*EUで最近、クラスIIIの医療機器として認可された製品
バレルナ(スイス), 2021年5月17日 /PRNewswire/ -- 医薬品送達技術とシステム、およびそれらから派生した革新的製品の開発をリードするAPR Applied Pharma Research s.a.(APR)は14日、APR-AOS2020という仮コード名が付いた、症状の軽いCOVID-19患者治療用のクラスIIIの医療機器の有効性を評価する主臨床試験の開始を発表した。本試験は、イタリアのジェノバにあるIRCCSポリクリニコ・サン・マルチノ病院の衛生部が実施、Giancarlo Icardi教授が主任治験責任医師として統括する。本試験は、症状の軽い計57人のCOVID-19患者を登録し、感染して間もない各患者の上気道のウイルス量を減少させるこのスプレー式点鼻薬の有効性と安全性を評価する予定。結果が得られれば、より重篤な症状の予防、感染やウイルスのまん延リスクの低減に同製品を使用する出発点となる可能性がある。
HCLOは、様々な微生物が引き起こす感染症と戦うために、体自体の自然免疫系(好中球)によって生成される天然物質である。APR-AOS2020は、APRのナノテクノロジー送達プラットフォームTehclo(TM)を使用して設計されており、HCLOを水溶液中に「取り込む」ことで吸入を可能にするとともに、この天然物質を浄化、安定化する。Sentinoxスプレーの作用機序は、HCLOの強力な抗菌活性に支えられた同溶液の洗浄作用をベースとしており、鼻や喉の粘膜を刺激することなく、SARS-CoV-2やその様々な変異株、変異型をはじめとするウイルスやバクテリアを1分以内に除去、死滅させることができる。ユタ州立大学抗ウイルス研究所が実施したSentinoxの体外試験結果で、この作用機序およびウイルスや細菌を迅速に死滅させる能力は裏付けられている。(注)
ヒトの臨床試験および体外、体内での安全性試験において、APR-AOS2020は様々なヒト組織で極めて良好な安全性プロファイルを示しており、細胞毒性指数は他の市販の抗菌剤溶液の最大20分の1である。
主任治験責任医師であるジェノバのIRCCSポリクリニコ・サン・マルチノ病院衛生部長、Giancarlo Icardi教授は「こうした良好なデータを基に、われわれは、標準的治療に加えて、このスプレー溶液で鼻粘膜を1日3-5回、定期的に洗浄、水和、浄化することが、症状の軽いSARS-CoV-2陽性患者の鼻のウイルス量減少に安全かつ効果的かどうかを評価する単一施設・無作為化・比較臨床主試験を計画した。機械的な洗浄メカニズムとHCLOの抗菌効果が相まって鼻のウイルス量を減らすことで、重篤な症状が起きるのを防ぎ、疾患の初期段階の経過を改善し、他の人に感染を広げるリスクを減らすことができる。上気道のSARS-CoV-2ウイルス量が少なくなれば、ウイルスが下気道に侵入し、肺を傷つける可能性も低くなる。このスプレー式点鼻薬は、感染の初期段階または感染のリスクにさらされた後に使用することで、感染の可能性、症状の悪化、さらに他の人への感染拡大の可能性を小さくすることができる」と語った。
APRのPaolo Galfetti最高経営責任者(CEO)は「手頃な価格で使いやすいよう考案されたこの革新的デバイスは、公共交通機関、店舗、学校、その他の混雑した密閉空間などのリスクの高い環境でとりわけ役に立つ、追加的、短期的な予防オプションになり得ると当社は考えている。今回の無作為化・比較臨床試験の開始で、この製品を、特にCOVID-19対策用として年末までに使えるようにする目標に近づくことができる」と語った。
▽APR Applied Pharma Research s.a.(「APR」)について
APRはスイスに本社を置く独立系製薬会社で、イタリアとドイツに子会社があり、25年以上にわたって、医療ニーズの高い重篤な疾患を抱える患者と家族の生活の質を向上させるための製品の開発、商業化に注力してきた。APRのポートフォリオには、世界の約50カ国で直接、または選ばれたパートナーとのライセンス、販売契約を通じて商品化されている、希少疾患やニッチ疾患の治療用製品が含まれている。パイプラインには、遺伝性代謝異常症、がん支持療法、皮膚希少疾患の3つの特定治療領域に集中した様々な開発段階の製品が含まれている。詳細については、https://www.apr.ch/ (https://www.apr.ch/ )を参照。
▽APR-AOS2020について
APR-AOS2020は、0.005%の次亜塩素酸を含む酸酸化性溶液(AOS)で、2021年3月5日、欧州でクラスIIIの医療機器(認証番号EPT 0477.MDD.21/4200.1、暫定名Sentinox)として認証、承認された。同デバイスは鼻腔の洗浄、浄化、加湿を目的としており、(i)鼻の微生物量を減らすことで、SARS-CoV-2をはじめとする細菌やウイルスが引き起こす感染のリスク低減、(ii)鼻の症状のケア、(iii)鼻粘膜の軽微な病変/変化の際の鼻のケアに適応される。
Logo - https://mma.prnasia.com/media2/1194581/APR_Applied_Pharma_Research_Logo.jpg?p=medium600
▽問い合わせ先
APR Applied Pharma Research s.a.
Paolo Galfetti, CEO
info@apr.ch(mailto:paolo.galfetti@apr.ch)
+41 91 6957020
(注)https://link.springer.com/article/10.1007/s00405-021-06644-5