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新型コロナウィルスの影響は?:アジア太平洋地域の不動産市場は2020年下半期にリバウンドが予想されるバリュー買いのチャンス

Colliers International
2020-03-09 12:11 2357
  • 2020年上半期に新型コロナウィルス感染症の拡大がピークを迎えると仮定すれば、アジア太平洋地域(APAC)の不動産市場は下半期には回復へ
  • アジアとオーストラリア全域のオフィス、産業用施設に投資チャンスが生まれる。中国本土では物流資産とデータセンターに注目。ホテルは、香港とシンガポールでリバウンドのチャンス
  • 中国本土、香港、シンガポール、日本におけるオフィス市場動向の変化は、テナントが新規契約交渉を有利に進め、新たな戦略を採用し、移転を検討するチャンスを生む
  • コリアーズ(Colliers)の調査は、中国本土の貸主が明るい見通しを維持していることを示している。需要は2020年下半期に回復する見込み

【香港2020年3月9日PR Newswire】

コロナウィルス感染症拡大で大きな打撃を受けたアジア太平洋地域の不動産市場が2020年下半期に回復の構えを見せていることが、世界的な大手不動産専門サービス・投資運用会社コリアーズ・インターナショナル(Colliers International)(NASDAQ:CIGI ); TSX: CIGI)が同ウイルスの影響を評価した2つの新たなリポートで明らかになった。

同調査によると、コロナウィルスの感染拡大が2020年上半期にピークを迎えると仮定すれば、現在の減速は、不動産投資家には魅力的な価格で資産を手に入れるチャンス、テナントには有利なリース契約交渉のチャンス、貸主には顧客との永続的な関係づくりのチャンスとなると予想。

コリアーズ・インターナショナル アジア地域のリサーチ代表 エグゼクティブ・ディレクター、アンドリュー・ハスキンス氏は「新型コロナウィルス感染症拡大の影響は2020年上半期、アジア全体のGDP成長に打撃を与え(オーストラリアはそれほどではない)、結果として投資用不動産の販売は軟化するかもしれない。とは言うものの、大流行が上半期にピークを迎えるなら、下半期にはセンチメントが急速に回復し、投資家にとり今が有利な価格で資産を購入するというチャンスを提供することになると予想している」と語った。

アンドリュー・ハスキンス氏は「コロナウィルス感染症拡大による経済的圧力は、イベント中止、旅行禁止、強制的な在宅勤務と相まって、多くの市場で上半期のオフィスリース活動を縮小させるかもしれない。テナント側からすると、これはより回復力のあり機敏な組織にとって有利なテナント契約交渉のチャンスが生まれる一方、それ以外の組織も事態が完全に明らかになるまで『様子見』姿勢を取ることができる」と述べた。

コリアーズ・インターナショナルが発表した2つのレポート「新型コロナウィルス:アジアパシフィック地域におけるテナント向け物件市場への影響」と「新型コロナウイルス: アジア・パシフィック不動産投資市場への影響」の主要アジア太平洋地域市場に関する主な調査結果と推奨は以下の通り。

中国本土市場は下落したが、なくなったわけではない

新型コロナウィルスの打撃がとりわけ大きかった中国本土では、資金繰りの苦しい資産保有者が価格予想により柔軟になる可能性があり、長期投資家に掘り出し物件を探すチャンスをもたらすとみている。コリアーズでは物流倉庫に注目している。コロナウィルスの拡大がオンラインショッピングをさらに加速し、物流スペースや、中国本土での在宅勤務実験で既に需要が急増しているデータセンターへの需要が増大するというのが背景である。

中国本土の700人以上の貸主、テナント、投資家を対象としたコリアーズ調査によると、テナントの45%が既に事業活動の落ち込みに直面しているにもかかわらず、賃料下落を予想している貸主はわずか29%で、全体として貸主側はコロナウィルス感染症の拡大があっても2020年により明るい見通しを持っている。ただし、オンラインショッピング、オンライン教育、オンラインゲーム、医薬品、ヘルスケアなど特定のテナントセクターはほとんど影響を受けておらず、売上増を達成する可能性すらある。貸主の認識とテナントの見通しのズレは明らかに思惑のズレは明らかに拡大傾向にあるものの、貸主は、既存テナントとの関係の維持及び強化のため、⾃ら積極的に連絡をとりはじめる。一方でテナントは、将来的な⼈材を確保するためにも、安全で清潔な職場を確保すべく、貸主と協⼒体制を構築する。

