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TAE Technologies Partners、日本の核融合科学研究所(NIFS)と核融合燃料の研究で提携

TAE Technologies
2021-10-26 14:00 1486

共同チームが陽子・ホウ素(p-B11)燃料を用いた初の大規模実験を予定

カリフォルニア州フットヒルランチ, 2021年10月26日 /PRNewswire/ -- カリフォルニア州フットヒルランチ, 2021年10月26日 /PRNewswire/ -- 本日、世界最大の民間核融合エネルギー企業であるTAE Technologiesは、日本の核融合科学研究所(NIFS)との提携を発表しました。この提携により、両社はNIFSの大型ヘリカル装置(LHD)で水素-ホウ素(p-B11)核融合反応の効果を検証します。本研究が成功すれば、TAEの目標である最もクリーンで安価な核融合サイクル用燃料p-B11を用いた商業用核融合発電になる可能性があります。

TAE Technologies and Japan’s National Institute for Fusion Science partnership signing ceremony. From top left, Hiroshi Gota, TAE’s VP Operations, Program Manager; Michl Binderbauer, TAE’s Chief Executive Officer; Toshiki Tajima, TAE’s Chief Science Officer. From bottom left, Dr. Yoshida Zensho, NIFS’ Director General; Richard Magee, TAE’s Senior Director of Physics R&D.
TAE Technologies and Japan’s National Institute for Fusion Science partnership signing ceremony. From top left, Hiroshi Gota, TAE’s VP Operations, Program Manager; Michl Binderbauer, TAE’s Chief Executive Officer; Toshiki Tajima, TAE’s Chief Science Officer. From bottom left, Dr. Yoshida Zensho, NIFS’ Director General; Richard Magee, TAE’s Senior Director of Physics R&D.

核融合は、元素を組み合わせて大量のエネルギーを放出するプロセスです。核融合は、気候変動と世界的なエネルギー需要の増加に対応することができ、気候を問わず利用できる炭素フリーのエネルギーソリューションです。

世界のほとんどの核融合は、水素同位体である重水素-三重水素(D-T)を組み合わせて燃料としており、核融合コンセプトで一般的に使用されているドーナツ型のトカマク装置は、D-T燃料の利用に限定されています。

一方で、TAEのコンパクトなリニア設計は、先進的なビーム駆動型の磁場反転配置(FRC)を採用しており、D-Tや重水素-ヘリウム-3(D-He-3)など、利用可能なすべての核融合燃料サイクルに対応できます。10年以内には初のp-B11核融合発電所から電力を送電網に送るという最終目標に向けて、独自技術のライセンス供与ができます。

TAEがp-B11を使った商業用核融合発電所の開発を進めているのは、p-B11が最も経済的で環境に優しい核融合の燃料だからです。P-B11は、トリチウムを増幅させる必要がないためよりクリーンで安全に運転ができます。核融合発電所の耐久性と寿命を最大限に高めることができます。また、P-B11に含まれるホウ素は、地殻や海水中など自然界に大量に存在し、洗剤などの工業製品にも使用されている物質です。今回のNIFSとTAEの提携は、この先進燃料における初の官民共同の核融合研究となります。

NIFSは土岐市にある大学共同利用機関で、日本と世界の主要機関と連携しています。TAEの科学者らはNIFSの所長吉田善章教授のチームと協力していきます。

9月から始まった3年間の共同研究では、NIFSのステラレーター内にセンサーを設置し、p-B11核融合反応で生成されるアルファ粒子と呼ばれる良性のヘリウム原子核を検出し、燃料が格納容器の壁に与える内部影響を監視することで、核融合発電所に最適なプラズマの閉じ込めができ、最も強くて頑丈な機械を作ることを目指します。

TAE Technologies社のCEOのMichl Binderbauerは、「NIFSとのパートナーシップは、TAEが推奨する燃料サイクルの概念実証を行い、地球上で最もクリーンでエレガントかつ豊富なエネルギー源であるp-B11核融合の商業化を加速する重要な機会となります。今回の研究では、これが世界的に普及し長期的に持続可能性な核融合プラットフォームになるよう最適化の知見が得られることを期待している」と述べました。

TAE Technologiesの田島俊樹チーフサイエンスオフィサーは、「日米間の協力関係は、1978年にカーター大統領と福田首相が日米核融合協力条約を締結後に始まり、精力的に行われてきた」と述べています。「特に1980年代には百田教授をはじめとするNIFSの科学者たちが米国を訪れ、非中性子系の核融合研究を模索しました。今回のNIFSとの共同実験は、世界初のp-B11中性子核融合の実証につながるものと確信しています。この共同作業は、2者のできることを補完して協力することにより、核融合エネルギーそのものが持つ変革的な特性と同じように、総和以上の成果を生み出すことができる」と述べています。

NIFS大型ヘリカル装置計画の実験統括主幹の長壁正樹教授は、「我々が気候変動に直面するなか電力網の規模で核融合エネルギーを開発・商業化することは、上で優先事項です。我々は、p-B11のリーダーらと一緒に、先進的な核融合燃料の研究ができること、その結果を共有できることを楽しみにしています」。

独自の小型装置がコスト競争力のある実用規模の核融合発電に発展するという確信が持てる核融合技術の目標をTAEが4月に達成したため追加で2億8,000万ドルの資金を用意すると発表しました。

9月、TAEはパワーマネジメント部門を立ち上げ、2017年から同社の核融合プラットフォームで使用する独自の蓄電技術の商品化を進めています。この技術は、家庭用および商業用の蓄電や電気自動車の性能、航続距離、充電、電力インフラの包括的な改善など、これまでにない進歩とクリーンエネルギーのエコシステムを構築します。

TAE TECHNOLOGIESについて 

TAE Technologies(発音:T-A-E)は1998年に設立され、最もクリーンな環境プロファイルの商業用核融合発電を開発し、豊富なエネルギーを電力網に供給しています。最も速く実用的かつ経済的で競争力のあるソリューションを提供しています。900件以上の特許、8億8千万ドル以上の民間資本、国立研究所規模の6世代の装置、従業員250人以上の経験豊富なチームを擁するTAEは、何世紀にもわたり地球エネルギーを供給できる、変革への第一歩を踏み出しています。TAEの革新的な技術は、電力管理、蓄電、送電、電動モビリティ、ライフサイエンスなど、その他の大規模な隣接市場でも商業的なイノベーションにり確実にポートフォリオを増やしています。TAEは、カリフォルニア州に本社を置き、英国とスイスに海外拠点を置いています。TAEは、使命感と総合的アプローチにより独自のサイエンスとエンジニアリングで明るい未来を創造しています。

写真 - https://mma.prnasia.com/media2/1667952/TAE_Technologies_Signing_Ceremony.jpg?p=medium600

ソース: TAE Technologies
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