【トロント2020年7月27日PR Newswire=共同通信JBN】Canada Nickel Company Inc.(TSX-V: CNC)(以下「Canada Nickel」ないし「同社」)は、技術を利用してゼロカーボンのニッケル、コバルト、鉄製品を生産する目的で、オンタリオ州ティミンズに設置予定の処理施設の研究開発を開始するため、完全所有子会社であるNetZero Metalsを設立したと発表した。
同社は、米国、カナダ、およびその他の地域で、ニッケル、コバルト、鉄製品のゼロカーボン生産に関連するNetZero Nickel(TM)、NetZero Cobalt(TM)、NetZero Iron(TM)の名称の商標登録を申請してきた。
Canada NickelのMark Selby会長兼最高経営責任者(CEO)は次のように語った。
「電気自動車業界と他の多くの消費者部門は、他の多くの資源会社が考えている漠然とした2050年の時間枠ではなく、この10年間にゼロカーボン金属を必要としている」
「Canada Nickelは、ゼロカーボン水力発電所に近接するティミンズ地域独自の利点と、空気にさらされるとCO2を自然に吸収する蛇紋岩でほぼ構成される当社のクロフォード・ニッケル・コバルト硫化物プロジェクトのおかげで、当社顧客が鉱業部門に期待しているゼロカーボン製品を開発できる能力を有している。クリーンエネルギー革命を推進するために望ましい金属としてニッケルを使用しているため、純ゼロカーボン生産への当社のコミットメントは、環境、消費者、当社投資家にとって適切なステップである」
多くの研究は、クロフォード・ニッケル・コバルト硫化物プロジェクト(注1)で資源の質量の90%以上を構成する母岩である蛇紋岩が自然発生的なミネラル炭酸化という自然に生じるプロセスを通じて空気にさらされると自然に二酸化炭素(CO [2])を吸収することを指摘している。
現在のラテライトと硫化鉱の処理アプローチは、SO[2]およびCO[2]排出という形で大きな環境フットプリントを生み出すため、ニッケル産業は多くの課題に直面している。最近のニッケル供給増加の大部分と、将来の生産成長の主な源がインドネシアのニッケル銑鉄生産であるという業界供給プロファイルを考慮すると、これらの環境問題は悪化の一途をたどることになる。業界筋によると、インドネシアでは1トンのニッケルを生産するのに25-30トンの石炭が使われており、これは、他のCO2源と併せると生産されるニッケル1トン当たり約90トンのスコープ1およびスコープ2の CO[2]を排出する。 (図1を参照)
この供給源からの50キロのニッケルを含む電気自動車のバッテリーパックの場合、その自動車のCO2排出量は約4トンとなる。その他の環境フットプリント問題を抱える他のニッケル供給源は、インドネシアのHPALプロジェクトで、同プロジェクトはニッケル1トン当たり約100トンの物質の海洋放出をもたらす選鉱くずの深海放出などの技術を検討中である。
ゼロカーボンフットプリント操業の開発のために検討されている主要技術
Canada Nickelは、鉱業プロセスの各段階(採鉱、精錬、加工)でNetZeroの目標を達成するためのさまざまな代替策の使用を検討する。
▽採鉱
鉱業活動の二酸化炭素排出量を削減する唯一最大の技術は、動力源としてディーゼル燃料ではなく電気をできるだけ活用する電動ロープショベルとトロリートラックの使用である。ゼロカーボン水力発電所に近接しているため、ディーゼル燃料の代わりに電気を使用すれば、炭素排出量を大幅削減できる可能性がある。
採掘プロセス中の廃棄岩と選鉱くずの堆積は、蛇紋岩を空気にさらし、この物質が天然鉱物の炭酸塩化を通じてCO [2]を吸収し、プロジェクトからのCO[2]排出を相殺する可能性を提供する。クロフォードで採掘された素材からCO[2]を吸収できる正確な量と比率は、次の作業段階で分析される。
