【クアラルンプール(マレーシア)2019年8月23日PR Newswire=共同通信JBN】サンウェイ大学(Sunway University)学長のジェフリー・チア博士と元英保健相のアラン・ミルバーン・ランカスター大学学長はこのほど、サンウェイ大学にFuture Cities Research Institute(未来都市研究所、FCRI)を開設した。
FCRIは、サンウェイ大学とランカスター大学の間の既存の強みと研究協力の上に築かれた共同コラボレーションである。研究所は、ジェフリー・サックス持続可能な開発センターの研究を補完し、マレーシアでの持続可能な都市環境の開発におけるサンウェイの先駆的なリーダーシップと、「都市と周辺の後背地」の研究に対するランカスターの広範な実績と国際的評価を活用する。
サンウェイ大学副学長のグレーム・ウィルキンソン教授は、次のように語った。
「われわれはサンウェイとランカスターのパートナーシップを新たな段階に移行させつつあり、今回のコラボレーションも研究分野にまでしっかり拡大させた。共同で設立したFuture Cities Research Instituteは、人類が直面している最大の課題の1つ、すなわち将来、都市をより住みやすく持続可能なものにする方法に焦点を当てていく」
「2050年までに、欧州と北米の人口の80%以上とアフリカとアジアの人口の60%以上が都市に住むようになり、総人口は約67億人になると予測されている。従って、われわれが都市化の課題を初の共同研究機関の焦点に据える選択をしたのは完全に適切だった」
FCRIは、革新的で機動的な研究ポートフォリオを開発し、都市環境が直面している解決困難な課題に向き合い、そのコンテキストにとって適切な重要かつ大胆な変化を実現させる。質の高い学際的研究を活用し、健康的な暮らしのためのデザイン、人間本位のインフラ、夜間の都市環境と都市の食料安全保障といった新たな研究分野を検討する。
持続可能な開発に関する研究を拡大するのに、今ほど適した時はない。都市部は世界中で驚くべき速度で拡大しており、国連(UN)は都市の将来を重大な懸念事項として強調している。FCRIが実施する学際的な研究は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の多くを満たすことになろう。
チア博士は「サンウェイでのわれわれの研究は、SDGsの実現は政府だけの責務ではないとの認識によって推進されている。それには社会の全部門 - 民間部門、学界、市民社会、そしてもちろんすべての個々人のコミットメントが必要になる。われわれは皆、共にあるのだ」と語った。
チア博士は、マレーシアの大手都市コミュニティーマスタープランナーであるサンウェイグループの創業会長でもある。同グループは、サンウェイシティ・クアラルンプール、サンウェイシティ・イポー、サンウェイ・イスカンダルなど、マレーシア全土で5000エーカーを超える総合タウンシップを開発することで、都市のライフスタイルを再定義してきた。博士は、同国で多くの持続可能な開発イニシアチブを推進している、国連のSustainable Development Solutions Network Malaysia(SDSN Malaysia)支部の支部長でもある。
サンウェイ大学は、スマートで健康的な都市と持続可能なコミュニティー開発に研究的関心を抱いている。その計画の一環としてFCRIの研究者は、サンウェイシティ・クアラルンプールを「生きた実験室」として活用しようとしている。サンウェイシティは、鉱山の跡地から生まれ変わった同グループの800エーカーのタウンシップであり、マレーシア・グリーンビルディングインデックスの認定を受けた初の持続可能なタウンシップである。
アラン・ミルバーン氏は「サンウェイとランカスターのFuture Cities Research Instituteは、今世紀、世界が直面している重要な問題のいくつかに取り組んでいく。その過程で、サンウェイとランカスターという2つの素晴らしい組織の間により強い絆が生まれる一助となることを期待している。ほぼ15年近い、見事な関係だ」と語った。
そして、「ランカスターは、このパートナーシップを非常に誇りに思っている。これまでの進展を喜んでおり、新しい研究所ではこのパートナーシップを次のレベルに進める強力な手段を手に入れられると信じている」と続けた。
FCRIは、デジタル都市、持続可能な都市、居住可能な都市の幅広い研究テーマを支援することを通じた、未来の都市開発のアジェンダづくりとサンウェイとランカスターの関係の深まりにおける、論理的な「次のステップ」である。その核となる使命の1つは、関連分野を専門とする博士課程の学生を訓練し、力を与えることである。
FCRIの博士課程の学生は、ランカスターとサンウェイのスタッフによって共同で監督される。英国とマレーシアが持ち回りで企画するサマースクールが毎年開催され、研究スキル、出版、市民参画、起業家精神、イノベーション、問題解決、プロジェクト管理など幅広い開発活動に関するワークショップが共有される。
共同研究がグローバルな利益に与える影響を最適化するため、「Tan Sri Dr Jeffrey Cheah World Symposium on Cities of the Future(未来の都市に関するジェフリー・チア博士ワールドシンポジウム)」も2年に一度開催され、関連分野の一流の科学者や学者、ビジネス界のメンバー、政府機関が参加する 。
開設に当たり、ランカスター大学エンゲージメント担当副学長代理のスー・ブラック教授が「Tackling the Challenges of Cities of the Future(未来の都市の課題への取り組み)」について語り、サンウェイ大学理工学部副学部長(研究)兼Research Centre for Carbon Dioxide Capture and Utilisation所長のモハメド・ケイレディーン・アロウア教授が「Membrane Technology for Safe and Sustainable Drinking Water Supply in Smart Cities(スマートシティでの安全で持続可能な飲料水供給のための膜技術)」について述べた。
Photo - https://photos.prnasia.com/prnh/20190820/2556450-1?lang=0
ソース:Sunway University
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