【昆明(中国)2021年6月9日PR Newswire=共同通信JBN】生物の多様性に関する条約事務局(SCBD)と中国生態環境省は2021年6月6日、中国・昆明で「The business and finance journey to Kunming: We are part of the solution(昆明へのビジネス・ファイナンスの旅:われわれはソリューションの一部である)」のテーマの下に2021年Business and Biodiversity Forum(BBF、ビジネス・生物多様性フォーラム)の準備イベントを主催した。このイベントは、アイデアと解決策を共有するためのパートナーシップ招集を目的とした、UN Conference on Biological Diversity(生物多様性に関する国連会議)の一環として開かれた。アジア最大の乳業企業であるYili Group(伊利集団)はこのイベントで、2020年生物多様性保全年次報告書と2020年持続可能性報告書を発表した。同社は2018年以降、両方の分野での実践に関して報告している。
▽気候変動への対応と「カーボンニュートラル」な未来の実現
「カーボンニュートラル」と「炭素排出量のピーク」の達成は、人類の幸福に関する重要な課題となっている。Yiliは2010年現在、11年連続で炭素インベントリに取り組んでいる。UN 2030 SDGsへの対応として、Yiliは地球規模の気候変動の課題に対する解決策を提案してきた。Yiliは2019年、ISO14064 規格に従って、国家温室効果ガスインベントリに関するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)ガイドラインを独自のEHSQ管理情報システムに組み込むことにより、炭素インベントリの自動化に成功した。Yiliは11年間で651万トンのCO2排出量を削減し、107億kwhの電力を節約した。
▽砂漠の植林による野生生物の多様性の保護
Yiliの広報担当者、Su Yufeng氏は「Yiliは内モンゴル自治区にルーツを持つため、特に草地の生態に関心を持っている」と語った。頻繁な干ばつと過放牧のため、内モンゴルのアルホルチン旗は、広範囲にわたる草原の劣化と砂漠化という課題に直面している。この問題に対処するためYiliは、植樹と農畜産活動を利用した革新的なハーブ栽培モデルを提唱した。年間4万トン以上の高品質のメディックとオート麦の干し草を生産し、4万6000 ムー(1ムー=667 m2)の荒廃した牧草地を救うこのモデルは、砂漠化と闘い、地域社会に重要な社会的・経済的利益をもたらしつつ、乳牛用の高品質の粗飼料を生産する。このモデルはアルホルチン旗の草原の主要地域の植生被覆率を2008年の10%未満から今年の90%以上に大幅拡大することに役立った。
Yiliは野生生物生息地の保護だけでなく、湿地の保護と植林にも取り組んでいる。同社の昨年の湿地生態モニタリングプロジェクトでは、吉林省の3つの国立自然保護区にある39のモニタリングステーションで1万6526種の鳥が記録された。これらの記録された種の中には、「ジャイアントパンダよりも珍しい」とされ、IUCN (国際自然保護連合)により絶滅危惧種に指定されている鸛鶴、タンチョウヅル、アカハジロなどの絶滅危惧種の鳥がある。
▽環境に配慮したパッケージ(包装)でオーガニックなライフスタイルを推進
Yiliは環境に配慮したパッケージを推進することにより、オーガニックかつグリーンなライフスタイルを提唱してきた。野生生物が生息する森林を保護するため、YiliのSatineミルクはFSC認定のパッケージを使用している。このプログラムは2020年だけでも、18万5500ムーの持続可能な森林を約50億個の牛乳パッケージに変換することに成功した。Satineは、リサイクル可能で再生可能資源であるサトウキビから部分的に作られたオーガニックの蓋を導入した。
さらに、Yiliはライフサイクル・サプライチェーン管理システムを確立し、グリーンな未来のために責任ある産業チェーンを構築するようサプライヤーに呼び掛けている。2020年末までに、Yiliの19工場が中国工業情報省によって「グリーンファクトリー」に指定された。
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写真説明:Yiliが2021年BBF準備イベントで2020年の生物多様性保全年次報告書と持続可能性報告書を発表