【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)、蘇州(中国)2020年12月11日PR Newswire=共同通信JBN】
*投与は中国では初、世界では2回目のINO-4800第2相臨床試験の重要な節目
感染症やがんから人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業INOVIO(NASDAQ:INO)と、予防、治療両用のワクチンの次世代技術を持つ新興バイオテクノロジー企業Advaccine Biopharmaceuticals Suzhou Co., Ltd.(「Advaccine」)は10日、中国でCOVID-19のDNAワクチン候補INO-4800の第2相臨床試験で1人目の被験者に無事投与を行ったと発表した。中国での第2相臨床試験は、米国で進行中のINO-4800のINNOVATE第2/3相臨床試験とは独立して行われており、18歳以上の約640人の参加者を登録する。Advaccineは、今月末までに登録が完了する予定の中国での第2相試験を実施、資金提供している。
INOVIOの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJ. Joseph Kim博士は「われわれは、協力して、中国の規制当局や臨床試験管理に関するAdvaccineの専門知識を活用することにより、中国でCOVID-19のDNAワクチン候補INO-4800の開発を加速させてきた。Advaccineとその創業者で、中国におけるDNAワクチンの第一人者である復旦大学名誉教授、Bin Wang博士との協力に感謝している。当社のチームは、安全で忍容性が高く、効果的で持続性のあるCOVID-19ワクチンの開発、提供を目指した、今日までの進展と中国での臨床業務を加速できたことに満足している」と語った。
Advaccineの創業者であるBin Wang博士は「Advaccineが、今年1月から24時間体制でINOVIOチームと共にCOVID-19ワクチンINO-4800の共同開発を進め、非常に緊密な協力関係を維持してくれたことに心から感謝している。INOVIOの大きなアドバンテージである迅速なDNAプラスミドと送達技術は、このワクチン候補の成功にとって非常に重要だ。Advaccineは、中国の上海にある華山病院で第1相試験の被験者への投与完了後、規制当局の承認を得て、江蘇省疾病対策予防センター(CDC)のチームと共に第2相臨床試験を直ちに開始した。治験責任医師で著名なワクチン臨床教授であるFengcai ZHU医学博士と彼の優れたチームメンバー、さらに江蘇省の高度な臨床試験インフラのサポートにより、2020年末までに640人の被験者を登録するという中国第2相試験の目標達成は可能と考えている」と語った。
INOVIOとAdvaccineは、中国でのINO-4800の臨床開発推進で協力してきた。中国におけるINO-4800の第2相臨床試験では、18-59歳の成人とそれより高齢の成人(60歳以上)の両方を登録、中国の人々に対する安全性と免疫原性の評価を主要評価項目としている。投与計画では、1.0 mgまたは2.0 mgの投与量で0日と28日の2回ワクチンを接種、これは米国における第2/3相臨床試験の第2相部分と同様である。中国での試験は、INO-4800のさらなる評価に役立つ、このワクチン候補の安全性と免疫原性プロファイルに関する貴重な知見を提供してくれる予定である。
INOVIOは最近、INNOVATE(INOVIO INO-4800ワクチン有効性試験)と呼ばれる、米国におけるINO-4800の第2/3相臨床試験の第2相部分で、1人目の被験者への投与を発表した。同臨床試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov 、識別子NCT04642638を参照。
▽INO-4800「INNOVATE」第2/3相臨床試験について
INNOVATEの筆頭治験責任医師は、ペンシルベニア大学病院の医学教授Pablo Tebas博士である。臨床試験の第2相部分は、3つの年齢層(18-50歳、51-64歳、65歳以上)それぞれにとってより適切な投与量を確認するため、INO-4800を2回投与(1.0 mgまたは2.0 mg)した場合の安全性、忍容性、免疫原性を、各投与量ごとにINO-4800またはプラセボのいずれかを投与する3対1の無作為化試験で、引き続き第3相有効性評価が行われる。同社は、感染率の高い環境やSARS-CoV-2にさらされるリスクが高い地域で働いたり、居住していたりしていて、とりわけ閉鎖された環境で露出時間が比較的長い、あるいは個人用保護具(PPE)が一貫して使用されていない可能性がある特定の人々が対象になるよう、登録の多様性確保に努めている。
INNOVATE試験は、米国防総省(DoD)化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)が、保健問題担当国防次官補室(OASD(HA))、国防保健局(DHA)と連携して資金提供している。試験の第3相部分でINOVIOは、第2相の評価データに基づき提案される用量の有効性を評価するため、18歳以上の健康な男性と妊娠していない女性を登録する予定である。参加者は、1対1の割合で無作為に登録され、INO-4800かプラセボのいずれかの投与を受ける。第3相部分は状況次第で、最終的な登録者数は第3相部分の期間中のCOVID-19の発生率によって決めるれる。第3相部分の主要評価項目は、COVID-19疾患をウイルス学的に確認することである。
▽INOVIOのINO-4800開発促進国際協調体制について
