【サンパウロ2021年12月15日PRNewswire =共同通信JBN】
*買収は米国と欧州でのプレゼンスを高める
*RigamontiがKing'sとPrincipeの歴史的ブランド、イタリアの4生産拠点、米国でのグループの全業務を受け継ぐ
国際的な大手タンパク質系食品企業のJBSは、ブレザオラ(生ハム)生産最大手の子会社Rigamontiを通じて、King's Groupを完全買収する契約に署名した。この買収でJBSは、DOP(原産地名称保護制度)とIGP(保護指定地域表示)証明を持つイタリア特産豚肉の3大地域に進出する。欧州連合(EU)で使用されるこうした区分は、特定の地区で生産される食品の品質と独自性を認定している。
同社は8200万ユーロ(9250万ドル)でイタリアの4工場を取得した。2工場はパルマ県、1工場はビチェンツァ、4番目の工場はウーディネにある。Principeの全米事業も買収対象で、これにはニュージャージー州の食肉スライス工場が含まれる。
買収には、イタリアのデリカテッセン市場で高品質と評価が高い2ブランドの営業も含まれている。その1つKing'sブランドは1907年にベネト州ソッサーノで生まれ、イタリア政府によって「Historical Brand of National Interest(国益にかかわる歴史的ブランド)」と認定された。もう1つのPrincipeブランドは1945年、フリウリ・ベネツィア・ジュリア州のトリエステで立ち上げられた。Principeは現在、Pigglyの20%株を保有する。Pigglyは持続可能な抗生物質完全不使用の豚肉でイタリア初の生産者で、マントバとベローナに施設を持つ。
米国をはじめ20カ国以上に進出するKing's Groupは、Prosciutto di San Daniele(プロシュット・ディ・サン・ダニエーレ)DOPの生産で市場をリードし、Prosciutto di Parma(プロシュット・ディ・パルマ)DOP生産の重要なプレーヤーであり、GranSpeck(グランスペック)やProsciutto Veneto(プロシュット・ベネト)DOPといった特産品も作っている。こうした資産の管理はすべて、Bresaola(ブレザオラ)IGP生産で世界首位のRigamontiに受け継がれる。
King's Groupの施設やブランドの買収は、米国や欧州だけでなく、その他の地域でのJBSの拡大にとって戦略上重要である。同社は今では、原産地証明付きのプロシュット、ブレザオラ、ボロニアソーセージ、スペック、サラミなどを手作り保存用製法した折り紙付きのイタリア特産品の製造販売で品ぞろえと仕組みを持つからだ。
JBSのGilberto Tomazoniグローバル最高経営責任者(CEO)は「この買収は、高付加価値製品を拡大するというわが社の戦略的アプローチに沿ったものである。買収によってわれわれはイタリアのサルメリア(食肉加工業者)に仲間入りし、イタリア名品工場に2億ドルを投資する米国で自社の商業戦略を展開する。欧州と米国におけるKing'sとPrincipeブランドの成長の可能性は極めて大きい」と語る。
RigamontiのCEO、Claudio Palladi氏は「JBSがわれわれのブランドと原産地証明付き製品の無形価値を残すために努力し、イタリアの遺産であるこうした本物の製品の歴史を守ると確信している。それは既にRigamontiと実行したことだ」と述べた。
JBSは米国市場での相乗効果も獲得する。米国では子会社のSwift Prepared Foodsがミズーリ州コロンビアで新たなイタリア式食肉・豚肉施設を建設しており、2022年にオープンする見通しだ。
買収はJBS取締役会が承認しており、独禁規制当局の承認後に手続きが完了する。
▽JBSについて
JBSはグローバルな大手タンパク質系食品企業である。さまざまな製品(鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、植物肉)に多角化したプラットフォームを擁する同社は、製造部門で25万人以上を雇用し、ブラジルや米国、カナダ、英国、オーストラリア、中国などすべての大陸にオフィスを構えている。ブラジルでJBSは最大の雇用企業として、14万5000人以上を雇用している。JBSは、世界中で優秀で斬新と認められる幅広い品ぞろえのブランドを提供する。Swift、Pilgrim's Pride、Seara、Moy Park、Primo、Just Bareをはじめとする多くの製品は毎日、190カ国の消費者のテーブルに届いている。同社はサーキュラーエコノミーを重視して、革製品、バイオディーゼル、コラーゲン、日用衛生・洗浄製品、自然包装、固形廃棄物処理、リサイクル、金属パッケージング、輸送など関連事業にも投資する。JBSは高品質と食品の安全性を優先し、バリューチェーン全体を通して最適の持続可能性と動物福祉を採用して事業を進め、2021年3月には2040年の温室効果ガス「ネット・ゼロ」を掲げた。これは直接・間接の排出の強度を減らし、すべての未処理排出物を相殺することで、温室効果ガスの純収支をゼロにすることを意味する。JBSはタンパク質系産業ではこの使命を確立した世界初の企業となり、世界中の人々にもっと持続可能な方法で食品を提供することを目指している。