香港の大幅回復の可能性

香港の不動産市場のセンチメントは早ければ2020年第2四半期には回復すると予想されており、投資家にとっては価格修正の恩恵を受け、資産を割安で取得するチャンスである。香港でのリバウンドの狙い目は、区分所有のオフィススペース、周辺地域の一括オフィス、およびピーク時から約30%価格が下がったホテルである。改修用の産業資産は、依然として安定している。

香港は急激に景気が悪化している。しかし、賃料下落と下半期にセンチメントが急回復するとの見通しは、成長セクターにとって、より割安な賃料で事業を拡大する好機であることを示唆している。平均オフィス賃料は2020年に8%(中環(セントラル)では13%)低落し、下落が集中するのは上半期という予測を再確認する。コリアーズは、アジアの多くの都市で分散化を推奨しているが、大規模テナントには、香港では現在、空室率が上昇し、賃料が下落している中環を再検討するよう戦術的アドバイスを行っている。

シンガポールでの刺激主導の回復

コロナウィルスに対するシンガポールの強力な政策対応は、旅行者だけでなく投資家にも信頼感を植え付け、ホスピタリティー部門や小売部門への大流行の短期的影響はあるものの、安全な避難先の地位を確固たるものにした。下半期には大幅反発する可能性がある。投資家の狙い目は、長期的成長を見込んだホテル、主要な中心業務地区(CBD)オフィス、都市周辺のビジネススペースである。

テナントは在宅勤務と業務の分散化を導入したものの、シンガポールのコロナウィルスの影響は軽微である。テナントは賃貸スペースを長期的視野で捉え、テクノロジー導入の加速、ウエルネス認定ビル、「フレックス・アンド・コア」戦略、あるいはオフィス分散に重点的に取り組んでいくとみている。一方でコストを重視する入居者は、都市周辺で質の高いオフィススペースを好賃料で見つけることができる。

流動性と固定賃料が支える日本市場

日本では、コロナウィルスにより新規投資が一時的に減少する可能性もある。しかし、東京のオフィスは利回りゼロの債券と比べて高利回りで良好な価値を提供、近代的な物流倉庫の在庫の少なさが短期の供給増加を上回り、安定した賃料を保証する。厳しい価格下落は、コロナウィルス感染症拡大が観光旅行に影響を与える以前から供給過剰に直面していた小規模な地方のホテルに限定される。

東京の貸主は限られた供給と低い空室率の恩恵を受け続けているが、大阪では2022年に供給が再開されるまでリース活動は減速する見込み。賃貸活動の減速を考慮し、テナントにはリース契約をできるだけ速やかに更新し、政府のガイダンスに沿って通勤への依存度を下げるフレックス・アンド・コア戦略を模索するよう勧める。

オーストラリアはまれに見る中期成長見通し

豪州では、主要な地方都市の投資市場では新型ウイルス感染症拡大の影響が最も少なく、所得増が依然としてオフィスや産業用不動産の価格上昇に貢献している。そして、総体的にも、最近少なくなってきた中期的インカム・リターン向上を狙う機会が十分残されている。豪州、とりわけメルボルンはバイオ・ケミカル関連開発の世界的中心地であるため、投資家には同業界に対する新たな投資機会を模索することを推奨する。

オーストラリアは依然として、世界をリードする医療制度を備えた、クリーンで健康志向の高い国と見なされている。コロナウィルスはこれまで、テナント市場にほとんど影響を与えていない。グローバルな不確実性を考慮し、影響を受けたセクターのテナントの一部が、自信が持てるようになるまで長期の入居決定を見合わせる可能性はある。こうしたことから、コリアーズは当面の解決策としてのフレキシブル・ワークスペースの緩やかな需要増加に留意している。

コリアーズ・インターナショナルについて

コリアーズ・インターナショナル(NASDAQ: CIGI; TSX: CIGI は世界68カ国で展開し、主たるマーケットで1万5000人以上の企業家精神に富んだ専門家が協力し、テナント、オーナー、投資家のお客様の資産価値を最大化する専門家アドバイスを提供している大手総合不動産サービス・投資運用会社です。

ソース:Colliers International

(日本語リリース:クライアント提供)

ソース: Colliers International
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