【台北2020年12月7日PR Newswire=共同通信JBN】ともに島で構成される台湾と日本、そして大きな地震に見舞われたばかりのトルコにとって、防災は常に重要で大きな注目を集める課題である。台湾と日本はいずれも防災の分野で広範な経験と専門的ノウハウを持っているが、一般の人々はいまだに防災知識は難しく分かりにくいと感じている。デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)副センター長の永田宏和氏は「防災は重要な問題だが、一般によくある問題は『それを伝えることは難しい』ということだ」と述べた。
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このため、台湾デザイン研究院(Taiwan Design Research Institute、TDRI)とKIITOは国際協力を開始し、TDRIが11のチーム、新台北市政府、防災教育局、および日本のアドバイザーを率いて共同研究とデザイン開発を行う。チームは、火災、地震、洪水などの5つの非常用キットと、防災知識の体験学習というコンセプトに基づく8つの体験的防災教材を推進するソリューションを開発した。
非常用キットについては、日本のファッションブランド、台湾の大手日用品流通企業、デザイン企業の学際的協力で、MUJI Taiwan×Matinal Design、AGUA Design、Tzu Chi Foundation×S. Select Lab、LAJOS、Xiaobei Grocery Store×DHH Studioなど5つのデザインが開発された。物理的パッケージのデザインに加え、チームは関連する防災知識をデザインによって取りまとめ、推進し、これらのキットは一般市民にとって最良の学習補助教材になっている。
台湾にあるMUJI(無印良品)全53店舗は直ちに非常用キットを発売し、防災知識を推進し、防災パンフレットとシミュレーションのダウンロードをMUJIのウェブサイトで提供した。XiaobeiとDHH Studioが共同で発売する非常用キットは、Xiaobeiで販売される他の製品および無料の防災知識マニュアルと共に、12月にXiaobei全113店舗で入手可能になる。台湾最大の民間防災組織であるTzu Chi Foundation(慈済基金会)は近年、災害救援ボランティアの養成に力を注いでおり、S. Select LabとLAJOSは共同で基金会のために非常用キットと防災・救援活動を特注制作し、ボランティアがデザインの力によって関連知識を促進しながら強い絆を構築することに役立っている。
体験的防災教材は、台湾の6つの新進デザインチームであるdosomething studio、STUDIO COBY、Studio Shikai、A Step Design Studio、YEN Design、Dot Designによって自主的に設計および開発されたもので、このプロジェクトは台湾のデザイナーによる最初の社会的デザイン活動となっている。2019年末のフォーラムから始まり、約1年の学習、共同創作、共有を経て、デザイナーは台湾でより一般的な災害である火災、洪水、地震、溺死、および応急処置について概念化し、一般の人々がゲームを通じて専門的な防災知識を学べるよう、ボードゲーム、ジェンガ、チャレンジゲームを開発した。
約1年前に始まったTDRIとKIITOの国際協力は、まず一連の現地調査を実施し、その後台湾域内のデザイナーを集め、海外の事例を参照し、台湾に適した防災ソリューションを作成した。TDRIとデザイナーは、柔軟なデザイン思考を活用して既存の枠組みを打ち破り、社会問題の解決策を見つけ、デザインを活用して難しい防災知識をより親しみやすく簡単なものにし、社会の防災意識を高めるだけでなく、将来的には台湾と日本の共同による設計事例を他国に伝え、国際的な防災に具体的に寄与することを期待している。