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サンアントニオ乳がんシンポジウム2021でElacestrantの良好なEMERALD試験結果を発表

Menarini Industrie Farmaceutiche Riunite
2021-12-09 19:36 1210

*試験はいずれの主要評価項目も達成、全患者集団、エストロゲン受容体変異(mESR1)群のいずれにおいても、内分泌療法の標準治療(SoC)と比較して、単剤療法で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示した

*elacestrantは全患者集団において、SoCと比較して、進行または死亡のリスクを30%低減

*elacestrantはmESR1群において、SoCと比較して、進行または死亡のリスクを45%低減

*12カ月後のPFS率は、全患者集団ではelacestrantが22.32%に対してSoCが9.42%、mESR1群では26.76%に対して8.19%だった

*fulvestrantと比較して、elacestrantは統計的に有意なPFSを示し、全患者集団では32%、mESR1群では50%、進行または死亡のリスクを低減

*こうした結果により、elacestrantは主試験においてfulvestrantより高い有効性を示した初の経口SERDとなった

*Elacestrantは忍容性が高く、この患者集団における標準治療となり得る

フィレンツェ(イタリア)、ボストン, 2021年12月9日 /PRNewswire/ -- Menarini Group(「Menarini」)とRadius Health, Inc.(「Radius」)(NASDAQ:RDUS)(総称して 「両社」)は、8日のサンアントニオ乳がんシンポジウム (SABCS、San Antonio Breast Cancer Symposium)で良好な結果を発表したのに続き、EMERALD試験で得られたelacestrant(エラセストラント)のデータの詳細を明らかにした。本データは「Late Breaker(最新情報)」として発表され、Aditya Bardia医学博士が口頭で紹介した。

EMERALD試験(NCT03778931)は、多施設・国際・無作為化・非盲検・対照第3相試験で、ER+/HER2-の進行性乳がんあるいは転移性乳がん(mBC)の治療において、elacestrantの単剤治療をSoCと比較し評価した。本試験では、内分泌療法(ET)の治療歴が1-2回ある患者を登録した。全患者が、事前にETとサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤による治療を義務付けられた。化学療法は最大1ラインまで認められた。

EMERALDは、全患者集団における無増悪生存(PFS)とエストロゲン受容体1変異のある腫瘍を有する患者群におけるPFSという、2つの主要評価項目を達成した。

ハーバード大学医科大学院マサチューセッツ総合病院がんセンターの乳腺腫瘍医で、EMERALD試験の治験責任医師を務めたAditya Bardia博士は「現在、治療歴のあるER+/HER2-の進行性あるいは転移性の乳がん患者は、以前の治療で内分泌療法に耐性ができているため、治療の選択肢が限られている」と指摘。「初の経口SERDであるElacestrantは、全患者集団およびESR1群におけるfulvestrantの筋肉内投与やSoCと比較した成績を考えれば、新たな標準治療となる可能性がある。経口単剤療法であるefficaciousは、患者やその家族、医療従事者にとって今後、有効かつ安全な治療オプションを提供することになるだろう」と続けた。

Menarini GroupのElcin Barker Ergun最高経営責任者(CEO)は「EMERALD試験の結果に大変満足している。本データは、乳がんの中でも最も治療が難しい部類に入る、ESR1変異のある腫瘍を含む進行性あるいは転移性の乳がん患者について、elacestrantが、2/3の治療に使われたfulvestrantやSoCと比較して、忍容性と有効性の高い経口オプションとなり得ることを示しているようだ。安全性、有効性でも良好な結果が得られたため、2022年に米国および欧州連合(EU)で承認申請を進める予定だ。この重要な臨床試験に参加してくれた全ての患者、家族、医療従事者に感謝している」とコメントした。

Menariniは、併用試験を続行するとともに、アジュバント療法など新たな治療法でも活動を開始し、elacestrantがER+/HER2-患者の最も高い満たされていないニーズに完全に対応できるようにする予定。elacestrantは2018年、米食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けた。

試験結果

全患者に、CDK 4/6阻害剤による治療が義務付けられた。さらに、患者集団の特徴として、患者の69.4%に内臓転移があり、22.2%が化学療法を受けていた。EMERALD試験では、全患者集団とmESR1群の両方で、SoCと比較したelacestrantの単剤投与のPFSを測定、いずれも主要評価項目を達成した。

▽全集団

*SoCと比較して進行または死亡のリスクを30%低減(HR=0.697 [95% CI: 0.552, 0.880]; P=0.0018)