▽精錬
従来、低品位硫化鉱の大規模処理は相当量の電力を使用する。この場合も水力発電所がすぐ近くにあることは、この生産段階での炭素排出を最小限に抑える潜在的可能性を提供する。
▽NetZeroゼロ素材-ニッケル・コバルト選鉱処理
硫黄、鉄、およびその他の不純物を除去するための既存のニッケル・コバルト選鉱処理プロセスは、世界中の多くの生産者にとって相当な量のCO[2]、SO[2]、およびその他の不純物の生成をもたらしてきた。
Canada Nickelは、CO[2]をクロフォード・ニッケル・コバルト硫化物プロジェクト(注1)の廃棄岩と選鉱くずで吸収できるようにしてオフガスを捕らえ、別の経路に切り替えるという、焙焼、硫酸化焙煎、電気アーク炉(還元剤としてコークスまたは石炭ではなく天然ガスを使用)を使用した還元など、既存の乾式冶金プロセスからニッケルおよびコバルト製品を製造する可能性を探る。同社はまた、ニッケル・コバルト製品の製造で発生するオフガスを最小限にするアルビオンや他の同様のプロセスなどのニッケル・コバルト製品を製造するための既存の湿式冶金プロセスも検討する。オフガスは再び回収・処理され、CO2およびSO2排出が最小限に抑えられる。
▽NetZero Metals-磁鉄鉱選鉱処理
同社は、既存の直接還元鉄(DRI)プロセスを利用した鉄製品の生産、ないし天然ガスを利用した電気アーク炉の削減の可能性を探り、CO[2]が鉱脈からの廃岩や選鉱くずに捕捉されるように別の経路に切り替える。
▽次のステップ
同社はこの重要な取り組みにおいて自社のかじ取りをサポートするため取締役会レベルでの重要なリーダーシップの変更を発表する。NetZeroのアプローチは、以前に発表され、現在進行中のPreliminary Economic Assessment(暫定経済評価)の運用作業に組み込まれる。クロフォードの母岩によるCO[2]吸収量とタイミングを分析するための特定の研究と、ニッケル・コバルト素材と磁鉄鉱選鉱の下流処理のためのプロセス設計が発表され、年内いっぱい進行する。
(注1)クロフォード・ニッケル・コバルト・硫化物プロジェクトは、初期段階の探査・開発プロジェクトである。プロジェクトが高度な開発ないし生産段階に到達するという保証はない。当社のクロフォード・ニッケル・コバルト硫化物プロジェクトの経済的実行可能性と技術的実現可能性は、PEA、PFS、ないしFSによってサポートされる信頼性レベルで確立されておらず、従って現時点で、同プロジェクトが 「net zero-carbon(ネットゼロカーボン)」フットプリントを結果としてもたらすことを支持するエビデンスはない。同社は現在、2020年末までにPEAを完了する予定である。
▽Canada Nickel Companyについて
Canada Nickel Company Inc.は、高成長の電気自動車とステンレス鋼市場へ供給に必要なニッケルとコバルトを提供する次世代のニッケル・コバルト・硫化物プロジェクトを推進している。Canada Nickel Companyは複数の法域でNetZero Nickel(TM)、NetZero Cobalt(TM)、NetZero Iron(TM)の商標登録を申請しており、純ゼロカーボンのニッケル・コバルト・鉄製品の製造を可能にするプロセスの開発を進めている。Canada Nickelは、投資家に政治リスクの低い法域でのニッケルとコバルトへのレバレッジを提供している。Canada Nickelは現在、資源豊富なティミンズ・コクラン採掘場の中心で、100%所有の旗艦事業クロフォード・ニッケル・コバルト・硫化物プロジェクトの探査を行っている。
▽問い合わせ先 Mark Selby, Chair and CEO, Tel: +1-647-256-1954, Email: info@canadanickel.com