビンドゥンドゥンと対面し、意気込んでビンドゥンドゥンを日本の視聴者に宣伝する様子を伝えた。
辻岡氏は先週、環球時報(Global Times)とのインタビューで、ビンドゥンドゥンのデザイナーと対談することは、願いの1つであると語った。環球時報の計らいにより、辻岡氏の願いは8日に叶った。
対話の中で曹氏は、ビンドゥンドゥンがデザインされた過程について、幼いパンダのイメージに由来するものであることや、デザイン中にどのように機密性を守ったかなど、数多くの詳細を明らかにした。
曹氏は、ビンドゥンドゥンは、スポーツ用ヘルメットをかたどった氷のシェルの中にいる幼いパンダであり、動物をよりアスリート的な外見にしていると述べた。アイスリンクのトラックに似た、顔の周りに浮かぶ一連の色の輪のアイデアは、「アイスリボン」として知られる国家スピードスケート館から着想した。
また、宇宙服を着た宇宙飛行士に似たビンドゥンドゥンは、未来から来たウインタースポーツのエキスパートになるようにデザインされ、ウインタースポーツと最新テクノロジーの完璧な融合を表している。氷のシェルも、さまざまな将来のデザインのための余地を残す。
ビンドゥンドゥンがどのように作られたのかを知る機会を得た辻岡氏は興奮し、会話中に、可愛いマスコットの裏話に驚嘆し、多くの質問をした。
マスコットをデザインする際に他の動物が考慮されたかどうかという質問に対し、曹氏は、チームはアムールトラ、エルクなどの動物を試したが、最終的には世界的に愛されているパンダを選んだと述べた。そして、ビンドゥンドゥンの愛らしいイメージを作るために、目、鼻、口をできるだけ顔の中央寄りにした。
デザインの詳細についてやりとりしながらも機密性を保持するために、曹氏と彼のチームは、広州と北京の間を7カ月間に21回往復した。
「われわれデザイナーはアスリートではないが、マスコットのデザインに参加することでアスリート精神を感じた!」
オンライン対談の最後に辻岡氏は、曹氏が都合の良い時に、辻岡氏とビンドゥンドゥンを一緒にイラストにしてもらえるかどうか尋ねた。躊躇することなく、曹氏は同意し、その場で絵を描き上げた。数分後、満面の笑みでビンドゥンドゥンを手にした興奮気味の辻岡氏の画像が現れた。
辻岡氏との対話の後、曹氏は環球時報に「辻岡氏はビンドゥンドゥンに感動したと言い、われわれは彼のビンドゥンドゥン愛に感動した…これはビンドゥンドゥンをデザインすることで伝えたいことでもある―愛と幸福とオリンピック精神をより多くの人と共有することだ」と語った。辻岡氏や非常に多くの人々にビンドゥンドゥンのデザインが愛されているのを目にし、曹氏は嬉しく、非常に喜んでいる。
ビンドゥンドゥンの売り上げは、中国だけでなく海外でも急増している。たとえば、日本の中古品取引ウェブサイトでは、ビンドゥンドゥンが値上がりしているか、売り切れになっている。
北京の一部の商店街では、パンダをモチーフとしたマスコットの記念グッズを買うためだけに、寒さの中、4-5時間にわたって何百人もの人が列を成し、開会式に登場した洋服の売り上げも急増した。
6日午後1時、北京の王府井歩行街にある公式の大会グッズ旗艦店の前を、記念グッズ、とりわけマスコットを買うための300メートルの行列がゆっくりと進んでいた。長蛇の列のために椅子を持参した人もいた。
ある買い物客は環球時報に「私は4時間近く並んで待っている。ビンドゥンドゥンのために来た」と語り、5日にスピードスケートのショートトラックで中国チーム(Team China)が獲得した最初の金メダルを祝うために記念グッズを買いに来たと付け加えた。
列に加わっていた外国人は環球時報に「皆が冬季五輪大会記念グッズなどのアイテムを手に入れたいのだと思う。私は上海にいる妻の親戚のために並んでいる」と語った。
「実にさまざまなものがあると聞いているが、最も人気のあるのはマスコットのビンドゥンドゥンで、パラリンピック競技大会のマスコット(シュエロンロン)も人気だと思う」と彼は言った。
5日の旗艦店によると、2022年北京大会関連商品の1日あたりの売り上げは、開会式の日の4日に過去最高の約300万元(47万ドル)に達した。販売が好調で長蛇の列が発生し、店舗は個人消費者の購入数を制限し、ピーク時を避けるよう促した。
ビンドゥンドゥンは開会式以降、中国のソーシャルメディアでトップに立っている。6日午後5時の時点で、「ビンドゥンドゥン」トピックは、Sina Weiboで21億5000万回の視聴を集めた。
主要なeコマースプラットフォームであるJD.comでの、春節休暇中の中国全土でのすべてのホットサーチの中で、ビンドゥンドゥンの検索が90%を占めたと同社は6日、環球時報に語った。プラットフォームでこのマスコットを検索したユーザーは1000万人を超えた。
マスコットに対する熱い需要に対応し、北京オリンピック組織委員会の広報担当者である趙偉東(Zhao Weidong)氏は6日の記者会見で、当局はビンドゥンドゥン商品の供給を増やすために関係者と調整中であり、記念グッズの供給のひっ迫は、製造工場が1週間にわたる春節休暇でずっと閉鎖されていたために起こったと述べた。
マスコットの記念グッズのメーカー3社のうちの1つで中国東部江蘇省に拠点を置くNantongJinfenghuang Crafts Toy Manufacturing Coは、工場に在庫がなく、8日から生産を再開するとメディアの報道が伝えた。
中国のスポーツ業界のコンサルティング会社であるKey Solution Sports CoのZhang Qing最高経営責任者(CEO)は環球時報に「マスコットのグッズに対する買い物客の熱意は2008年を上回った。マスコットのぬいぐるみが在庫切れになったのは初めてだ」と語った。
2022年の北京大会は、中国の人々が贈り物を送り、新しい服を購入する傾向がある春節の休暇中に開催され、オリンピック商品のマーケティングの機会を提供したとZhang氏は述べた。
北京2008年五輪大会を例に取ると、オリンピック関連製品は1億6000万ドルの収益を生み出したとChengdu Economic Daily(成都商報)は報じた。
Shanxi Securitiesは、2022年北京五輪大会の期間中、公式記念グッズの収益だけで25億元を超えると見積もっている。
中国では、マスコットのグッズに加え、開会式で参加者が着用したダウンジャケットやトラの形をした帽子や靴も人気を博している。旧暦の新年は寅の年である。
中国のスポーツウエアブランドAntaは、JD.comでの4日夜から5日正午までのダウンジャケットの売り上げが前年同期比で203%増加した。
プラットフォームのカスタマーサービス担当者によると、開会式で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が着用したAntaのダウンジャケットもJD.comで広く人気を博し、問い合わせが増えた。