【メルボルン(オーストラリア)2020年7月3日PR Newswire=共同通信JBN】メルボルンを本拠地とし、がん治療用の抗体発見に注力している株式非公開企業Affinity Biosciences Pty Ltd(Affinity)は1日、COVID-19に対する治療効果が期待される有力な抗体の発見を発表した。
Affinityは3月、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスを無力化する可能性のあるものを発見するため、ヒト抗体1000億件の同社所有ライブラリーのスクリーニングを開始した。ウイルスのスパイクタンパク質がヒト受容体と結合するのを阻止するいくつかの抗体候補を見つけた後、Affinityは4月、Peter Doherty Institute for Infection and Immunity(Doherty Institute)に実験室でのウイルスを使った試験を実施してもらった。Doherty Instituteは5日間のウイルス無力化試験で、Affinityの抗体が1桁のマイクログラム/ミリリットルの濃度でSARS-CoV-2の感染力を完全に無力化したことを確認した。抗体は、標的にどれだけ長時間結合しているかの尺度で例外的な低速オフレートで動き、約20ピコモルでSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に高い親和性がある。
Affinity最高経営責任者(CEO)のピーター・スミス博士は「当社の抗体はウイルスのスパイクタンパク質をしっかりつかみ、その活動を阻止する。これらの抗体は、ウイルスに触れた健康な人々の体内にそのウイルスが定着するのを防ぐことで人間を保護し、新しい細胞に感染して複製する能力を阻止することにより、感染者の体内でのウイルスの発展を阻むのに役立つ可能性がある」と語った。
非常に有効な治療は、入院を必要とする感染者の脅威を減らすことで、通常の生活のより早い再開を可能にする。
AffinityのCOVID-19治療法開発の次の段階は以下の通り:
*Affinityは、臨床試験用に適正製造基準(GMP)に従って抗体を急速に製造できるようにする迅速化工程を模索する。
*規制当局(オーストラリア薬品・医薬品行政局=TGA、米食品医薬品局=FDA、欧州医薬品庁=EMA)の迅速な臨床開発経路の特定。
*開発と商品流通の加速に向け政府、非政府組織(NGO)、医薬品企業と協議。Affinityの抗体は、3月にビル&メリンダ・ゲイツ財団、Wellcome Trust、マスターカード、および慈善家らが発足させたCOVID-19 Therapeutics Acceleratorの資金提供でラホヤ免疫研究所が実施している比較研究(CoVICプログラム)の対象である (https://covic.lji.org/ )。
Affinityは、ビクトリア州政府とMedical Research Future Fund(MRFF)から最近資金提供を受けたSARS-CoV-2に対する生物製剤の開発を目的とするWalter and Eliza Hall Instituteが率いるコンソーシアムにも参加している。
ウェブサイト: http://affinity.bio/covid-19/
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