G7 広島サミットに向けた、教育を後回しにはできない基金( Education Cannot Wait/ ECW )のヤスミン・シェリフ事務局長による声明
ニューヨーク, 2023年5月17日 /PRNewswire/ -- 今年日本で行われる G7広島サミット は、世界各国の首脳が「法の支配に基づいた国際秩序を支持し、グローバルサウスに手を差し伸べる」チャンスです。教育には、人権を守り持続可能な開発を確保する国際的な取り組みにおいて私たちすべてを団結させる力があります。そのため、 G7 のアジェンダの中心に教育を据える必要があります。
日本の画期的なリーダーシップにより、 G7 サミットにおいて、核軍縮・不拡散、強靭な経済と安全保障、気候とエネルギー、食料、保健および開発といった相互に関連したいくつもの世界的危機に取り組むことが確実となっています。 教育を後回しにはできない 基金 (ECW) は、 緊急事態や長期化する危機下の教育支援のための国連の基金です。 ECW を通じて、緊急事態および長期化する危機下での教育に投資することで、 G7 は、複合的な危機への的を絞った、また危機に適切に対応した投資を行うことができます。
ECW 事務局長である私は、日本を先日訪問しました。訪問を通じて、 ECW およびそのパートナーの今後 4 年間の戦略計画の実施に対する支援について、日本政府の関心が高まりつつあることに私は感銘を受け、勇気づけられました。 G7 サミットに先立ち、 ECW は日本およびすべての G7 のリーダーに対して、緊急下の教育への資金拠出を優先事項とするよう呼びかけます。私たちが共有する未来への投資ほど大切な投資はありません。
教育は、強靭な経済、社会的結束、そして人間の安全保障を推進するための重要な原動力です。教育を受け、技能を持った労働力に投資することにより、今日だけではなく将来に向けても、更に大きな経済成長、平和および安全保障に投資していることになるのです。女子にとっての教育は特に重要です。女子の権利と教育に投資された US$1 は、 US$2.80 のリターンをもたらします 。 これは、何十億ドルもの GDP 増加に相当します。
2050 年までに、南アジア、サハラ以南のアフリカおよびラテンアメリカの 1 憶 4 千万人もの人々が気候変動により移住を余儀なくされる可能性があります。気候変動に対する行動と教育に対する行動を共に連携して実施することで、気候変動のリスクを減少させ、レジリエンスを高め、大規模な洪水、気温上昇、海面上昇ならびその他の命に関わる大規模な災害による影響から、この地球を守るチャンスを得られるのです。
アフリカ等の国々おいては、頻繁に起こる干ばつやその他の気候関連の危機により、飢餓や強制移住が急増しています。特にそうした国々にとって、ウクライナでの戦争は、食糧危機をこれまで以上に危険で苦痛なものとしました。飢餓への対応には、学校給食が欠かせません。また、飢えのない世界そして地球上の全ての子どもたちの健康およびウェルビーイングという私たちの目標達成にとっても、学校給食は不可欠です。十分に食べられること、健康であること、そして教育を受けられることは、子どもたちが生まれながらに有する人権であり、そのために取り組むことは、国境を越えて、私たちの義務なのです。
持続可能な開発に関して人間中心のアプローチを取るに当たり、総合的な教育機会を子どもたちに確実に提供する必要があります。総合的な教育機会には、メンタルヘルスや心理社会的サービス、安全で保護された学習環境、保健医療ならびに衛生へのアクセス、その他「ホール・チャイルド(全人的な)」に基づく取り組みが含まれます。
教育に投資すること、特に武力紛争、強制移住および気候災害などにより最も取り残された 2億2,200万人 に上る危機の影響を受けた子どもたちのための教育に投資することで、 G7 のリーダーは、歴史に名を残し、普遍的な価値および人権に基づいた新しい世界秩序を築き上げるチャンスを得ることができるのです。
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