ロンドン(英国)、2020年9月2日/PRニュースワイヤー/ --
タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE:Times Higher Education)は本日、世界の高等教育や研究の力関係の変化を示す世界大学ランキング2021の結果を公表しました。日本のトップの大学は依然として際立っており、総合的に日本は国・地域中で2番目に多くランクインしています。英国のオックスフォード大学が5年連続でトップの座を維持する一方、米国のトップ10は大きく減少しており、中国の清華大学が2011年に現在の評価方式を開始してから初めてアジアの大学でトップ20に入りました。
THE世界大学ランキングは、研究に主眼を置く大学の教育、研究、知識の伝達、国際性という中核的な活動全般を網羅する13のパフォーマンス指標を用いた、最もバランスの取れた包括的なグローバルランキングです。今年のランキングは1360万件以上の研究出版物から8600万以上の引用を分析し、世界2万2000人の学者からの調査回答を含んでいます
第17回のランキングでは、トップ100に過去最多の18か国が登場し、全体では93か国がランクインしており、グローバルな知識経済の地理的競争が激化していることを示しています。2021年版ではこれまでで最多となる1,527大学が参加、2020年の1,397大学から9%の増加です。
現在の評価方式の導入以来、東京大学は毎年トップ50の座を獲得し、2021年のランキングでは36位タイになっています。京都大学も目立っており、11位上昇の54位タイとなりました。京都大学は2017年から年毎にランクを上げています。また2015年からトップ200入りを狙っている東北大学は201-250位の枠内にまで上昇しました(前回2020年は251-300位)。
オックスフォード大学のサクセスストーリーにもかかわらず、アジアの大学が明らかに順位を上げつつある今、高等教育の超大国としての英国の地位は厳しい立場にあります。昨年の英国トップ20の大学の内、ランクを上げたのはわずか5校です。米国も、アジアの影響が問題となっています。米国の大学は、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)が13位タイから6位アップして7位になるなど、ランキング開始以来の最多数(8)が総合トップ10にランクインしており、引き続きランキングのトップにいます。しかしながら、2020年のランキングで優秀校だった米国の20大学の内50%が順位を落としました。上位争いが激化する中、この5年間で米国は総合トップ200の座を4つ失いました(2016年に63校、2021年は59校)。
大学名 |
国/地域 |
2021年ランク |
2020年ランク |
変動 |
オックスフォード大学 |
英国 |
1 |
1 |
= |
スタンフォード大学 |
米国 |
2 |
4 |
+ 2 |
ハーバード大学 |
米国 |
3 |
7 |
+ 4 |
カリフォルニア工科大学 |
米国 |
4 |
2 |
– 2 |
マサチューセッツ工科大学 |
米国 |
5 |
5 |
= |
ケンブリッジ大学 |
英国 |
6 |
3 |
– 3 |
カリフォルニア大学バークレー校 |
米国 |
7 |
=13 |
+ 6 |
エール大学 |
米国 |
8 |
8 |
= |
プリンストン大学 |
米国 |
9 |
6 |
– 3 |
シカゴ大学 |
米国 |
10 |
9 |
– 1 |
表:総合トップ10 - THE世界大学ランキング2021
アジアの順位上昇は中国の清華大学(20位タイ)が先導しており、アジアの大学がTHE世界大学ランキングのトップ20に入るのは、2011年に現在の評価方式を開始して以来初となります。これは近年の中国や他のアジア地域の大学における前向きな動きを示すものです。中国は2016年からトップ200のランキング数を5つ増やしました(2016年の2校から、2021年の7校)。またトップ100へのランクイン数が昨年の2倍になり、3つ増えました(計6校)。2020年にトップ200入りした7大学の内、85%が2021年に順位を上げ、中国は引き続き世界ベストに迫っています。
総合ではアジアの16大学がトップ100にランクインしており、これはランキング開始以来最高となります。中国の復旦大学(70位タイ)、浙江大学(94位タイ)、上海交通大学(100位)、韓国の韓国科学技術院(KAIST:Korea Advanced Institute of Science and Technology)(96位)はすべて上位グループに入りました。これら16大学の内13大学は昨年から順位上昇か同順位を維持しており、欧米の大学システムとアジアとの競争を示しています。
ランクイン数に関していえば、日本は見事に116大学が選ばれており、2番目にランクイン数の多い国・地域となっています(米国の181に次ぐ)。米国はトップ200の最多数を占めており(59)、英国(29)とドイツ(21)が2位、3位と続きます。全体では、上位のヨーロッパのランクイン数が徐々に減少し、過去5年間でトップ200の座を9つ失いました(2016年105校、2021年96校))。これは、同時期に中国、オーストラリア、韓国、香港、カナダがランクインした結果です。しかし、2021年のランキングでドイツのトップ5の大学は全て2020年の順位から上昇または同順位であることから、ヨーロッパにとって希望が持てないわけではありません。また、元パリ南大学(Paris-Sud University)のパリ=サクレ大学(178位タイ)は2021年のランキングに新たに加わった中で最高ランクを獲得しました。
THE世界大学ランキング2021には141大学が初登場しました。インドは新規エントリーが14大学と総合最多で、その結果ランクイン数が過去最多(63)となりました。インドに次いで米国(13)、中国(10)、ロシア、日本、イラン(各9)が多数の新規エントリーでランクインを増やしました。またボツワナが、ボツワナ大学(University of Botswana)(1001+)で初エントリーを果たしました。
THE最高知識責任者のフィル・ベイティは、次のようにコメントしました:
「日本トップの大学は、常に世界大学ランキングの上位を占めており、東京大学、京都大学、東北大学はどれも非常に競争の激しいこのランキングで2020年の地位から上昇または維持しています。そして日本は再びTHE世界大学ランキングでランクイン数2位を誇る国・地域となっており、高等教育の世界舞台でトップを争うという野望を表しています。
今年は中国の清華大学が、これまで優勢だった欧米の大学を覆して、初めてトップ20入りし、アジアの大学にとっての節目となりました。この傾向は、新型コロナウィルスの大流行が主に欧米の大学にとって大きな試練となる最悪の事態をもたらすことで、加速する可能性があります。同様に世界の学生やスタッフの国際間の流れが減少し、欧米の一流高等教育部門の財政問題が起こり得るため、アジアに有利となるかも知れません。地元出身の人材が従来のように欧米、とりわけ米国や英国の一流大学に移ることなく地域に留まれば、アジアの利益になるグローバルな知識経済の劇的なリバランシングが始まるかも知れません」
別表へのリンク:
全THE世界大学ランキング2021(Full THE World University Rankings 2021 )
THE世界大学ランキング2021評価方式(THE World University Rankings 2021 Methodology )
表:日本の全パフォーマンス THE世界大学ランキング2021(TABLE: Full Japanese Performance – THE World University Rankings 2021 )
表:総合トップ200 THE世界大学ランキング2021(TABLE: Overall Top 200 – THE World University Rankings 2021 )
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