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ベイラーとハーバードの研究者が人間の幸福度に関する長期的なグローバル調査で協力

Baylor University
2021-10-29 22:29 3617

【ウェーコ(米テキサス州)2021年10月29日PR Newswire=共同通信JBN】

*ハーバード大学とベイラー大学の研究者が、人間の幸福度の決定要因を研究するこの種のものとしては最大の取り組みを開始

*「グローバル幸福度調査」は、4340万ドルをかけ、22カ国の24万人を対象に幅広い幸福度について5年間にわたって毎年実施する調査

ハーバード大学とベイラー大学の社会科学者と生物医学者が協力して、人間の幸福度に影響を与える要因を研究する、この種の研究では最大規模の取り組みを開始した。4340万ドルを投じる「グローバル幸福度調査(The Global Flourishing Study)」(GFS)では、世界22カ国の24万人を対象に5年間の調査を実施、幅広い幸福度データを毎年収集する。この取り組みには、ギャラップ(Gallup)のデータの収集・管理に関する専門知識と、Center for Open Scienceのステークホルダー調整およびオープンサイエンス指導が含まれる。

Researchers at Harvard University and Baylor University, in partnership with Gallup and the Center for Open Science, have launched the Global Flourishing Study, the largest initiative of its kind to investigate the factors that influence human flourishing throughout the world.
Researchers at Harvard University and Baylor University, in partnership with Gallup and the Center for Open Science, have launched the Global Flourishing Study, the largest initiative of its kind to investigate the factors that influence human flourishing throughout the world.

豊かな暮らしとはどういうことか?真の健康とは?豊かさとは?研究者や臨床医はこれまで、病気、家庭崩壊、精神疾患、犯罪行為といった様々な病的状態の有無に焦点を当てて、これらの疑問に答えてきた。しかし、このような「欠陥」に焦点を当てたアプローチでは、豊かな暮らしとは何か、幸福度とは何かについて、多くを語ることはできない。

ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)や米国科学アカデミー紀要などの主要な科学専門誌で人間の幸福度の評価に関する重要な論文を発表してきた、ハーバード大学ジョン・L・ローブ&フランシス・リーマン・ローブ疫学教授兼「人間の幸福度プログラム(Human Flourishing Program)」(Human Flourishing Program )ディレクターで、プロジェクトの共同ディレクターを務めるTyler VanderWeele博士は「グローバル幸福度調査こそ、われわれが豊かに暮らし、幸せになり、意味や目的を感じられるようになる、人間の経験における重要要素の相互作用を深く理解するために必要なタイプの研究だ」「長期的な研究デザインは、人間の幸福度の決定要因に関する科学的知見を大きく前進させてくれるだろう」と語った。

ベイラー大学社会科学栄誉教授で宗教学研究所長(Institute for Studies of Religion )でもある、プロジェクト・ディレクターのByron Johnson博士も、グローバルな文脈で宗教の果たす役割をより深く理解するため、今回のデータは重要だとして、「ベイラー大学とハーバード大学のチームにとって、このようなパネル研究を主導するのはまたとないチャンスだ。サンプル数が非常に多いので、世界の主要な宗教全てと、あるとするならば、それらが人間の幸福度に果たしている役割を分析することができるだろう」と語った。

パネルには、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、エジプト、ドイツ、インド、インドネシア、イスラエル、日本、ケニア、メキシコ、ナイジェリア、フィリピン、ポーランド、ロシア、トルコ、南アフリカ、スペイン、タンザニア、ウクライナ、英国、米国の出身者が参加する。

同チームは今後5年以上にわたり、人間の幸福度のパターン、決定要因、社会的、心理的、精神的、政治的、経済的、健康的な構成要素と原因に関する長期的データを分析していく。ギャラップ・ワールド・ポールのグローバル調査部長、Rajesh Srinivasan博士は「1つの国で同じ回答者を長期間追跡する、その国を代表する確率論的調査の例はいくつかあるが、複数の国を対象とした試みはほとんどない。このプロジェクトのような広範な調査は前例がなく、この種の方法論を用いたグローバルな調査研究に貴重な知見をもたらす可能性がある」と説明した。

質問票づくりは、質問の改良、翻訳、認知テスト、パイロットテストなど、数カ月にわたる広範な開発とフィードバックを経て行われた。その作業は、ギャラップの詳細なレポートにまとめられている(detailed report from Gallup )。

