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週1回の治験用insulin icodecへの切り替えは第2相臨床試験で2型糖尿病患者に有効で忍容性良好

Novo Nordisk
2020-09-24 12:21 2714

バウスベア(デンマーク)

2020年9月24日

/PRNewswire/ -- ノボ ノルディスク(Novo Nordisk)は22日、週1回投与の治験用基礎インスリンアナログであるinsulin icodecの3件の第2相臨床試験の結果を発表した。第56回European Association for the Study of Diabetes(EASD、欧州糖尿病学会)2020年年次会合で公開された。

第1は、他の基礎インスリンからinsulin icodecへの2種の異なるアプローチを利用した切り替えは、1日1回投与のインスリングラルギンU100と比べて有効で忍容性が良好であり、切り替えアプローチは1日1回投与のインスリングラルギンU100と比べて臨床的に意味がある、または重大な低血糖のリスクが増えないことを示した(注1)。この16週間の第2相臨床試験は、経口抗糖尿病薬と1日1-2回の基礎インスリンを投与されている十分にコントロールされていない2型糖尿病の成人患者154人を対象に、週1回のinsulin icodecの負荷用量ありと負荷用量なしの投与、およびインスリングラルギンU100の投与の3群に無作為分類して実施した(注1、2)。主要評価項目は第15、16週の血糖値3.9–10.0 mmol/Lの「範囲内の時間(time in range)」であり、負荷用量のinsulin icodec投与群はインスリングラルギンU100投与群に比べて「範囲内の時間」がかなり多かった(73%対65%)。負荷用量なしのinsulin icodec投与群はインスリングラルギンU100投与群とほぼ同じ「範囲内の時間」だった(66%対65%)。

臨床試験責任者でカナダ・オンタリオ州のLMC Diabetes & Endocrinologyの内分泌専門医Harpreet Bajaj博士は「2型糖尿病患者の多くが簡便さを好むことは分かっている。現在与えられている1日1、2回の基礎インスリン処方より少ない注射回数、便利さということだ。この第2相臨床試験はインスリンを必要とする2型糖尿病患者にinsulin icodecが与えられる潜在的利点を示し、今の治療法に伴う日々の負担と複雑さなしの新たな治療選択肢への楽な移行を促進し、低血糖リスクが低い良好な血糖コントロール状態がより長く続く可能性がある」と語った。

重要な二次的評価項目は、インスリングラルギンU100に比べて負荷用量の有無にかかわらずicodecで統計的有意差のないHbA1cのベースラインの変化(それぞれ–0.77%、–0.47%、–0.54 %)を含む。臨床的に有意な、または重大な低血糖の割合は、負荷用量のinsulin icodecとインスリングラルギンU100でほぼ同じ(レベル2-3 mmol/L未満とレベル3-重症の低血糖の人年当たり発症率はinsulin icodec投与群で0.78件、インスリングラルギンU100で0.79件)、負荷用量なしのinsulin icodecでは数的に低かった(人年当たり発症率は0.15件)。週1回のinsulin icodec投与に関連した新たな安全問題は確認されず、この臨床試験で重症例の発症はなかった(注1)。

経口抗糖尿病薬で十分にコントロールされていない2型糖尿病患者に対する週1回の基礎インスリン投与の最適滴定の理解を深めるため、インスリングラルギンU100と異なるinsulin icodecの滴定アルゴリズムの影響を比べたデータも会合で紹介された。この16週間の臨床試験で調査されたinsulin icodecの週1回投与の3種の滴定アルゴリズムはすべて忍容性が良好で有効なことが明らかになり、1日1回のインスリングラルギンU100投与と比べて適用された滴定アルゴリズム次第でより優れた、あるいは同様の「範囲内の時間」を示した。

インスリン未投与の2型糖尿病の成人に対する26週間の第2相臨床試験でinsulin icodecが1日1回のインスリングラルギンU100と比べて血糖値低下と同様の安全性プロフィールを示した結果も、EASD年次会合で紹介され、同時にニューイングランドジャーナル・オブ・メディシンに掲載された(注5、6)。このデータは先に、2020年6月7日の第80回米国糖尿病学会(ADA)科学会議で公表された。

ノボ ノルディスクのMads Krogsgaard Thomsen執行副社長兼最高科学責任者(CSO)は「糖尿病技術革新のリーダーとして、ノボ ノルディスクは糖尿病を抱えて生きる人々を支えるため革新的な治療選択肢を提供し続け、治療成績を向上させる必要があると理解している。insulin icodecは有効性と忍容性を実証し、2型糖尿病患者のインスリン治療開始と治療法切り替えのより簡便な選択肢を提供する可能性があることがEASD 2020と ADA 2020で紹介された第2相臨床試験データに、当社はわきたっている」と語った。

第2相臨床試験は週1回のinsulin icodec投与の第3相臨床開発の試験計画を告げるもので、ノボ ノルディスクはこれを2020年内に開始する。

EASD2020でのノボ ノルディスクのニュースとメディア向け資料の詳細は次を参照:https://www.epresspack.net/novonordiskEASD2020/phase-2-once-weekly-insulin

