パリ, 2021年11月24日 /PRNewswire/ -- 運転支援システム(ADAS)の世界的リーダーであるヴァレオ(Valeo)は23日、2024年に市場デビューする予定の第3世代スキャニングLiDARを発表した。
性能を大幅に向上させたこの新技術は、自律型モビリティーを現実のものとし、これまでにないレベルの交通安全を実現する。
ヴァレオの研究開発・戦略担当上級副社長であるGeoffrey Bouquot氏は、「ヴァレオの第3世代LiDARは、自律走行車に向けた大きな技術的進歩だ。今回のアップグレードは、ヴァレオのこの分野における技術的・産業的リーダーシップを強化するものだ。ヴァレオはすでに市場で唯一のサプライヤーだったが、現在オートモーティブグレードのLiDARスキャナーをシリーズ生産している。この装置による当社の第一の目標は、道路上の人命を救うことであることに変わりはない」と述べた。
ヴァレオの第3世代LiDARは、領域、解像度、フレームレートの点で比類のない性能を提供する。
450万画素、25フレーム/秒の割合で、車両周辺の3Dリアルタイム画像を再構築する。前世代と比較して、解像度は12倍、領域は3倍、視野角は2.5倍に向上している。
この新しいLiDARは、独自の認識能力により、人間やカメラ、レーダーでは見えないものを見ることができる。これは、制限速度が時速130キロメートルの高速道路を含む多くの状況(レベル2以上の自動化)で、運転を車に委ねられることを意味している。このような状況であっても、第3世代のスキャニングLiDARを搭載した車両は、緊急事態を自律的に管理することができる。
ヴァレオのスキャニングLiDARは、車の周囲にあるすべての物体を検出、認識、分類する。物体が動いている場合は、その速度と方向を測定する。スキャニングLiDARは、まぶしい明るさでも闇のような暗さでも、あらゆる光の状態に適応できる。雨粒の密度を測定して適切な制動距離を算出することもできる。ドライバーの視界に入っていなくても、近くの車両を追跡し、アルゴリズムによってその軌跡を予測して、必要な安全操作を動作させる。
これらの機能により、スキャニングLiDARは、同乗者や、車両の周囲にいる歩行者や自転車などの道路利用者を保護する。このLiDARは、搭載された車両以外の他の車両にもクラウドを介して道路上の危険を知らせるため、地域社会はその優れた認識能力の恩恵を受けることができる。
ヴァレオは、ハードウエア、ソフトウエア、関連する人工知能を含むシステム全体を設計・製造している。この人工知能は、収集したデータを組み合わせ、車両が即座に正しい判断を下せるようにする「頭脳」だ。ソフトウエアは、環境に自動的に適応し、定期的なアップデートによって時間とともに性能が向上する。
ヴァレオのLiDARは、ドイツのバイエルン州ベムディング工場で生産されており、ミクロン単位の精度で部品が組み立てられている。この工場の生産ラインには、光学、機械、フォトニクス(光の粒子または光子の放出と検出に焦点を当てた物理学の一分野)におけるヴァレオの最先端の専門知識が生かされている。ヴァレオでは300人のエンジニアがこの技術に専念しており、すでに500件以上の特許を出願している。
ヴァレオは、産業規模でスキャニングLiDARを製造した最初、現在でも唯一の企業だ。すでに15万台以上を生産しており、世界中のスキャニングLiDARスキャナー搭載車の99%がヴァレオ製を搭載している。
2030年までに新たな高級車の最大30%がレベル3の自動化に到達するとみられ、そのためにはLiDAR技術の搭載が不可欠となる。また、自動車だけでなく、自律走行シャトル、ロボタクシー、宅配ドロイド、自律走行トラック、あるいは農業、鉱業、インフラの分野でも、1つ以上のLiDARを搭載する必要があるだろう。LiDAR市場は、2030年には500億ドル以上になると予想されている。
ヴァレオの新しい第3世代LiDARは、この規模の変化に大きく貢献する。
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