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INOVIOがHPV関連肛門異形成患者対象のVGX-3100暫定第2相試験の好結果を報告

American Society for Colposcopy and Cervical Pathology
2020-03-27 12:44 2448

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年3月26日PR Newswire=共同通信JBN】

*VGX-3100 DNA医薬品は、患者の50%で高リスクなHPV 16/18関連前がん性病変を除去、患者の75%で病変の数を減らした

*データは2020年米コルポスコピー・子宮頸部病理学会(American Society for Colposcopy and Cervical Pathology、ASCCP)会議で発表へ

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ:INO)は26日、同社の主力DNA医薬品候補、VGX-3100の非盲検第2相試験で、高度扁平上皮内病変(HSIL)としても知られる高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)16型、18型が引き起こす前がん症状である肛門異形成の男性と女性患者の治療に安全かつ効果的であることを示す良好な中間結果が得られたと発表した。データレビュー時に結果が得られた20人の被験者のうち、治療開始後6カ月で50%(20人中10人)のHPV-16/18関連前がん病変が除去され、75%(20人中15人)の病変の数が概ね減少した。同臨床試験では、肛門がんの症例は観察されなかった。この結果は、VGX-3100には複数のHPV関連疾患を効果的に治療する能力があることを支持しており、米コルポスコピー・子宮頸部病理学会(ASCCP)年次総会のバーチャルセッションで「HPV16型または18型、あるいはその両型(HPV16/18)関連肛門HSILのVGX-3100を使用した治療の非盲検第2相試験の中間結果」と題して発表される。

肛門異形成あるいは肛門HSILは、免疫能のある集団と免疫不全の集団の両方の男性と女性が罹患する希少疾患である。HPV 16/18関連前がん性異形成の5人に1人未満は、1年で自然治癒する。適切な治療をしなければ、HSILは肛門がんに進行する可能性がある。HPV 16/18は肛門がん全体の90%以上の原因となっており、これは現在、がんの発症と死亡の最も急上昇している原因の1つと考えられている。米国がん協会によると、2020年に肛門がんは米国で1300人以上の命を奪い、8590人(女性5900人、男性2690人)が新たに肛門がんと診断されるだろうという。Journal of the National Cancer Instituteに2019年11月発表された研究によれば、2001年から2015年に肛門がんの全発症率は年間2.7%増加(incidence )、死亡率は毎年3.1%上がった(increased by 2.7% per year and mortality jumped by 3.1% each year )。

INOVIO副社長で、HPV治療臨床開発責任者であるプラカシュ・ブーヤン医学博士は「こうした初期概念実証有効性結果は、VGX-3100には、前がん性肛門異形成を引き起こすHPV 16/18 HSILを免疫システムに除去させる潜在力があることを示しており、高リスクHPV関連前がん性子宮異形成を対象とする当社のVGX-3100第2b相有効性研究の結果とも一致する」と語った。

現在、肛門異形成の治療法は、外科的切除、電気焼灼またはレーザー療法である。こうした侵襲的オプションで治療された患者の最大50%が、治療後1年以内に疾患の再発を経験、70%近くが3年以内に再発を経験している。このため、こうした症状の患者の多くが複数の侵襲的治療を必要としている。

VGX-3100の肛門異形成に対する安全性と有効性のポイント

*VGX-3100の最初の20人の被験者は、VGX-3100の既知の安全プロファイルと一致する安全性結果を示した。薬物関連の深刻な有害事象はなかった。

*75%は治療の6カ月後に病変の数が概ね減少し、50%の被験者にはHPV-16/18関連前がん病変がみられなかった

*結果は、高リスクHPV関連前がん性子宮異形成を対象とするこれまでのVGX-3100第2b相研究でも実証されたように、DNA医薬品の概念実証をさらに支持するものである

ラバル大学産科・婦人科・生殖学部の元准教授で本臨床試験の調整主任研究員を務めたカナダ・ケベック市にあるCentre Medical Sante Femmeの婦人科医・肛門鏡医のセリーヌ・ブシャール博士は「今回の結果は非常に勇気付けられるもので、前がん性肛門異形成の治療において重要な一歩となる可能性を示すものだ。繰り返し何度も痛みを伴う外科的あるいは侵襲的治療の負担なしに病変を死滅させ、除去することができるDNA医薬品の登場は、標準的な治療を変え、患者に有意な利益をもたらすだろう。この研究を継続し、VGX-3100の潜在的利点についてより多くが分かることを期待している」と語った。