▽第2相切り替え臨床試験について

この16週間の無作為化、非盲検、治療目標第2相臨床試験はinsulin icodecの週1回の負荷用量投与、負荷用量なしの投与と1日1回のインスリングラルギンU100*投与の有効性と安全性を比較するため、経口抗糖尿病薬と1日1、2回のインスリン投与で十分にコントロールされていない2型糖尿病患者(HbA1c 7.0–10.0%)154人を対象に実施した。当初100%の負荷用量と100%負荷用量でないinsulin icodec投与群への対照群ごとの切り替え(または無作為化に先立つ1日2回の基礎インスリンまたはインスリングラルギンU300被投与者に対する20%削減)をインスリングラルギンU100投与群と比較して調査した。インスリン投与量は最低量(血糖値が目標を下回る場合)または朝食前3回の自己計測血糖値の4.4–7.2 mmol/Lの目標値に対する平均値に基づいて週ごとに滴定された。主要評価項目は第15、16週の間の持続グルコースモニタリング(Dexcom G6®, Dexcom Inc, CA, USA)に基づく3.9–10.0 mmol/L (70–180 mg/dL)の「範囲内の時間」だった。二次的評価項目は、ベースラインから第16週までのHbA1cと体重の変化、第15、16週の週間投与量、低血糖症状だった(注1、2)。

▽insulin icodecについて

insulin icodecは治験段階で、半減期が約1週間の長時間持続性基礎インスリンアナログ(注8)。注入すると、insulin icodecはアルブミンに強く、しかし可逆的に結合する。このため、活性icodecの持続的で緩慢で安定した放出が1週間にわたって血糖の効果的な低下をもたらす。週1回のinsulin icodecの注入量は、濃縮製法のため1日1回のインスリングラルギンU100に匹敵する(注9)。

▽ノボ ノルディスクについて

ノボ ノルディスク(Novo Nordisk)は1923年創業の世界的な医療企業で、デンマークに本社がある。同社の目標は変革を推進して糖尿病と肥満などの深刻な慢性病、血液系と内分泌系の希少疾患を克服することである。その目的達成に向け、科学的革新を先導し、医薬品へのアクセスを拡大し、病気の予防と最終的な治癒に取り組んでいる。ノボノルディスクは80ヵ国で約4万3500人を雇用し、約170ヵ国でその商品を販売している。詳細はnovonordisk.com 、Facebook。Twitter、LinkedIn、YouTubeを参照。

▽メディア問い合わせ先

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arnd@novonordisk.com

Mark Joseph Root
+45 3079 4211
mjhr@novonordisk.com

*NCT03922750: A Research Study in People With Type 2 Diabetes to Compare Two

Types of Insulin: Insulin 287 and Insulin Glargine

参考(注)

1. Bajaj HS, Isendahl J, Gowda A, et al. Efficacy and Safety of Switching to

Insulin Icodec, a Once-Weekly Basal Insulin, vs Insulin Glargine U100 in Patients with T2D Inadequately Controlled on OADs and Basal Insulin. Abstract 657. Presented at the 56th European Association for the Study of Diabetes (EASD) Annual Meeting 2020, The impact of new basal insulins, 12:00-13:00 CEST on 22 September 2020.

2. ClinicalTrials.gov. A Research Study in People With Type 2 Diabetes to

Compare Two Types of Insulin: Insulin 287 and Insulin Glargine. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03922750. Last accessed: September 2020.

3. Lingvay I, Koefoed MM, Stachlewska K, et al. Effect of Three Different

Titration Algorithms of Insulin Icodec vs Insulin Glargine U100 on Time in Range in Patients with T2D Inadequately Controlled on OADs. Abstract 658. Presented at the virtual 56th European Association for the Study of Diabetes (EASD) Annual Meeting 2020, The impact of new basal insulins, 12:00-13:00 CEST  on 22 September 2020.

4. ClinicalTrials.gov. A Research Study to Compare Two Types of Insulin:

Insulin 287 and Insulin Glargine in People With Type 2 Diabetes Who Have Not Used Insulin Before. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03951805. Last accessed: September 2020.

5. Rosenstock J, Kjaersgaard MIS, Moller DV, et al. Once-Weekly Basal Insulin Icodec Offers Comparable Efficacy and Safety vs Once-Daily Insulin Glargine U100 in Insulin Naïve Patients with T2D Inadequately Controlled on OADs. Abstract 56. Presented at the virtual 56th European Association for the Study of Diabetes Annual Meeting 2020, Developing better insulins, 14:45-15:00 CEST on 22 September 2020.

6. Rosenstock J, Bajaj HS, Janez A, et al. Once-Weekly Insulin for Type 2 Diabetes Without Previous Insulin Treatment. New England Journal of Medicine. 2020; Published online ahead of print; DOI: 10.1056/NEJMoa2022474. Available at: https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2022474.

7. Rosenstock J, Kjaersgaard MIS, Moller DV, et al. Once-Weekly Basal Insulin Icodec Offers Comparable Efficacy and Safety vs Once-Daily Insulin Glargine U100 in Insulin Naïve Patients with T2D Inadequately Controlled on OADs. Abstract 238-OR. Presented at the 80th Scientific Sessions of the Virtual American Diabetes Association Annual Meeting, Insulin Therapies, 18:15-18:30 CDT on 14 June 2020.

8. Hovelmann U, Brondsted L, Kristensen NR. et al. Insulin Icodec: An Insulin Analog Suited for Once-Weekly Dosing in Type 2 Diabetes. Abstract 237-OR. Presented at the 80th Scientific Sessions of the American Diabetes Association, Insulin Therapies, 18:00-18:15 CDT on 14 June 2020.

9. Nishimura E, Kjeldsen T, Hubalek F, et al. Molecular and Biological Properties of Insulin Icodec, a New Insulin Analog Designed to Give a Long Half-Life Suitable for Once-Weekly Dosing. Abstract 236-OR. 80th Scientific Sessions of the American Diabetes Association; Insulin Therapies, 17:45-18:00 CDT on 14 June 2020.

ソース: Novo Nordisk
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