INOVIOはINO-4800の開発を急ぐため、協力者、パートナー、資金提供者の国際協調体制をつくり上げた。これまでに感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国防総省が、INO-4800の開発と生産に多額の資金を提供してくれた。現在までの研究・開発協力者は、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学、テキサス大学、復旦大学、ラヴァル大学などである。INOVIOは、Advaccine、国際ワクチン研究所と連携、それぞれ中国および韓国でINO-4800の臨床試験を実施している。INOVIOは、英公衆衛生庁(PHE)、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と協力して、いくつかの動物実験モデルでINO-4800の前臨床効果の評価も行っている。INOVIOは、商業規模のINO-4800生産に向け、Kaneka Eurogentec S.A(カネカユーロジェンテック)、サーモフィッシャーサイエンティフィック、Richter-Helm BioLogics、Ology Bioservicesの受託製造業者チームと協力しており、安全で効果的なワクチンに対する世界的需要急迫に応じられるよう、生産能力を一層拡大するため、さらなる外部資金とパートナーシップを求めている。
▽INO-4800について
INO-4800は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対するINOVIOのDNAワクチン候補である。INOVIOはコロナウイルス関連事業の経験が豊富で、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こす関連コロナウイルスのDNAワクチン候補INO-4700の第2a相試験を開始した最初の企業である。
最適化されたDNAプラスミドから成るINO-4800は、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞に直接送達され、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させる。INO-4800は室温で1年以上、セ氏37度で1カ月以上安定している唯一の核酸ベースのワクチンで、保存可能期間は5年、輸送・保管時の冷凍の必要はない。これは、集団予防接種準備の際に考慮すべき重要な要素である。
▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて
INOVIOには、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。
INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRA(R)デバイスは、短い電気パルスを使い、細胞に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドを注入、その他のDNAや、mRNAなど他の核酸アプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRA(R)デバイスで投与することで、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の考案と生産の速さ、保管、輸送中に冷凍の必要がない製品の安定性、数々の臨床試験で観察されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。
2000人以上の患者が様々な臨床試験において、7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。
▽Advaccineについて
Advaccine Biopharmaceuticals Suzhou Co., Ltd.(「Advaccine」)は、感染症、がん、および自己免疫疾患の新規予防、治療ワクチンを開発している新興の臨床期免疫療法企業である。Advaccineは、革新的な抗原技術、アジュバントプラットフォーム、さらに新規ワクチンや免疫療法候補の迅速な開発のための細胞性免疫評価プラットフォームとともに、幅広いワクチンアプリケーションを活用している。長年の革新的な前臨床、臨床研究を通じて、Advaccineは、高齢者や乳児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染を標的とする新規アジュバントをベースにした予防ワクチン、慢性B型肝炎(CHB)に対する免疫療法ワクチン、同じく自己免疫疾患や様々ながんに対する免疫療法ワクチン候補など、ワクチン候補の幅広いポートフォリオづくりに成功してきた。Advaccineは、ワクチン研究に関する深い専門知識と社内の大規模製造能力に支えられ、いくつかのワクチン候補を臨床段階に持ち込み、近い将来の後期臨床試験や商業発売に備えるところにまできている。
▽INOVIOについて
INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DOD)、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Kaneka Eurogentec(カネカユーロジェンテック)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、サーモフィッシャーサイエンティフィック、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。
▽問い合わせ先
メディア向け
Jeff Richardson
267-440-4211
jrichardson@inovio.com
投資家向け
Ben Matone
484-362-0076
ben.matone@inovio.com