▽治験について

この非盲検・多施設第2相治験は、HPV-16型とHPV-18型、あるいはそのいずれかが引き起こす前がん性肛門異形成を患う成人におけるVGX-3100の安全性と有効性を評価するよう設計されている。ヒトパピローマウイルス(HPV)-16型とHPV-18型、あるいはそのいずれかに関連する組織学的に確認された肛門または肛門/肛門周囲の高度扁平上皮内病変(HSIL)のある、ヒトパピローマウイルス(HIV)陰性の23人の被験者が登録された。無関係の有害事象により、1人の被験者は中止となった。22人は第0日、第4週、第12週に、INOVIOのCELLECTRA(TM)5PSPスマートデバイスでVGX-3100を計3回分投与された。参加者は88週まで観察される予定。

▽INOVIOのHPV関連DNA医薬品臨床プログラムについて

この研究は、複数の臨床試験においてINOVIOのHPV関連DNA医薬品で実証された重要な臨床的有用性が基礎となっている。具体的には、子宮頸部異形成を対象とする第2相概念実証試験で、VGX-3100は高悪性度子宮頸部病変の退縮と根本的なHPV感染の除去において、107人中43人の患者で完全寛解を実証した。さらに、第1相試験でMEDI0457とPD-1チェックポイント阻害剤で治療された転移性HPV関連頭頸部がん患者4人のうち2人は、長期の完全寛解を2年以上にわたって経験した。最後に、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)に対するINOVIOのDNA医薬品、INO-3107のパイロット試験の結果、2人中2人の患者が腫瘍の再発がなく、手術を遅らせることができた。

▽VGX-3100について

VGX-3100は、HPV-16、HPV-18感染と子宮頸部の前がん性病変の治療のため第3相試験中のDNA医薬品である。INOVIOは、HPV関連の外陰部と肛門の異形成(HSIL)の治療薬としての有効性を評価する非盲検第2相臨床試験を行っている。VGX-3100は、子宮頸部のHPV感染に対する初の承認済み治療法と、前がん性子宮頸部病変に対する初の非外科的治療法になる可能性がある。VGX-3100は、感染を標的とし、前がん細胞の破壊を引き起こすHPV-16とHPV-18に対する特異的免疫反応を刺激することで機能する。組織学的に確認されたHPV-16/18子宮頸部異形成(CIN2/3またはHSIL)のある167人の成人女性を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照第2b相治験で、VGX-3100による治療は、対プラセボで統計的に顕著な子宮頸部異形成の退縮とHPV-16/18感染の除去をもたらした。最も一般的な副作用は注射部位の痛みで、重大な有害事象は報告されていない。VGX-3100は患者自身の免疫システムを利用し、リプロダクティブヘルスの喪失や心理社会的悪影響といった手術に伴うリスクの増加なしに、HPV-16とHPV-18の感染と前がん病変を除去する。

▽INOVIOのDNA医薬品について

INOVIOには現在、HPV関連疾患、がんや、コロナウイルスMERS、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の助成金を得ているCOVID-19を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品開発臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である最適化されたDNAプラスミドから成る。

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRA(R)は、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAやmRNAアプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったプラスミドは細胞本来のメカニズムによって固有のコード化抗原の生成に使用され、それが免疫反応を刺激する。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と製造の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性、忍容性である。

2000人以上の患者が様々な臨床試験において6000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たすDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

▽INOVIOについて

INOVIOは、HPV、がん、感染症関連疾患を患う人を治療、治癒、守るための精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの90%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、コロナウイルスMERSおよびCOVID-19の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーと協力者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局、GeneOne Life Science、HIV Vaccines Trial Network、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会に20%以上の女性がいる企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細は、www.inovio.com を参照。

▽問い合わせ先

メディア向け
Jeff Richardson
+1 267-440-4211
jrichardson@inovio.com

投資家向け
Ben Matone
+1 484-362-0076
ben.matone@inovio.com

ソース: INOVIO Pharmaceuticals, Inc.
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