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カリフォルニア州ランカスターが米国初の水素都市に

City of Lancaster
2020-11-12 22:02 1761

【ランカスター(米カリフォルニア州)2020年11月12日PR Newswire=共同通信JBN】水素燃料を活用する米国初の都市であるカリフォルニア州ランカスターは、新世代のクリーン燃料としての水素の開発と利用で提携する自治体を募るため、日本に働きかけを行った。

Consulate-General of Japan​, Koji Imai; Executive Director of JETRO, Norihiko Saeki; City of Lancaster Mayor, R. Rex Parris.
Consulate-General of Japan​, Koji Imai; Executive Director of JETRO, Norihiko Saeki; City of Lancaster Mayor, R. Rex Parris.

ランカスターのR. Rex Parris市長は11月6日、日本の政府当局者を招き、ロサンゼルスのすぐ北に位置するランカスターと、水素をパワーグリッド、燃料供給、貯蔵および利用に組み込むことに同様に専心する日本の「スマート」都市とのペアリングについて議論した。

Parris市長は、これまでの市議会の会合で水素移行を確約し、世界の他都市にも水素を選択するよう求めてきた。ランカスターには再生可能エネルギーソリューションの最初の都市であるという実績があり、エネルギーイニシアチブを実行する能力を実証している。市長は、世界中の都市が水素の利用に移行する過程で日本が最初の停車地になるかもしれないと確信している。

Parris市長は、都市の脱炭素化を進める新たな方法として水素のビジョンを策定した。これは10年以上前に着手した使命である。市長はすでに革新的な水素プロジェクトを構築し、Hitachi Zosen Inovaのような大企業と共に開発を進めている企業を引き付けた。市長はその後、市が水素目標を達成するための包括的な計画を策定し、地元住民を巻き込み、ランカスターにとっての水素のメリットについて一般市民を教育するためにこの計画を市議会で公表した。最近、より多くの企業と他の都市がランカスターの成功を目にし、同市のプランに従うことでこの動きに参加したいと考えている。

水素には、大気の質の改善、安全で信頼性の高いエネルギー源の供給、温室効果ガス排出量の削減、高度な熟練雇用の創出を含む幅広いメリットがある。水素はわれわれの環境に潤沢に存在する。水素は、温室効果ガスの排出をほぼゼロにする可能性があり、多様な国内資源から生産することができる。代替燃料としての水素は、国内生産、高速燃料補給および高効率という特徴を持って、燃料電池に電力を供給できる能力に端を発している。米国民の約半分が、市民の健康と自然環境に悪影響を与えるほど大気汚染のレベルが高い地域に住んでいる。

Parris市長は、日本総領事館の今井領事、日本貿易振興機構(JETRO)の佐伯次長を含む日本の代表団に対し「水素は未来であり、将来の脱炭素化戦略である。われわれはランカスターの歩みと道を同じくする他の都市とともに取り組みをリードしていく。ランカスターはアメリカ初の水素都市だ」と述べた。ランカスターは、同市の戦略の例に倣おうとする他都市と姉妹都市型の関係を開始し、ロードマップを共有している。「水素への移行は、世界で最も有名な大都市に限られる必要はない。実際、われわれの規模の都市は大都市にはできないことができる。現行のプランには、軽量車および重量車向けの水素ステーションの建設が含まれる。われわれは州の温室効果ガス削減目標を支持しており、水素は目標により早く到達するための優れた方法である」。カリフォルニア州からの最近の助成金では、1億ドルの助成金のほとんどが大都市の人口集中地域に充てられたことに留意する必要がある。ランカスターはここで阻止されることはない。

巨大な太陽光発電容量が開発されて以後、ランカスター市議会は、同市がエネルギーの現状に劇的な影響を与える力を持っていることに気付いた。多くの変化は州または連邦レベルでは発生しなかった。ランカスターは独自の公益事業会社であるLancaster Choice Energyを設立し、地元で生成されたグリーンエネルギーを住民に低価格で提供し、市に収益をもたらした。ランカスターはネットゼロを実現する最初の都市となる道を歩み続け、消費量を上回るクリーンエネルギーを生成した。ランカスターはまた、すべての新築住宅に太陽光発電を義務付けた最初の都市であり、コミュニティーパートナーと協力し、最初の大規模な全電気バスのグループを構築することができた。

