【ポワンタピエール(トリニダード・トバゴ)2021年3月10日PR Newswire=共同通信JBN】ポワントアピエールにあるNiQuan Energyの天然ガス液化(GTL)プラントがトリニダード・トバゴのキース・ローリー(Keith Rowley)首相によって開所された。
このプラントの最大処理能力は日量2400バレルで、天然ガス由来のGTLパラフィンディーゼルとGTLナフサという高性能・低排出量のエネルギー製品を生産する。
NiQUAN GTLは、西半球でこのタイプ初の商業プラントである。
ローリー首相は開所式で「このガス液化プラントは、民間部門、銀行部門と政府の協力によるわが国のより高付加価値製品輸出の潜在的可能性の成功した開発の典型例である。このプロジェクトの完成に携わったNiQuanとすべての関係者を祝賀する。この成功がわが国の国益とすべての市民の利益を高めるため、NiQuanが将来の運用で最大の成功を収めることを願っている」と語った。
NiQuan EnergyのAinsley Gillグループ最高経営責任者(CEO)は「GTLはクリーンエネルギー、過去の汚れたエネルギーからよりクリーンなエネルギーの未来への架け橋を代表している。誰もが建設したかった橋だが、多くの理由でほとんどは失敗した。NiQuan Energyはこのプラントで最初の橋を建設した。トリニダード・トバゴと米州だけでなく、世界中でさらに多くの橋が架けられるだろう。当社のクリーンエネルギー製品は変化をもたらすだろう。これこそ第1日目からわれわれを駆り立てた信念である。それは当社が提供を約束したことであり、今日ここでその約束を果たした」と語った。
このプラントは90%超という驚くべき現地調達率を達成し、地域のリソースを使用して資金が調達された。Ainsley Gill氏は「当初は国際的に資金提供されたプロジェクトを構想したが、実際には地域で資金が調達された。これはカリブ海における主要なエネルギーインフラプロジェクトとしては初めてだと思う」と語った。
▽背景
*プラントとプロセス
NiQUAN GTLはこの種のものとしては西半球初の商業プラントであり、GTL製品の商業生産専用に建設され、低温フィッシャー・トロプシュ(LTFT)プロセスを使用して、現在世界で稼働中のわずか5つの商業GTLプラントの1つである。
このGTLプラントは2020年12月に操業開始し、現在、最大処理能力である日量2400バレルに向けGTLパラフィンディーゼルとGTLナフサを80:20の比率で分留している。
同プラントは、トリニダード・トバゴ共和国のトリニダード島西海岸にあるポワンタピエールに位置し、グアラカラ製油所の近くにある。
GTLプラントは、天然ガスを取り込み低排出量の高品質エネルギー製品に変える生産施設である。固定床システムで商業的に証明された低温フィッシャー・トロプシュ(LTFT)技術を使用している。
LTFTプロセスは3段階の工程である。最初の段階は、合成ガスを生成するために、改質装置で天然ガスと蒸気を混ぜることから成る。第2段階で、この合成ガスはフィッシャー・トロプシュ反応器に供給され、そこで触媒反応によりワックス状の合成原油ないし「シンクルード」に転換される。最終段階では、ワックス状のシンクルードが水素化分解装置を通過し、汚染物質や混入物質を除去する従来の精製プロセスで原油を精製するのと同様の方法で、必要とされる製品スレートに分解される。
GTLプラントにとり重要なフィッシャー・トロプシュ触媒技術は、GTL技術の第一人者であるEmerging Fuels Technology, Inc.により提供されている。
GTLプラントへの天然ガス原料の供給は、Trinidad and Tobago Upstream Downstream Energy Companyを通じて確保されており、Petrotrinが製品の購入者である。
GTLプラントは2つのフェーズのプロセスにより完工した。第1フェーズはGTLプラントの完成と稼働に必要な作業の詳細な範囲の開発とGTLプラントの完全な検査と評価などである。第2フェーズは完成フェーズだった。
第1フェーズは2019年1月に、第2フェーズは2020年第4四半期にそれぞれ完了した。プロジェクトは90%超の現地調達率を達成し、地域的に資金が調達された。
*GTL製品
GTL製品は、原油から生成された同等物や他のエネルギー源と比較した場合、高性能と低排出量が特徴である。さらに、それらは生分解性であり、低毒性のため、原油から生産された製品よりもさらに優れている。
*GTLパラフィンディーゼル
GTLパラフィンディーゼルは、クリーンで仕様に準拠した圧縮点火燃料(EN15940)であり、本質的に硫黄含有量がゼロであり、セタン価が非常に高いという2つの主要な特性を持っている。GTLパラフィンディーゼルは、二酸化硫黄と粒子状物質(「PM」、「ブラックスモーク」とも呼ばれる)の大幅な排出削減を実現し、厳しい排出基準のプレミアム市場の挑戦者となっている。
GTLディーゼルは輸送用燃料、化学原料、その他の産業用途に使用することができる。
*GTLナフサ
GTLナフサは、パラフィン性の高い化学原料/燃料混合原料であり、エチレン分解用に最も効率的な液体原料の1つである。ガソリン混合成分としても使用することができる。
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