東京, 2021年6月23日 /PRNewswire/ --
*アイルランド政府商務庁が最新の「The State of Regtech in APAC」リポート(https://irishadvantage.com/state-of-regtech-apac-report?utm_medium=offline&utm_source=PR-outreach&utm_campaign=regtech-report-apac )で、APACのレグテック状況を解明
*先進国と途上国の発展の相違は、将来のレグテック部門で重要な懸念事項と指摘
アイルランド政府の貿易・イノベーション機関で、フィンテック(fintech)を含むVC(ベンチャーキャピタル)投資家の世界でトップに位置付けられているアイルランド政府商務庁(Enterprise Ireland)(https://irishadvantage.com/ )が23日リリースしたリポートによると、アジア太平洋のレグテック(regtech)は域内の先進国と発展途上国の違いを埋める困難な課題に直面している。域内ではCovid-19の影響がレグテックソリューション採用の需要に拍車をかけていることから、この違いが特に強調されている。
「The State of Regtech in APAC」と題するリポートは、APAC主要10カ国・地域 - オーストラリア、中国本土、香港、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム - のレグテック導入について、最も包括的で独立した分析を提供している。アイルランド商務庁は一流のアジア金融技術市場調査・コンサルティング企業、Kapronasia(https://www.kapronasia.com/ )を立ち上げ、これら各国のレグテックプレーヤーが直面する最新の機会と障害を特定するリポートを作成した。
この日のリポート公表に際して、アイルランドのショーン・フレミング(Sean Fleming)金融サービス国務相は「アイルランド商務庁の包括的なレグテックリポートを歓迎する。それは、アイルランドの金融戦略が達成を目指すもの、アイルランドがアジア太平洋と全世界の企業に提供する独自の価値提案の本質を捉えている。私は国際金融業務を担当する国務相として、フィンテックとレグテックの発展で世界有数のロケーションとして、われわれの地位を固めて加速したい。アイルランド商務庁の企業、アジアのパートナーと協力するのを楽しみにしている。彼らはともに価値を提供し、グローバルコンプライアンスの課題に革新的対応をもたらす」と語った。
世界のレグテック市場は、2020年の63億米ドルから2025年までに160億ドルに伸びると予測されている。年20%以上の成長で、この間APACの成長率が最も高いとみられている(注1)。この部門の成長は域内、特に2019年に10億ドル相当の投資があったとみられる東南アジアで、急騰するフィンテックシーンと並行する見通しである(注2)。
APACにはいくつか世界有数の金融センターがあるが、不均一の地域が市場発展のさまざまなレベルを示している。香港、シンガポール、シドニー、東京など先進諸国・地域では、レグテック採用が高度な金融エコシステムと複雑な規制環境によって推進されている。ガバナンスと説明責任の必要性、新市場参加者の出現、人工知能や分散型台帳技術など破壊的技術から生じるセキュリティー懸念が、レグテック導入の規制推進力になっている。
これは途上国とは対照的で、そこではレグテック採用が金融包摂創出を助ける部門の約束に後押しされている。これらの市場で導入は、ビジネスケースや資金不測の規制当局に依存している。とはいえ、これら諸国のレグテックソリューションへの市場の関心は、先進諸国ほど強くはない。これは規制慣性と基本行動、レグテックに対する姿勢の顕著な違いに起因するとみられる。
しかし、先進国と途上国の技術エコシステムはレグテック採用への規制担当者の違いによって、ますます変化するペースで進化し続け、途上国も時間とともに成長する。これは特に、Covid-19パンデミックを受けて明白になった。それは国内優先順位の違いをさらに強め、APAC内の経済・技術ギャップを深刻化した。
アイルランド政府商務庁金融サービス・フィンテック責任者(アジア太平洋)のMo Harvey氏は「Covid-19のせいで、金融サービス部門はデジタル化の価値を必要と見なした。それは組織にとって、変化するビジネスと消費者のニーズに対応するサービスを向上させる方法になった。レグテックソリューションの必要性も金融サービス部門をはるかに超えて拡大し、この部門の急成長をもたらした。このリポートは域内のあらゆる企業の規制、リスク、コンプライアンス担当者、また、アジア太平洋で拡大、展開しようとするレグテック企業向けの一覧になる」と説明した。
彼女は「アジア太平洋は引き続き、多くのレグテック専門企業があるアイルランドだけでなく、世界にとっても戦略的な地域である。アイルランド商務庁は活気のあるグローバルレグテック部門の発展をサポートし、グローバルレグテック・エコシステムに貢献するコミットメントを共有しており、このリポートが複雑なこの部門に価値ある洞察を提供することを願っている。われわれは域内企業多数の成功と長期的成長を支援し続ける」と付け加えた。
Fintech Association of Hong Kong's Regtech Committeeの共同委員長で、香港、シンガポール、日本、マレーシアのフィンテック協会レグテック委員会を結集したAPAC RegTech Networkの共同招集者、Brian Tang氏は「レグテックは金融機関、フィンテック、仮想資産サービスプロバイダー、その他を力付ける秘伝のタレである。アジア太平洋全域のこのような機関、規制当局者、ユーザーは全て、革新的、効率的で費用対効果が高いレグテックソリューションの恩恵を受け、金融犯罪と闘って、技術ソリューションの出元を問わずに、効率性と金融包摂性を促進する」と語った。
彼は「しかし、採用までの過程は確かに簡単なものではない。われわれはアイルランド政府商務庁が公表するために、APACレグテック状況の包括的リポートを作成したことを祝福したい。世界中のレグテックソリューション・プロバイダーとAPACの政策担当者はこの調査結果から利益を得て、域内のさらなるレグテック導入推進を助けることができる」と続けた。
▽APAC地域の概要:
*Covid-19の影響:
Covid-19は特に規制、リスク、コンプライアンス部門で金融サービスのデジタル化移行加速
*コンプライアンスコスト増大へ:
インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールのAMLコンプライアンスコストは推定年間60億9000万ドルで、うち半額以上がシンガポール
*APAC規制担当者の影響:
国別規制当局者の企業コンプライアンスへの影響が最も大きいが、シンガポールの規制当局者は調査対象のAPAC諸国全体にもかなりの影響
*レグテック導入:
APAC先進諸国のレグテックソリューション進展は、規制当局者の監視拡大と厳しい規制環境の必要性にかられて加速を開始
*レグテックの有望エリア:
デジタル銀行、ソーシャルレンディング(P2P lending)、デジタル資産、リモート・オンボーディングの台頭は、レグテックに特殊ソリューションのニーズを満たす機会もたらす
*規制改訂:
規制改訂の立場はより効率的、効果的に基準を満たすため、コンプライアンスと新技術利用への注目を増大
*障害と課題:
APACの先進諸国では長い販売サイクルがレグテック採用の障害になり、APAC途上国では規制慣性と適切な規制プロセス欠如がレグテック導入を妨げている
The State of Regtech in APACリポートは以下からダウンロードできる:
(注1)https://a-teaminsight.com/a-new-frontier-of-regulation-asia-takes-the-lead
(注2)https://www.worldbank.org/en/publication/wdr2016/Digital-Adoption-Index
Photo - https://mma.prnasia.com/media2/1538668/enterprise_ireland_mo_harvey.jpg?p=medium600
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