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シンガポール、2025年12月6日 /PRNewswire/ -- ZTE Corporation(0763.HK / 000063.SZ)は、統合情報通信技術ソリューションを提供する世界有数のプロバイダーとして、同社の最高開発責任者であるCui Li氏が、Economist Groupのシンクタンク部門であるEconomist Impact主催の「AIイノベーション・アジア2025」に登壇したことを発表しました。
パネルディスカッション「AIはいかに貢献するか?エージェンティックAIとカスタマーエクスペリエンス(How May AI Help You? Agentic AI and the Customer Experience)」において、Cui Li氏は、ZTEにおけるエージェンティックAIの戦略的ビジョンを共有し、同社全体の顧客体験とオペレーションモデルが既にどのように再構築されているかを示しました。また、同氏はレジリエンスの強化、監視とアカウンタビリティの向上におけるその役割を強調し、企業が今からエージェンティックAI時代に備える必要性を訴えました。
Q1:状況設定 – エージェンティックAIは貴社の業界における顧客体験にどのような影響を与えていますか?
エージェンティックAIは、ユーザー体験を再定義しています。それはUIデザインにとどまらず、応答から理解、さらには共創にまで及んでいます。ZTEでは、「AI for All」戦略のもと、エージェンティックAIをネットワーク、コンピューティング、ホーム、個人デバイスという4つの重要分野に統合しています。
例えば、Nebula Telecom Large Model、ビッグデータ、デジタルツインという3つのエンジンにより、レベル4以上の自律型ネットワークを実現しています。実運用においては、ZTEとChina Mobileが共同でマルチエージェントを開発し、ネットワーク障害を検知して自己修復を可能にすることで、トラブルシューティング時間を47%削減しました。
Q2:戦略的変革 – エージェンティックAIによってデジタル自律性が高まることで、組織がレジリエンスと適応力を構築する方法はどのように変わるのでしょうか?
現在、私たちは極めて不確実性の高い時代に直面しています。この状況では、常に「終わりを思い描くこと」から出発し、不確実性の中から安定性を追求し、いわばスノーボール効果のように強固な護りを築くことが求められます。また、変化を見極め、即座に方向転換できるアジャイルな姿勢を維持し、機械のような組織から、有機的で適応的な組織へと進化していく必要があります。
さらに、AIが私たちを真にどのように支援できるのかを理解しなければなりません。大規模AIモデルは、すでに博士号レベル、あるいはそれを超える性能を発揮しています。エージェントは、記憶やツールを統合することでさらに一歩先へ進み、モデルの実世界アプリケーションとして機能します。そしてエージェンティックAIは、複数のエージェントを連携させ、より複雑で時間のかかるタスクを自動化することができます。もちろん、これは理想的な姿です。実際のところ、エージェントもエージェンティックAIも、まだ非常に初期段階にあり、多くの技術的課題に直面しています。しかし、AIの急速な発展を踏まえると、近い将来には解決策が確立されると確信しています。
そして、AIは長期的に活用し続けてこそ、その効果を発揮できると考えています。知能は、デジタルとネットワークの基盤の上に構築されます。デジタルトランスフォーメーションなくして、企業が真にインテリジェント化を達成することはできず、ましてやレジリエンスや適応力を高めることはできません。それはまるで、歩く前に走ろうとするようなものです。さらに、インテリジェント化には、ナレッジエンジニアリング、プロセス再構築、そしてAIマインドセットが必要であり、これは短距離走ではなくマラソンであると言えます。
ZTEでは、2016年にデジタル化の取り組みを開始し、2022年にはインテリジェント化へと移行しました。私たちの経験は次のとおりです。まずインフラを整備しつつ、ハードウェアとソフトウェアのバランスを確保すること。全員の認識を揃えるために、トップダウンで体系的な計画を実施すること。破壊的なブレークスルーは小さな一歩の積み重ねから生まれるため、継続的な投資を行うこと。そして最後に、高い価値を持つ具体的なシナリオから着手し、不確実性に対応しながら迅速に反復改善していくことです。
Q3:監督とアカウンタビリティ – AIシステムがより自律的に意思決定を行うようになる中で、企業はどのように監督を維持し、アカウンタビリティを確保し、デジタル主権を守ることができるのでしょうか?
