【上海2018年9月5日PR Newswire】MicroPort Scientific Corporation(以下、「MicroPort(R)」、HK:0853)は4日、TARGET ACと呼ばれるマルチセンター無作為化制御試験を実施した同社のFirehawk(R)Rapamycin Target Eluting Coronary Stent System(Firehawk(R)ラパマイシン標的溶出冠動脈ステント・システム、以下「Firehawk(R)」)の臨床試験結果が、ランセット(The Lancet)オンライン版に公表されたと発表した。ランセットは現在、医学・一般・内部案件のカテゴリーの154誌の中で第2位にランクされている世界的医学誌である。ランセットのFirehawk(R)に関する記事の題は「限局性の反管腔側溝、低用量シロリムス溶出、生物分解性ポリマー冠動脈ステント(TARGET All Comers)による標的療法:マルチセンター、オープンラベル、無作為化非劣性試験」である。
TARGET AC試験は、完全に欧州を本拠とする患者からなるプロスペクティブ、マルチセンター、無作為化制御試験である。この臨床試験は2015年12月に最初の患者を登録し、2016年10月に最後の患者の登録を完了した。英国、フランス、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダ、ポーランド、ドイツ、オーストリア、デンマークなどの国々を含む欧州全体の21の臨床研究サイトから合計1653人の患者が登録された。
Firehawk(R)は12カ月の標的病変不全(TLF)率が6.1%、Xienceステントファミリーに代表される対照群(control arm)は5.9%(pnon-inferior=0.004)で、主要非劣位エンドポイントを達成した。2つのステント間にTLF成分の統計学的有意差は観察されなかった。また、Firehawk(R)ステントおよびXienceファミリー・ステントの埋め込み12カ月後に観察されたデータは以下の通り:心臓死(1.2%対0.9%、p=0.60)、標的血管に関連する心筋梗塞(MI)(4.5%対3.9%、p=0.59)、虚血性標的病変血管再開通(TLR、1.2%対2.4%、p=0.08)、ステント血栓症発生率(ARC定義、1.2%対1.2%、p=0.99)。注目すべきことは、TLRレートはFirehawk(R)ステント・グループでは低く、ステント血栓症発生率ではFirehawk(R)およびXienceのステントはいずれも同じだった。
筆頭著者であるエール大学医学部のアレクサンドラ・ランスキー教授は「TARGET ACは、低用量シロリムス溶出、生物分解性ポリマーDES(薬剤溶出性ステント)であるFirehawk(R)が広範囲の患者および複雑な病変にわたって安全で有効であることを確認するものだ」と語った。
MicroPort(R)の創業会長兼最高経営責任者(CEO)であるジャオフア・チャン博士は「中国製の薬剤溶出性ステントの臨床データがランセットのような一流医学誌に発表されたのは初めてであり、これはMicroPort(R)による画期的業績である。Firehawk(R)の臨床結果がそのような厳密な査読された刊行物で検証されたことにより、臨床医および患者は、冠動脈疾患患者の治療にあたりFirehawk(R)の安全性および有効性に万全の信頼を置くべきである。われわれは、Firehawk(R)ステントが今後、数百万の患者を救うために世界中で使用されることを強く信じ、また期待している。MicroPort(R)は企業として、患者の寿命を延ばす上で健康と長寿への絶え間ない要求に応える革命的な医療技術ソリューションの開発と提供の最前線にあり続ける」と述べた。
Firehawk(R)は冠動脈疾患患者治療のために開発されたMicroPort(R)の3世代薬剤溶出性ステントである。Firehawk(R)の独創的なイノベーションは、薬物および生物分解性ポリマーが、ステント・ストラットの反管腔側でレーザーカットされた微小溝から溶出される設計である。全ての溝の総表面積は、ステント・ストラットの総表面積の5%未満であり、一方、ステント表面積の95%は地金のままである。この標的溶出設計により、Firehawk(R)は「クラス最高」の薬剤溶出ステントと同じレベルの臨床効果を達成することができるが、薬物用量は最も少ない。さらに、Firehawk(R)は、薬剤溶出ステントに固有の後期血栓症の弱点を克服する一方で、地金ステントに匹敵する長期的安全プロファイルを維持する。
後期血栓症は、患者にとって非常に危険な症状であり、一旦発症すると死亡率は50%と高くなり得る。ステントから冠状動脈の動脈壁に薬物を送達することは有益、有害の両方でありうる。再狭窄および後期血栓症の両方を解決することは、インターベンショナル心臓専門医が10年以上にわたり挑戦してきたジレンマだった。Firehawk(R)からの標的溶出というこのコンセプトは、再狭窄防止のため最低量の薬剤を送達する一方で極めて低い血栓症発生率を示すことにより理想的な解決策を提供することがいまや臨床的に証明されている。
2017年末時点で、Firehawk(R)を含むMicroPort(R)が製造した約450万の冠動脈ステントが世界中で350万人超の患者に埋め込まれてきた。Firehawk(R)は現在、世界の36カ国・地域で使用承認を得て販売されている。
MicroPort(R)は、Firehawk(R)ステントを埋め込んだPCI患者向けDual Anti-Platelet Therapy(DAPT、抗血小板薬2剤併用療法)の短縮効果と安全性を評価するTARGET Short DAPT Studyの開始に伴い、Firehawk(R)ステントをサポートする強力な臨床プログラムを引き続き推進する予定である。TARGET DAPTの登録は、2020年上半期までに完了する予定。
ソース:MicroPort Scientific Corporation