omniture

ファーウェイのRyan Ding氏:新たな価値へのグリーンICT

Huawei
2022-07-21 08:55 1309

【深セン(中国)2022年7月21日PR Newswire=共同通信JBN】Win-Win·Huawei Innovation Weekの2日目に開催されたGreen Development Solution Launch(グリーン開発ソリューションの立ち上げ)で、ファーウェイ(華為技術)のキャリアービジネスグループのRyan Dingプレジデントは「Green ICT for New Value(新たな価値へのグリーンICT)」と題された同氏の基調講演で通信事業者がエネルギー効率を優先するよう強調し、エネルギー効率の規格化ならびに業界にわたる指標システムの確立を呼び掛けた。

Ding氏は「歴史上の大きな進歩はすべて、情報伝送のエネルギー効率の大幅な向上を伴ってきた。データ通信の爆発的な増加による炭素排出量の増加は、今後5年から10年の間に取り組まなければならない世界的な問題になるだろう。エネルギー効率の向上こそ、今後われわれが取り組むべき道である」と述べた。

Win-Win·Huawei Innovation Weekの2日目にスピーチするRyan Ding氏
Win-Win·Huawei Innovation Weekの2日目にスピーチするRyan Ding氏

第三者機関の調査によると、デジタルサービスから発生するデータトラフィックは2030年までに2020年比で13倍に増加すると予想されている。これは、エネルギー効率の改善が行われない場合、ICT産業のエネルギー消費量と炭素排出量が2.3倍に増加することを意味する。ITU(国際電気通信連合)によると、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)パリ協定の目標を達成するためには、ICT業界は2030年までに炭素排出量を少なくとも45%削減する必要がある。

Ding氏は「われわれは今、前例のない困難な課題に直面している。ますます多くの産業がデジタルに転換すると、データへのニーズが大きく高まり、それはエネルギー消費が急増する結果になる。その一方、全世界は気候変動との戦いに取り組んでいる。ICT業界はカーボンピークとカーボンニュートラルを可及的速やかに達成しなくてはならない」と述べた。

エネルギー効率の改善は、3つの点で通信事業者にメリットをもたらす。まず、ユーザーの移行、サイトアップグレード、ネットワークの電力削減によりOPEX(事業費)を削減できる。第2に、エネルギー効率の向上は2G/3Gユーザーが4G/5Gに移行することを支援する。第3に、炭素フットプリントを削減する通信事業者の取り組みは環境にプラスの影響を与え、彼らがより良く社会的責任を果たすことに役立つ。

通信事業者がこうした目標を達成するために、ファーウェイは3層から成るソリューションを提案した。それはグリーンなサイト、グリーンなネットワーク、グリーンな事業である。第1に、高度に統合された設計を採用し、新素材を使用し、主要機器や電源ユニットを屋外に置くことで、ファーウェイは施設のエネルギー効率を向上させるソリューションを開発した。第2に、同社の簡素化されたネットワークアーキテクチャーにより転送を高速化し、簡素化されたオールオプティカルでインテリジェントなネットワークの構築をサポートしている。最後に、ファーウェイは運用レベルでエネルギー効率をより可視化・管理しやすくしながら、最適化ポリシーを生成・配布するソリューションを提供している。

これまで、こうしたグリーン開発ソリューションは100カ国以上の通信事業者向けに展開されてきた。例えばドイツでは、ファーウェイのPowerStarソリューションが分単位のエネルギー効率の自己最適化を実現し、エネルギー効率が大幅に向上した。スペインでは、ファーウェイの光クロスコネクト(OXC)ソリューションが顧客のバックボーンネットワークに導入され、エネルギー効率を81%高めてコストを29%削減した。トルコでは、ファーウェイは顧客に向けてグリーンサイトソリューションを展開した。機器室はキャビネットに置き換えられ、機器室とエアコンが不要になった。このソリューションにより、1サイトあたり年間1万9000kWhの電力が削減される見込みである。

ファーウェイとその通信事業者パートナーはすでに、ICTソリューションを用いて炭素集約型産業のエネルギー効率向上を支援することで、彼らの「カーボンハンドプリント(炭素の手形)」増加に協力して取り組んでいる。それによる排出量削減は、彼ら自身の排出量の10倍になる可能性がある。港湾、炭鉱、鉄鋼などの主要な炭素集約型産業では、すでに多くの成功事例がある。

Ding氏はスピーチの最後に、エネルギー効率を測定するベースライン確立に寄与するものとして、業界全体で統一された指標システムを構築し、ICT業界全体のグリーン開発の指針にすることを呼びかけた。Ding氏は「ファーウェイは通信事業者と協力し、グリーンICTで新たな価値を創造する用意がある」と述べ、スピーチを締めくくった。

ファーウェイが提案したNCIeエネルギー効率指標システムはITU-T SG5によって承認され、現在はパブリックコメントの段階にある。

Win-Win·Huawei Innovation Weekは7月18日から21日まで、中国の深センで開催されている。世界の通信事業者、業界専門家、オピニオンリーダーと共に、ファーウェイは5.5G、グリーン開発、コンピューティングネットワーク、デジタルトランスフォーメーションといったトピックに飛び込み、デジタルエコノミーにおける成功の共有を思い描く。より詳しい情報は(https://carrier.huawei.com/en/events/winwin-innovation-week )を参照。

 

ソース: Huawei