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LG Innotek、世界最高の性能を有する環境に優しいマグネットを開発

LG Innotek
2021-09-15 11:53 1615
  • 重希土類の供給不足による車生産中のリスクを最小化、サイズの縮小高出力により車両軽量化が可能
  • スマトフォンカメラの動力10%↑、高質の映像品質を確保
  • など自社製品の競化、家電フライングカなど適用

【ソウル(韓国)2021年9月15日PRNewswire】LG Innotek(代表 チョン・チョルドン)がマグネット専門企業であるSTARGROUPIND.CO.,LTD.と共同で、世界で最も強い磁力を持つ「環境に優しいマグネット(magnet、磁石)」の開発に成功したことを14日に発表した。今回の開発でLG Innotekは、グローバルマグネット業界で市場攻略のきっかけを備えるようになった。

LG Innotekが開発した「環境に優しいマグネット」。この製品は重希土類を最小限に抑えながらも、世界最高レベルの磁力を確保した。「環境に優しいマグネット」は、車両原材料の供給安定化及び軽量化に有利であり、スマートフォンカメラの駆動力を10%ほど高めることで、きれいで鮮明な高画質撮影物を得ることができる。
LG Innotekが開発した「環境に優しいマグネット」。この製品は重希土類を最小限に抑えながらも、世界最高レベルの磁力を確保した。「環境に優しいマグネット」は、車両原材料の供給安定化及び軽量化に有利であり、スマートフォンカメラの駆動力を10%ほど高めることで、きれいで鮮明な高画質撮影物を得ることができる。

「環境に優しいマグネット」は、希少価値の高い重希土類の使用を最小限に抑えた磁石で、車両モーター、スマートフォン用カメラ、オーディオスピーカー、風力発電機などに搭載される必須素材である。駆動が必要な製品に搭載され、磁石の押したり引いたりする力で動力を提供する。

この製品は、磁石の核心成分である重希土類の使用量を従来比で60%ほど大幅に減らした。重希土類の供給不足、高価格、環境汚染問題のために代案探しに苦心していた業界にうれしいニュースである。特に韓国は重希土類をほとんど海外から輸入している状況であり、LG Innotekの「環境に優しいマグネット」開発の意味は大きい。

また、「環境に優しいマグネット」は家電及び車両ステアリングモーター用の磁石性能を世界最高レベルの14.8kG(キロガウス、磁石強度単位)まで引き上げた。業界は、この磁石の技術的性能限界値を15kGと見ており、現在まで商用化された製品の性能は14.2~14.3kGに過ぎない。

「環境に優しいマグネット」は、重希土類を従来比で40%だけ使用し、原材料供給不足による生産中断のリスクを最小化したのが強みである。

特に、この製品は重希土類の割合を下げるために苦心していた完成車及び車両部品メーカー各社に注目されている。重希土類の供給不足による生産中断のリスクがますます高まっているためである。特定の国でのみ生産できる重希土類が、最近は電気自動車の拡大で需要が急増し、外交紛争などで「武器化」する事例が増えており、需給はさらに厳しくなる見込みである。

「環境に優しいマグネット」を車両用ステアリングモーターに適用すると、モーターの出力は高めながらもサイズは小さくなり、軽量化に有利である。磁石性能が高く、モーターサイズが小さくても、高い出力を出すことができるからである。この製品はバッテリー重量の増加により、電気自動車の電費(電気自動車の燃費)向上のための軽量化が急がれる電気自動車、ハイブリッド車両などに適する。また、モーターサイズを縮小し、モーターに使われる銅など、最近値上がりしている原材料コストも共に減らすことができる。

「環境に優しいマグネット」を高画素スマートフォン用カメラに搭載すると、アクチュエータ(フォーカスを合わせるためにレンズを動かす部品)の駆動力を高め、きれいで鮮明な高画質の写真や動画を撮影できる。

最近、スマートフォンカメラの仕様が高まり、高画質撮影のためのレンズのサイズや重量が増加し、アクチュエータ用の磁石も同様に、性能向上への要求が高まっている。一方、スマートフォンのサイズはますますスリム化しており、サイズは小さく、磁力を高めたマグネットの需要が増加している。

「環境に優しいマグネット」は、同一サイズでより強い磁力を発生し、アクチュエータの駆動力を10%ほど高めることができる。レンズが重くなっても、好きな距離だけ速くて正確にレンズを移動できるという意味である。

この製品は、ESGの観点でも意味が大きい。環境汚染の問題がある重希土類の使用量を最小化したからである。重希土類は、生産過程で放射性物質、重金属、毒性ガス、酸性廃水などが多量に発生し、土壌、河川、地下水などの汚染が深刻であることが知られている。

また、希少金属の重希土類の需給に支障が発生すると、核心素材の重希土類マグネットの供給が不足し、完成車メーカーなど、韓国内外の企業は事業に致命的な影響を受けることになる。高価格、環境汚染の問題も解決しなければならない課題となっている。

LG Innotekは、この問題を解決するために2017年から重希土類を減らした「環境に優しいマグネット」の開発を本格的に開始し、2019年からは業界最高の性能確保に力を注いできた。このため、韓国企業の中で「重希土類の低減技術」を保有したSTARGROUPIND.CO.,LTD.とも力を合わせた。

重希土類は、高温での磁力維持のために必須の成分であり、重希土類を減らせば磁石の耐久性が低くなる恐れがある。使用量を最小限に抑えながらも磁石の性能を高めることは技術的に難しい課題であった。

両社は新規化合物を添加して重希土類の使用を少なくしながらも、多様な製品と温度範囲で最高の磁力を出せる「環境に優しいマグネット」用コーティング液を開発して、コーティング液に最適化した新しい磁石素材を確保した。このコーティング液を磁石に均一に塗った後、熱を加えて均等に吸収させて作ったのが、世界最高の性能を確保した「環境に優しいマグネット」である。

特に、LG Innotekは既存の開発方式では先行企業の技術力に短期間で追いつくことができないと判断、マシンラーニング(コンピューターがデータを学習して自動的に判断して結果を出す技術)方式のシミュレーション技法を導入した。これによって、最小でも2年以上かかる開発期間を半分に短縮することに成功した。

LG Innotekは「環境に優しいマグネット」の重希土類含量比率、熱処理温度など最適の工程条件を導き出す全過程をマシンラーニングコンピューターで自動化し、実験回数と時間を大きく減らした。これまでは、研究員が直接数百回の実験を経る必要があり、開発期間が長く、エラーも多かった。

LG Innotekは車両用ステアリングモーター、スマートフォンアクチュエータなど自社製品に「環境に優しいマグネット」を適用し、差別化競争力を強化していく方針である。

これと共に、グローバル規模の完成車及び車両部品企業、スマートフォン製造企業対象のプロモーションを積極的に展開する計画である。適用分野もエアコン、冷蔵庫、ドローン、都心型フライングカー、発電機などへと素早く拡大していく予定である。

また、LG Innotekはマグネット技術の先行的な地位を固めるために、希土類を一切入れない「無希土類マグネット」の開発にも拍車をかける計画である。

カン・ミンソクCTO(副社長)は、「革新技術で核心素材を短期間で開発し、最高の性能と品質を備えた製品を顧客へ安定的に供給できるようになったことに意義がある」と述べ、「『環境に優しいマグネット』を通じて顧客に差別化された価値を持続的に提供していく」と話した。

(日本語リリース:クライアント提供)

ソース: LG Innotek
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