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免疫チェックポイント阻害剤で高齢のステージIVの非小細胞肺がん患者の生存率も向上

2021 World Conference on Lung Cancer
2021-09-14 10:43 1082

【デンバー2021年9月14日PR Newswire=共同通信JBN】高齢の非小細胞肺がん患者は、機能的能力の低下や併存疾患を理由に臨床試験から除外されることが多いため、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の生存率向上は依然として不明である。ICIは非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準的な薬物療法の1つとなっているが、高齢患者はこうした治療の臨床試験から排除されている可能性がある。

しかし、14日の「IASLC 2021 World Conference on Lung Cancer(IASLC 2021 世界肺がん会議)」で発表された新たな研究で、ステージIVのNSCLC患者にICIを使用した場合の生存率向上に年齢は悪影響を与えないことが示された。

国立病院機構九州がんセンターの高森信吉博士らは、ステージIVのNSCLC患者8万6173人(2万4136人が75歳以上、6万2037人が75歳未満)の分析を行った。

多変量Coxモデルで、75歳以上のステージIVのNSCLC患者におけるICIによる生存率の向上が確認された(HR:0.61、95% CI:0.58-0.65、P<0.0001)。75歳未満の患者における対応ハザード比は0.68だった。予後不良因子として知られているにもかかわらず、単変量解析による年齢(75歳以上)の全生存率への影響は、ICI治療を受けなかった患者より受けた患者の方が小さかった(HR 1.23 vs. 1.32)。

高森博士は「今回の大規模データベース解析によれば、ステージIVのNSCLC患者にICI治療を行うことによる生存率向上に、実年齢は影響を与えないようだ」と報告した。この解析結果は、今後の前向き研究で検証する必要がある。

▽IASLC(国際肺がん学会)について

IASLC(International Association for the Study of Lung Cancer、国際肺がん学会)は、肺がんおよびその他の胸部悪性腫瘍の研究を専門とする唯一の国際組織である。1974年設立の本学会の会員には、100を超える国々のあらゆる領域の7500人以上の肺がん専門家が含まれており、世界中の肺がんや胸部がんの克服で協力するグローバルネットワークを形成している。本学会は、あらゆる胸部悪性腫瘍の予防、発見、診断、治療に関連するトピックの主要な教育・情報誌「Journal of Thoracic Oncology」も発行している。詳細については、www.iaslc.org を参照。

▽WCLC(世界肺がん会議)について

WCLCは、肺がんをはじめとする胸部悪性腫瘍専門の世界最大の会議で、100カ国以上から7000人以上の研究者、医師、専門家が参加している。その目的は、肺がんに対する認識、協力、理解を深め、参加者が世界各地で最新の成果を実践できるようにすることである。本会議は幅広い領域を対象としており、いくつかの調査研究や臨床試験の結果が発表される。詳細については、https://wclc2021.iaslc.org/ を参照。

▽問い合わせ先: Chris Martin, IASLC Media Relations, cmartin@davidjamesgroup.com

 

ソース: IASLC
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