要するに、人間をプロセスの中心に置き続けることです。設計、レビュー、意思決定、監督といったタスクは、最終的な責任を負う人間が担う必要があります。自動化はあくまで手段であり、目的ではありません。人間が本当に懸念すべきなのは、置き換えられることではなく、このプロセスから後退したり、関与しなくなったりすることです。
すべての物事には表裏があり、これらのモデルも同様です。汎化能力、創発的能力、継続的な進化、確かにこれらはゲームチェンジングなテクノロジーの特長です。しかし同時に、幻覚生成やブラックボックス化といった問題を本質的に内包しています。加えて、人間には社会的知性や倫理性があり、これはAIが決して真に習得できるものではありません。本質的に、AIは統計モデルの上に構築されており、現実世界の常識を欠いています。ましてや、人間が行うような複雑なトレードオフを判断することはできません。
さらに重要なのは、AIをビジネスに導入する際には、ノウハウとの深い統合が不可欠であるということです。正確性、セキュリティ、コンプライアンス、責任分担といった要素を考慮し、ワークフローやKPIも踏まえる必要があります。ZTEの実践的な経験に基づき、いくつかのヒントを提供したいと思います。第一に、企業は自社のナレッジエンジニアリングと業界特化型の大規模モデルを開発し、加えてRAGやデジタルツインを活用することで、専門性と信頼性を担保すべきです。第二に、エージェントが解決すべき具体的な課題を明確にすることです。画一的なエージェントは、結局どれも中途半端になりがちです。第三に、エージェントとワークフローを使い分ける判断が重要です。エージェンティックAIは実行経路が可変な複雑タスクの処理に適していますが、ワークフローは予測可能性の高いシナリオにおいて、より高精度かつ効率的に機能します。最後に、コスト効率とセキュリティの両立を図るため、エッジ・クラウド・エンド間の連携を可能にすることが重要です。そして、これらすべての重要要素の中でも、AIを正しい方向へ導き、真の価値を創出するのは依然として人間であることに変わりはありません。
Q4:将来の展望 – エージェンティックAIは、タスクベースの自動化から統合的なビジネスパートナーへとどのように進化していくとお考えですか。また、企業がエージェンティックAIに備えて将来の競争力を確保するために、今すぐ取るべきアクションは何でしょうか?
技術的な観点から言えば、エージェントやエージェンティックAIは、能動的に働くデジタルワーカーと捉えることができます。単純または反復的なタスクを超えて、ワークフロー全体を連結し、認知的自動化を実現し、さらには自己進化さえ可能にします。エージェントは現在、構造が明確で情報量が多く、耐障害性があり、明確なフィードバックループを備えたシナリオにおいて効果的に機能しています。しかし、実際の環境がより複雑またはリスクの高いものになると、実験室の段階で行き詰まることが多いのが現状です。こうした理由から、先ほど申し上げたように、エージェントとエージェンティックAIは依然として初期段階にあります。今後1~2年は、主に垂直産業分野に焦点を当てることになります。その後は、より高い自律性を持って複雑なタスクに取り組み、汎用性と適応性を高め、学習と進化が可能な方向へ発展していきます。エージェントは現在、非常に速いスピードで進化しています。先月発表されたばかりのGemini 3は、SOTA(最先端)の推論、マルチモーダルな理解、エージェント機能により、AIモデルの新たな基準を打ち立てました。
企業にとって、AIを受け入れることは唯一の道だと私は考えています。AIの導入は、単にAPIに接続することではなく、プロセス、組織構造、チーム体制そのものの再構築につながるのです。企業はまず、中長期的な計画を策定し、技術や市場の変化に追随できる柔軟性を備える必要があります。次に、高い価値を持つ自社特有のビジネスシナリオから着手し、迅速に反復改善していくことが重要です。そうすることで、初めてAIを真に使いこなすことができます。また、AIは私たちの人材戦略にも大きな変革をもたらしています。将来において最も重要となるのは、この技術を前進させるAI専門家、イノベーションを促進し効率を高めるAIパワーユーザー、そして高度な思考力と健全なマインドセットを備え、AIを超えて価値を創出する人材という3タイプの人材です。最後に、AIの力を最大限に引き出すためには、企業は自らの組織を再構築し、「人間とAIの共生」という未来を見据えた計画を立てる必要があります。
AIイノベーション・アジア2025は、企業リーダー、テクノロジーの先駆者、政策立案者を結びつけるハイレベルな対話プラットフォームです。15のテーマ別セッションと40名以上の業界専門家による知見を中心に、生成AIやエージェンティックAIといった先端技術の商用化ルートに焦点を当て、企業が技術的洞察を具体的な成長へと結び付け、アジア太平洋地域の複雑な市場環境において持続可能なデジタルトランスフォーメーションを推進できるよう支援するプラットフォームです。
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