チュラの研究者たちは、石油ベースのエネルギーの代替と、人間の健康と環境への影響軽減を目指し、飼料草を微生物の餌として得られた脂肪をジェット燃料に変換した。
【バンコク2024年4月23日PR Newswire=共同通信JBN】チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)理学部植物学科教授のWarawut Chulalaksananukul博士と助教のChompunuch Glinwong博士が主導する研究プロジェクト「バイオジェット燃料合成用の微生物脂質生産のスケールアップ技術開発」は、将来増大するエネルギー需要を支える脂肪蓄積とバイオジェット燃料生産用として高い潜在力を有するサッカロマイセス・セレビシエ酵母(CU-TPD4株)の分離に成功しました。
「S・セレビシエは、『一般に安全であると認められる(GRAS)』微生物に分類され、食品産業で長年、使用されてきたことが知られています。しかし、脂肪の工業生産に使われたことはありません」
「バイオ燃料生産の原料として油性酵母を使用することには、油脂源として植物を使用することに比べ、いくつかの利点があります」。酵母はライフサイクルが短く、さまざまな食品で培養でき、安価で労力もほとんどかかりません。いつでも培養でき、生産拡大も簡単です。人体にも環境にも安全です。さらに、同プロセスでは農業廃棄物も利用するため、循環型経済の推進や農業廃棄物の焼却による大気汚染問題軽減の一環にもなります。
本プロジェクトは、National Research Council of Thailand(タイ国家研究評議会)から資金提供を受け、Nuttha Chuengcharoenpanich博士、Wannaporn Wattanasunthorn博士、Thanapong Tangwanaphrai氏という植物学科の3人の博士課程の学生、および国立科学技術開発庁傘下National Center for Genetic Engineering and BiotechnologyのSurisa Suwannarangsee博士の協力を得ています。同チームは、中国科学院広州エネルギー研究所(GIEC)のZhongming Wang教授やWei Qi教授といった中国の研究者とも協力しました。
本研究には、パンやアルコール、その他の食品だけでなく油脂製造にもCU-TPD4酵母の醗酵を拡大するチャンスと考えた、ドイツのハンブルク工科大学(TUHH)やフランスのトゥールーズ・バイオテクノロジー研究所(TBI)などの研究者も関心も寄せています。
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