研究チームはCenter for Open Scienceと協力して、グローバル幸福度調査のデータを自由にアクセスできるリソースとして公開し、世界中の研究者、ジャーナリスト、政策立案者、教育者が、幸福に暮らに必要な詳細情報を徹底的に調べることができるようにする。Center for Open Scienceのポリシーディレクター、David Mellor博士は「この分析に適用される厳密さと透明性は、この作業で得られる研究結果への信頼を高めるとともに、障壁を低くして、世界中の誰もがこの情報にアクセスできるようにしてくれる。このようなチームと協力して、このプロセスをサポートできる、これ以上の喜びはない」とコメントした。

全体的な目標は、人間の幸福度の科学にまつわる成熟した研究分野づくりと、社会政策や健康政策の方向性に影響を与えるような研究成果を生み出すことである。ギャラップのJim Clifton最高経営責任者(CEO)が語ったように、「グローバル幸福度調査は、世界を真に変えることができる、世界の導き方を真に変えることができる、方法論のイノベーション」である。VanderWeele氏もこの見解に同調し、「これは非常に大きなチャンスだ。われわれ、そして世界中の研究者が何を学ぶのか、非常に楽しみだ」と語った。

研究範囲を考えれば、グローバル幸福度調査を財政的に成り立たせるには、ジョン・テンプルトン財団、テンプルトン宗教トラスト、テンプルトン世界慈善財団、フェッツァー研究所、ポール・フォスター・ファミリー財団、Wellbeing for Planet Earth Foundation、Wellbeing for Planet Earth Foundation、Well Being Trust、David & Carol Myers Foundationの支援をはじめとする資金提供者のコンソーシアムの共同支援が必要だった。

Johnson、VanderWeele両氏に加え、ベイラー・ハーバード・チームには、Matt Bradshaw、Merve Balkaya-Ince、Brendan Case、Ying Chen、Alex Fogleman、Sung Joon Jang、Philip Jenkins、Thomas Kidd、Matthew T. Lee、Jeff Levin、Tim Lomas、Katelyn Long、Van Pham、Sarah Schnitker、John Ssozi、Robert Woodberry、George Yanceyの各博士がメンバーとして名を連ねている。

▽ベイラー大学宗教学研究所(Baylor's Institute for Studies of Religion)について

2004年に設立されたベイラー大学宗教学研究所(Institute for Studies of Religion )(ISR)は、歴史学、心理学、社会学、経済学、人類学、政治学、哲学、疫学、神学、宗教学など、幅広い知的領域の研究者やプロジェクトが参加し、宗教に関する研究を主導、支援、実施している。当研究所の使命は、あらゆる場所、歴史上の全ての宗教を対象に、向社会的行動、家族生活、公衆衛生、経済開発、社会的葛藤に対する宗教の影響を研究することにある。常に適切な科学的客観性を追求する一方、当研究所の学者は、神聖な事柄に必要かつ相応しい敬意を払って宗教を扱っている。

▽ハーバード大学の「人間の幸福度プログラム(Human Flourishing Program)」について

2016年、ハーバード大学定量社会科学研究所に設けられた「人間の幸福度プログラム」(Human Flourishing Program )は、人間の幸福度の研究・促進と、分野を超えた知識の統合のための体系的アプローチの開発を目指している。同プログラムの研究は、人間の幸福度に関する問題で定量社会科学の知識を人文科学の知識とどのように統合できるか、また、分野を超えた知識の統合をどのように進めるのがベストか、という幅広い問題に貢献している。同プログラムは、実証的社会科学と人文科学のさらなる統合を目指している。同プログラムは、ハーバード大学のコミュニティー向けに、研究出版物を作成し、コース、セミナー、会議などの教育活動を後援しており、これらは全て、分野を超えた知識の統合と、異なる分野の知識がどのようにして首尾一貫した全体を形成できるかを考察することが目的である。

▽ギャラップ(Gallup)について

ギャラップ(Gallup )は、世論と人材開発の測定で80年以上の経験を有するグローバルな分析・助言会社である。ギャラップは、独自の調査や、政府、非営利団体、慈善団体との協力関係のもと、世界の発展と社会的責任に関する主要な指標を長期的に測定するための指標を開発している。

▽Center for Open Science(COS)について

2013年に設立されたCOSは、科学研究の開放性、完全性、再現性を高めることを使命とする非営利の文化変革団体である。COSは、オープンサイエンスの実践を中心とするコミュニティーづくり、メタサイエンス研究の支援、オープンサイエンスフレームワーク(OSF)(Open Science Framework  )をはじめとする無料のオープンソース・ソフトウエアツールの開発と保守を行うことで、この使命を追求している。詳細は、cos.io(cos.io )を参照。

 

▽問い合わせ先
Alex Fogleman
Ph.D., GFS Project Manager
Institute for Studies of Religion, Baylor University
Alex_Fogleman@baylor.edu

Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1672165/GFS_baylor_University.jpg?p=medium600

 

ソース: Baylor University
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