【ダラス2020年9月21日PR Newswire=共同通信JBN】
*重要な規制プロセスが完了し、米国初の高速鉄道発進の準備が整う
米運輸省連邦鉄道局(FRA)はTexas Central Railroad, LLCに向けた最終の連邦規則案(Rule of Applicability、RPA)と決定記録(Record of Decision、ROD)を公表した。これは歴史的な高速鉄道プロジェクト、そしてその建設に向けた大きな成果である。
RPAはTexas Central Railroadに規制枠組みを提供し、高速鉄道システムの信号と車両コントロール、線路、ローリングストック、運用ルールと履行、システム要件、保守を管理する総合的な一連の安全要件を設定する。RPAは安全性へのシステム・アプローチに基づいたもので、これまでの米国の列車運行に要求されているものよりも大幅に厳格な事故回避措置が組み込まれている。
テキサス州に構築するものとしてTexas Central Railroadが提案するシステムは、日本の東海旅客鉄道株式会社(JRC)が運用してサービス実績のある東海道新幹線高速鉄道システムを複製したものだ。Texas Centralがこのシステムを選んだ理由は、世界有数の安全性があり、最も時間に正確な鉄道システムという定評による。東海道新幹線は、55年超におよぶその歴史の中で100億人以上の乗客を運び、営業運転における死亡者がゼロで、開通時からの事故もゼロという完璧な安全性の記録を持つ。FRAが言及したように、「この規則は、(JRCの東海道新幹線の)基本的な安全の完全性を維持するため、この技術に向けて特別に記述されたもの」であり、「技術、運用、保守の面で営業運転により実証された東海道新幹線のHSRシステムの規則を成文化」して規定するものである。
RODは、国家環境政策法(NEPA)の要請を受けて2014年に開始され、2020年5月29日に公表された1万ページ以上に上る環境影響最終評価書(FEIS)の発行をもって完成したFRAの環境レビュープロセスを完了する。また、RODはTexas Central Railroadがダラス・ヒューストン間を運行するというアライメント(注)も公式に選択する。
RODとRPAの全文は米連邦政府官報でまもなく発行される。
(注)FRAが選択したアライメントはRODの建設案A(Build Alternative A)と呼ばれる。
Texas Central RailroadのCarlos Aguilar最高経営責任者(CEO)は「われわれは、この時に向けて取り組んできた。連邦鉄道局の最終RPAとRODは数えきれない人々の何年にもわたる取り組みを反映し、Texas Central Railroadが米国初の高速鉄道システムを実現することについてまさに完全で細心の連邦規制プロセスを確認するものである」と述べた。
▽2020年に到達した主要マイルストーン
法務:
*5月7日:テキサス州第13地区控訴裁判所がTexas Centralの立場はテキサス州法に基づく鉄道であることを確認する判決を全員一致で下す
規制:
*5月21日:米陸軍工兵隊が、FRAはLeast Environmentally Damaging Proposed Alternative(LEDPA、環境破壊が最小の提案)のルートを選択したことを支持する仮指定を発行し、選択されたアライメントについてFRAと合意
*5月29日:FRAが環境影響最終評価書(FEIS)をリリース
*7月17日:米陸上運輸委員会(STB)がTexas Centralプロジェクトの管轄権を確認
*9月11日:FRAが連邦規則案(RPA)と決定記録(ROD)を発行し、Texas Central Railroadが連邦安全基準の下で高速鉄道を運用することを確定し、ダラスからヒューストンまでの選ばれたアライメントに環境クリアランスを与えた
土地:
*Texas Centralはプロジェクトに必要な600超区画の土地を管理している
*Texas Centralはダラス、ヒューストン、ブラゾスバレーにある3つの駅の用地を管理している
雇用と影響:
*Texas Centralは建設の準備ができており、米国がCOVID-19から回復することに寄与するため、可能な限り迅速に建築へと進む
*このプロジェクトは建設期間の6年間に1万7000人以上の直接雇用と2万人を超えるサプライチェーンの雇用を創出する
*このプロジェクトは製鉄所などの製造業、マイノリティーや女性が所有する事業、兵役経験者や農村部の事業との契約を通し、全米で100億ドル以上の目先の経済効果がある
*このプロジェクトは建設期間中の直接支出、従業員給与、システムの保守と運用に関連する支出といった形態で、最初の25年にわたって推計360億ドルの経済利益を注入する
このプロジェクトを遂行するため、Texas Centralは専門家と業界リーダーから成る以下の世界クラスのチームを編成した:
Webuild:Texas Centralはプロジェクトに公共インフラを供するため、2019年9月にWeBuild(Salini Impregilo/Lane Construction Corp.)との設計・建設契約に調印した。これには全行程に沿った高架橋と盛土の設計と建設、線路システムの敷設、保守やその他の鉄道システム機器を収容するルート沿いの関連建築物やサービスの構築が含まれる
Bechtel:バージニア州に本社を置くBechtelは世界をリードする鉄道プログラム管理会社である。同社はこのプロジェクトの全側面と共に、全ての分野のインテグレーションの統括に責任を持つ。
東海旅客鉄道(JRC)/Renfe:当社は世界の2大鉄道システムのオペレーターと協業する。日本に本社があるJRCは技術プロバイダーであり、スペインが本社のRenfeは当社システムの運用を担当する。
Team Shinkansen United(TSU):世界最高の高速鉄道テクノロジー(東海道新幹線)。TSUは日立、三菱重工業、東芝、日本電気(NEC)、JRCで構成されている。
Kiewit:Kiewitはネブラスカ州に本社があり、Mass Electric Construction Companyはマサチューセッツ州が本社。両社とも鉄道システムの建設と設置で市場をリードしている。国際電気労働者友愛組合(International Brotherhood of Electrical Workers)と提携し、列車を運行する中核システムの設定を担当する。
Matthews Southwest(MSW)ならびに Suffolk Construction:テキサス州が本拠の不動産デベロッパーであるMSWは、マサチューセッツ州を拠点とするSuffolk Constructionと共にTexas Centralの各駅を開発、建設する。同社は最近、国内で最先端の鉄道ターミナルと商業スペースを完成させた
ビジネスと労働機会の方針:全ての企業とサプライチェーンにわたる最高レベルのリーダーシップにより、Texas Central Railroadは生活ならびに包括的文化の育成に尽力している。この誓約の一環として、テキサス州の農村、マイノリティー、女性、小規模、恵まれない人々、兵役経験者、ハンディキャップを抱える人々が所有する事業といった各ビジネスを鉄道の建設と運用に引き付け、包括し、参加してもらうことを最大化する戦略がわれわれの「ビジネスと労働機会の方針(BWOP)」である。このコミットメントは契約・雇用から金融資源の配分に至るまで、当社における全ての意思決定プロセスを貫く中核である。
▽Texas Centralについて
営業子会社のTexas Central Railroadを含むTexas Centralは、革新的な新しい高速旅客鉄道の開発、設計、建設、金融、運用を請け負う企業である。その高速旅客鉄道は、米国で4番目と5番目の規模を持つ経済圏であるテキサス北部とヒューストン大都市圏の間をブラゾスバレー駅のみに停車して90分以内で結ぶ。
ソース:Texas Central High Speed Rail
▽問い合わせ先
Kristin Welsh
+1-214-871-7723