*PFSの中央値の延長は、SoCの1.91カ月に対し、2.79カ月だった

*12カ月の時点で、PFSの確率はelacestrantが22.3%(95% CI: 15.2%, 29.4%)だったのに対し、SoCは9.4%(95% CI: 4.0%, 14.8%)だった

*fulvestrantと比較して、elacestrantは進行または死亡のリスクを32%低減(HR=0.684 [95% CI: 0.521, 0.897]; P=0.0049)

▽ESR1変異群

*SoCと比較して進行または死亡のリスクを45%低減(HR=0.546 [95% CI: 0.387, 0.768]; P=0.0005)

*PFSの中央値の延長は、SoCの1.87カ月に対し、3.78カ月だった

*12カ月の時点で、PFSの確率はelacestrantが26.8%(95% CI: 16.2%, 37.4%)だったのに対し、SoCは8.2%(95% CI: 1.3%, 15.1%)だった

*fulvestrantと比較して、elacestrantは進行または死亡のリスクを50%低減(HR=0.504 [95% CI: 0.341, 0.741]; P=0.0005)

▽いずれの患者群でも、内臓転移、治療歴の数、地理的領域など事前に指定した主要な患者群の結果は、全患者集団の結果と一致していた

EMERALD試験の主要な副次評価項目は全生存期間(OS)である。事前に実施した中間分析では、両患者群においてElacestrantがSoCを上回る傾向が示された。最終的な分析結果は、2022年末から2023年初めに出る予定。

安全性の結果

Elacestrantの忍容性は良好で、他のETと同様、安全性プロファイルも上々だった

*中止につながる治療中の有害事象(TEAE):elacestrant、SoCの両群ともまれだった(6.3%と4.4%)

*グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、elacestrantが7.2%、SoCが3.1%

*Elacestrantのグレード3以上の有害事象:吐き気、嘔吐、下痢がそれぞれ2.5%、0.8%、0%

現在、データの詳細な評価が行われており、追加の結果は査読付き専門誌で発表される予定。

▽Elacestrant(RAD1901)とEMERALD第3相試験について

Elacestrant(エラセストラント)は、Menariniがライセンスを取得した選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)で、ER+/ HER2-の進行性乳がん患者に1日1回投与する経口治療薬として使用できるかどうかの評価が行われている。EMERALDに先立ち完了している試験で本化合物は、乳がん治療において、単剤または他の治療法と併用使用できる可能性があることが示されている。EMERALD第3相試験は、ER+/HER2-の進行性/転移性乳がん患者のセカンドラインまたはサードラインの単剤療法としてelacestrantを評価する、無作為化・非盲検・実薬対照試験である。本試験には、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤を含むファーストラインまたはセカンドラインの内分泌療法の治療歴のある患者477人が登録された。本試験に参加した患者は、elacestrantを投与する群と、治験責任医師が選択した承認済みのホルモン剤を投与する群に無作為に振り分けられた。本試験の主要評価項目は、全患者集団およびエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)に変異のある患者群における無増悪生存期間(PFS)である。副次評価項目は、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)の評価である。

▽Menariniについて

Menarini Groupは、売上高42億ドル、従業員数は1万7000人を超える国際的な大手医薬品・診断薬企業である。Menariniは、満たされていないニーズの高い治療分野に重点を置き、心臓疾患、腫瘍、呼吸器疾患、消化器疾患、感染症、糖尿病、炎症、鎮痛用の製品を提供している。18の生産拠点と10の研究開発センターを有するMenariniの製品は、世界140カ国で販売されている。詳細については、www.menarini.com を参照。

▽Radiusについて

Radiusは、骨の健康、希少疾患、腫瘍分野の満たされていない医療ニーズへの対応に注力しているグローバルなバイオ医薬品企業である。Radiusの主力製品TYMLOS(R)(abaloparatide、アバロパラチド)注射薬は、骨折リスクの高い閉経後の骨粗しょう症女性の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。Radiusの臨床パイプラインには、男性の骨粗しょう症治療に使用できる可能性のある治験薬abaloparatide注射薬、閉経後女性の骨粗しょう症治療に使用できる可能性のある治験薬abaloparatide経皮薬剤送達システム、Menarini Groupにライセンス供与した、ホルモン受容体陽性乳がん治療薬として使用できる可能性のある治験薬elacestrant(RAD1901)、当初はプラダーウイリー症候群を標的とし、複数の内分泌・代謝系希少疾患で使用できる可能性のある治験薬、合成カンナビジオール内服液RAD011などがある。

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ソース: Menarini Industrie Farmaceutiche Riunite