市長は戦略の転換について「その過程で、われわれは電子が必ずしもエネルギーを貯蔵するための最良の媒体ではないことに気付いた。水素は、既存のガスグリッドでも簡単かつ長期間保存することができる。これは、太陽が輝き、風が吹くときにのみ機能する大量の断続的な再生可能リソースとグリッドのバランスを取るのに最適なリソースだ」と説明した。

現在、SGH2はランカスターにグリーン水素製造施設をもたらしている。このプラントは、リサイクルされた混合紙廃棄物をガス化しグリーン水素を生成する。グリーン水素は、電気分解と再生可能エネルギーを使用して生成されるグリーン水素の2-3倍多くの炭素排出量を削減し、5-7倍安価である。米航空宇宙局(NASA)の科学者であるSalvador Camacho博士とSGH2の最高経営責任者(CEO)であり生物物理学者で医師のRobert T. Do博士によって開発されたグリーン水素製造施設をランカスター市は受け入れ、共同所有する。Robert T. Do博士は「世界には現在、朗報が必要で、われわれはそれを持っている。手頃な価格で大量生産された信頼性の高いグリーン水素は、世界を脱炭素化するために必要なミッシングリンクである」と述べた。

ランカスターの他のプロジェクトには、1基のガス化プラントと、有機廃棄物から再生可能な天然ガス(RNG)を生成してクリーンな水素に変換するHitachi Zosen Inovaの1億ドルの嫌気性消化プラントが含まれる。

エネルギー企業のHitachi Zosen Inova(HZI)のシニアプロジェクト開発者であるLex Heslin氏は「HZIは、水素が最初にカリフォルニアで、次に全米でエネルギーインフラストラクチャーの重要な部分になりつつあるのを目撃している。州レベルでは、カリフォルニアは水素を受け入れ、全国的な注目を集めている。今日、ニューヨーク・タイムズ紙の記事は水素エネルギー移行におけるカリフォルニアの最近の勢いとその可能性を引用した。ランカスターは、地方レベルで予想される以上のことをする決意を固めている」と語った。

各国政府がクリーンエネルギーに取り組む中で、水素は世界中で勢いを増している。ランカスターは水素にコミットし、投資家を誘致し、最先端の施設を建設し、事前許可、都市調達、インフラストラクチャー支援、車両構築および消費者教育で新しい企業を支援している。「水素は未来であり、気候変動に取り組む方法として他の都市が脱炭素化への道に参加するよう呼びかける」。Parris市長によるビジョンとハイレベルな取り組み、および水素への移行を達成するための包括的な計画の策定により、市議会と市民からの承認と賛同が得られ、水素投資の誘致の成功につながった。現在の焦点は、教育、研究開発、および志を同じくする都市との的を絞った国際協力を含むようアウトリーチを拡大することである。

大幅な脱炭素化への道として水素を追求することに関心のある他都市に対して、Parris市長は以下の方法を提案する:

  • 水素の取り組みを主導し、チームを構築するための効果的な擁護者を選択する。
  • 市のガスと電気の負荷のレビューを実施し、あらゆる再生可能エネルギー資産を定義する。
  • 市の包括的な水素取り込み計画を作成する。
  • 計画を広く伝え、コンセンサスを形成し、市議会の審議を通過する。
  • 市および他の経済開発資源と緊密に協力し、水素企業の投資を誘致する。
  • このプロセスを経たランカスターのような都市に接触し、最良の実践例と市全域の水素戦略の実行方法を学ぶ。

Parris市長は「われわれは、大小を問わず全ての都市に、水素を動力源とする都市になるという私たちの挑戦を受け入れ、クリーンエネルギーの未来への歩みに参加するよう呼びかける。あなた方を喜んで支援する」と述べた。

At lunch, discussing the future of hydrogen
At lunch, discussing the future of hydrogen

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ソース: City of Lancaster