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ジュネーブ, 2023年10月27日 /PRNewswire/ -- 世界脳卒中機構（World Stroke Organization、WSO）は、各国政府と医療制度に対し、WSO-Lancet Neurology Commission（WSO・ランセット・ニューロロジー委員会）の新たな報告書に掲載された脳卒中予防に関する提言の実施を呼びかけています。同委員会の報告書は、調査データ、ガイドライン、専門家へのインタビューを包括的に検討した結果、脳卒中が2050年までに50％増加し、年間970万人の命が奪われると予測しています。脳卒中死の90％以上が低・中所得国で起きるとみられています。
高血圧や糖尿病など脳卒中危険因子保有者が若年層に広がったことで、若年層や中年層（55歳未満）の脳卒中発症率が上昇しており、世界全体のコストは2050年までに2兆3100億米ドルに膨れ上がるとみられています。脳卒中死同様、脳卒中関連障害の有病率も、高所得国より低・中所得国の方が速いペースで増加しています。
WSO会長のSheila Martins教授は「脳卒中による死亡や障害が引き起こす惨状は、避けられないものではありません。脳卒中は予防できる可能性が高く、高血圧、心房細動、喫煙、運動不足、糖尿病、高コレステロール、タバコやアルコールの使用など、簡単に特定できる危険因子があります。こうした管理可能なリスクは、脳卒中全体の約90％を占めています。簡単に実施でき、命を救えると分かっている、明確で費用対効果の高い提言や介入があるのです。WSOは、脳卒中の負担を劇的に低減できる首尾一貫した脳卒中の全国調査と予防戦略を各国政府が策定・実施できるよう、技術的支援を提供することを約束しています。それは可能であり、不作為の代償はこれ以上待つにはあまりにも大きすぎます。世界が今すぐ、行動を起こす必要があります」と訴えています。
委員会報告書の主な提言には、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの一環として、一次および二次脳卒中予防のための低価格医薬品を入手しやすくすることが含まれており、財源としてタバコ、アルコール、砂糖への課税が考えられるとしています。公衆衛生人材の育成も強調されており、高度な訓練を受けた医師や看護スタッフから、個人が自身の脳卒中リスクを特定、対処する際に関与・支援ができる、訓練を受けた地域医療従事者への、プロトコルに基づく役割分担・移行の実施に重点が置かれています。また、スタッフの定着率を高め、地方移住を促すため、金銭的インセンティブも提供されるべきだとしています。報告書は、脳卒中予防に関するヘルス・リテラシー向上に向けた行動も推奨しています。
▽メディア問い合わせ先
Anita Wiseman
Campaign Manager WSO
awiseman@world-stroke.org
+44 794 0029 444
【編集者注】
1.世界脳卒中機構（WSO）は、脳卒中に特化した唯一の世界的組織です。世界各地域に約3000人の個人会員と100を超える学会会員を擁するWSOは、臨床、研究、地域社会の5万5000人以上の脳卒中専門家を代表しています。
2.WSO・ランセット報告書は、脳卒中の予防、急性期治療、リハビリに関するデータ、障壁、提言、研究ギャップを提供しています。提言の全文は以下でご覧いただけますwww.thelancet.com/commissions/global-burden-stroke
3.WSO・ランセット・ニューロロジー委員会は、世界脳卒中機構、ビル＆メリンダ・ゲイツ財団（Bill and Melinda Gates Foundation）、ニュージーランド保健研究評議会、オーストラリア国立保健医療研究評議会から資金提供を受け、米国立衛生研究所の支援を受けました。本研究は、世界脳卒中機構・ランセット・ニューロロジー委員会脳卒中共同研究グループの研究者により実施されました。著者と所属機関の全リストは報告書でご覧になれます。
4.世界脳卒中デーは、2006年に世界脳卒中機構により制定され、毎年10月29日を記念日としています。この日は、WSOが年間を通じて行っている啓発キャンペーン活動のハイライトです。キャンペーン情報は、www.worldstrokecampaign.org でご覧いただけます。
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