【北京2021年5月17日PR Newswire=共同通信JBN】中国は世界最大の分水計画を推し進め、その過程における水保全に重点を置く。
中国の習近平国家主席は14日、中国が環境に配慮して質の高い開発を追求する中で、科学的な方法を用いてSouth-to-North Water Diversion Project(南部から北部への分水計画、南水北調)を前進させるよう取り組み、同時に水資源の効果的で経済的な利用を促進すべきであると述べた。
習主席は12日に開始した視察を終え、中国中部・河南省の南陽における計画の高品質なフォローアップ開発を進めることに関するシンポジウムでこれに言及した。
習主席は中国の生態系の安全を守り、調和のとれた水資源の空間的分布を促進するよう要請した。
▽西湖3000杯分、1億2000万の人々
South-to-North Water Diversion Projectは長江、淮河、黄河、海河を結び付ける。その目的は、水が豊富な中国の南部地域から分水することにより、中国北部の水不足を恒久的に解決することだ。
この壮大な計画は3つのルートから成り、第一段階である東部と中部のルートはそれぞれ2013年と2014年に稼働を開始した。西部ルートは依然として建設を前にした状態である。
4月上旬の時点で、この計画は418億立方メートルの水を北部地域に移送した。その水量は中国東部・浙江省の杭州にある有名な景勝地である西湖の約3000杯分に相当する。1億2000万人を超える人々が、この計画から直接的な恩恵を受けた。
習主席の視察旅行と上記シンポジウムが行われたのは、中国がこの計画の次段階の立案・実行を整えていたのと同じタイミングだった。2035年までの国家経済・社会開発と長期目標に関する第14次5カ年計画(2021-2-25)の概要によると、東部と中部ルートのフォローアップ開発を進め、西部ルート計画の評価に関して取り組むものとされている。
習主席は計画を科学的に進める方法について詳しく述べながら、需給管理を強化し、計画の全体利益を最大化し、水の保全を優先し、生態環境の保護を強化する努力を要請した。また、同主席は国家的な水のネットワーク構築、そして国家的な水の安全保障を確立する取り組みを加速するよう要請した。
▽習主席が再定住した住民の犠牲を称賛
習主席が今回の会議開催で選んだ場所は、分水計画において大きな意義を持っている。南陽は湖北省と隣接する河南省の南西部にある中部ルートの出発点で、中国中部の丹江口ダムから河南と湖北の両省を通り、遠く離れた北部の北京と天津に水を運んでいる。
40を超える大都市ならびに中規模の都市がこの計画によって水を配分され、北京では水道水の約70%が中部ルートから配水されている。
丹江口ダム地域に住んでいた34万5000人を超える人々は、この計画のために政府が建設した600以上の村に移り住んだ。習主席は13日、そうした村の1つに足を運んで移住した住民を訪ねた。
習主席は淅川県のZouzhuang村で村人の犠牲的精神を称え、彼らのより良い生活を願った。同主席は、再定住した住民は計画の恩恵を受ける人々、そして全国の人々から感謝される資格があると述べた。
習主席は14日のシンポジウムで当局に対し、次段階の計画に関して経済的プランを構築し、移住する必要がある人々の数を最小限にするよう要請した。
ソース:CGTN