【深セン(中国)2021年6月30日PR Newswire=共同通信JBN】ファーウェイ(Huawei Technologies、華為技術)のエグゼクティブディレクター兼キャリアBG社長のRyan Ding氏はMWC Barcelona 2021期間中、「Innovation: Lighting up the Future(イノベーション:未来を明るくする)」と題する基調講演を行った。Ding氏は基調講演で、ICTにおけるイノベーションが世界経済の主要な推進力になりつつあり、その価値は通信業界を超えて進んでいると述べた。特に5Gの継続的なイノベーションは、通信事業者、ICT業界、および世界経済により多くの価値をもたらし、あらゆる業界の未来を明るくする。
▽テレコム以上のもの:ICT業界におけるイノベーションは主要な経済的推進力になりつつある
Ding氏は、パンデミックはデジタル経済が世界経済の原動力であるというニューノーマルを生み出したと語った。デジタル経済の要としてのICTインフラは、ますます重要な役割を果たしつつある。Ding氏は、ICTの価値は現在、テレコム業界を超え、世界経済全体に変革的影響を及ぼしていると述べた。
5G開発が急速に進んでいる国では、通信事業者の売上高の伸びが速く、またこれらの諸国は全体的に優れたデジタルインフラを備えている傾向がある。中国を例にとると、18カ月足らずで82万を超える5G基地局が設置され、今年第1四半期の中国の通信事業者の売上高は6.5%増え、純利益は5.6%増加した。5Gにより推進されるデジタルインフラの急速な発展により、今後5年間で中国経済に1兆9000億ユーロが追加される。同じ状況が韓国と欧州でも進展している。
▽コネクティビティー以上のもの:5Gイノベーションは通信事業者の事業成功を可能にする
ICTインフラは5G時代のデジタル経済の基礎であることから、通信事業者は以前よりも重要な役割を果たしている。
Ding氏は「現在、5G通信事業者の主目標は、ネットワーク展開、市場開発、運用最適化におけるイノベーションを通じ、消費者、家庭、業界の3つの主要市場で事業の成功を達成することである」と述べた。
「消費者市場では、5Gは高速化だけでなく、新たな体験と新しい価値をもたらす。一部の事業者はすでに当初段階の事業で成功を収めている」。
Ding氏によると、5GtoC市場で成功するために通信事業者が実行できる3つのステップがある。1番目は、高価値分野、主要シナリオ、潜在的ユーザーに対する正確な知見に基づき、ターゲットを絞ったネットワーク計画と投資を行い、5G展開をスピードアップすることである。2番目は、ユーザーの5Gへの移行を加速することであり、3番目のステップは、価値主導の柔軟な価格設定モデルを開発することである。
現在、5Gは、鉄鋼や鉱業など20超の業界の1000以上のプロジェクトに適用されており、より安全かつ効率的な生産を実現している。中国の通信事業者は大きな進歩を遂げており、初期段階で成功を収め、これを模倣して規模を拡大する段階に入っている。
Ding氏は「われわれは中国の通信事業者の経験から、5GtoBの成功は3つの要因に依存することを学んだ。まず、適切な業界を選ぶことである。通信事業者は、需要、手頃な価格、再現可能性、技術的実現可能性の4つの要因を検討し、対象とする業界を選択する必要がある。2番目は、提供するサービスの範囲の定義である。通信事業者は、接続サービスを提供するネットワークプロバイダーとして機能することができる。クラウドサービスプロバイダー、ないしエンドツーエンドの統合サービスを提供するシステムインテグレーターとしても機能することができる。役割が異なれば、必要なスキルセットも異なり、もたらされる事業価値も異なる。3番目は、革新的ビジネスモデルの設計である。これは、5GtoBの成功を大規模に繰り返すための鍵である」と語った。
パンデミック期間中、家庭用ブロードバンド需要が高まり、これにより、迅速な展開と非接触型O&Mを可能にする5G FWAの利点が浮き彫りになった。中東の通信事業者は、FWAを5Gの主要ユースケースとして採用することにより、目覚ましい商業的成功を収めている。
▽事業以上のもの:ファーウェイはイノベーションを継続し業界全体の持続可能性を推進
Ding氏は「5G成功のためには、まず最高のユーザーエクスペリエンスを提供する5Gネットワークが必要である。これが、ファーウェイにおけるイノベーションの指針である」と述べた。ファーウェイは、消費エネルギーが少ない業界最軽量で最も強力なMassive MIMOを発売している。1人で持ち運び、設置することができるため、ネットワーク展開がスピードアップする。ファーウェイのOptical Cross-Connect(OXC)を使用すると、通常必要な9つのキャビネットを1つのサブラックで置き換えることができる。容量は4倍だが、消費電力は95%少ない。ファーウェイの5G Super Uplinkソリューションは、2.1GHzと3.5GHzの利点を組み合わせ、アップリンク容量と屋内カバレッジを強化する。このソリューションは、450Mbit/sを超えるピークアップリンクレートを提供し、数百人のユーザーが5Gスマートフォンを使用して4Kで4月のアモイマラソンをライブストリーミングすることを可能にする。
Ding氏によると、ファーウェイはグリーン開発モデルとカーボンニュートラルをサポートするため、機器、サイト、ネットワークの3つのレベルでイノベーションを続けている。機器レベルでは、ファーウェイは電力効率の高いコンポーネントを使用し、ハードウエアプラットフォームのエネルギー効率を高めている。サイトレベルでは、ファーウェイの簡素化されたサイトソリューションは、通信事業者がエネルギー消費を削減し、電力と家賃を節約することを助けている。ネットワークレベルでは、ファーウェイはマルチバンドおよびマルチRATの省電力ソリューションを立ち上げた。このソリューションは、ネットワークパフォーマンスを損なうことなく、無線ネットワークのエネルギー消費を削減することができる。ファーウェイの革新的ソリューションにより、低帯域と高帯域で動作する5G機器がキャビネットを共有できるため、使用されるエネルギーが少なくなる。マルチバンド機器の省電力に関しては、ファーウェイの目標は1プラス1を1未満にすることである。
▽エコシステムを創出に協力し、より良い未来のために5Gを進化させる
Ding氏は、5G開発には継続的なイノベーションが必要であることを強調し、基調講演を締めくくった。たとえば、5GtoBでは、5G標準をより速やかに業界標準と調整する必要があり、5Gを企業のコア生産プロセスに統合し、企業のデジタル化およびインテリジェント化を助ける必要がある。同時に、5G、クラウド、コンピューティング間の相乗効果により、通信事業者の事業範囲がさらに拡大し、新たな成長のための余地が生まれる。5Gイノベーションは現在進行中のプロセスである。ファーウェイは、イノベーションが未来を明るくすると信じている。
ソース:Huawei