【貴陽(中国)2021年4月27日PR Newswire=共同通信JBN】「新しい注文が入りました!」 Eコマースのプラットフォームから通知が届いた。He Jiao氏は迅速な対応で商品を仕分けし、梱包し、発送した。
He Jiao氏と夫のHuang Qi氏は貴陽市息烽県立碑村の地元農民である。この夫婦にとって前述のシナリオは日常になった。
2015年、この夫婦は故郷に戻り、eコマース事業を始めた。主にトウガラシ、スパイシーチキン、豆腐などの特産農産品を販売している。
Huang氏はHuanqiu.comの記者に「毎日約300件の注文があり、月々の売上は20万元(3万1000米ドル)を超えた。また、作業の増加に対応するため、顧客サービスと梱包にあたる村民を5人雇用した」と語った。
2015年8月、息烽県は貧困撲滅のためにeコマースを利用すると発表した。県政府は双方向のインタラクティブ情報サービスプラットフォームを開設し、県一帯のショッピングモール、スーパーマーケット、日用品販売所の販売傾向を分析し、そのデータベースを構築したことでオンライン小売事業の基盤が強固になった。
Huang氏は「ビッグデータ・ソリューションのおかげで、供給の欠落と需要のギャップを埋めることが容易になった。市場需要に基づいて生産を調整でき、むしろ、需要が低い場合は農作物の栽培を減らすことで余分な廃棄を削減し、そのスペースを別の作物の栽培に使うことができる」と語った。
ビッグデータを備えた農民は、消費者トレンドをより適切に追跡し、市場の予測不可能な変化による影響を緩和することができる。Huang氏は「地元農業従事者の生活水準が向上し続けているのは明らかだ」と付け加えた。
公式の統計によると、2015年以前は立碑村の村民のほとんどは移民労働者で、1人当たり収入は6000元(918米ドル)未満だった。2017年、立碑村の年間のオンライン小売売上高は1000万元(160万米ドル)に上り、これにより貴陽省初の「Taobao Village(タオバオ村=淘宝村)」に認定された。
2019年、立碑村の1人当たり可処分所得は2万元(3000米ドル)を超えた。Eコマースは直接・間接的に県内農村部の2万8400世帯(7万2000人)の収入を増加させた。
売上の強化に加え、地元政府は農産業の物流管理を最適化するためにビッグデータを利用している。貴陽では、Agricultural Products Logistics Park(農産品流通パーク)は市中心部から車でわずか30分の距離にある。
記者はトラックと供給業者の途切れることのない流れを目にした。トマト、トウガラシ、ショウガなど何箱もの新鮮な野菜が下ろされ、仕分けされ、梱包され、広範にわたる出荷先へ輸送された。
Guiyang Agricultural Products Logistics Development Co., Ltd.のLei Zezhong最高経営責任者(CEO)は記者に「物流パークがスマート農業卸売ビッグデータプラットフォームを立ち上げ、インテリジェントサプライチェーン管理が可能になった」と語った。
Lei Zezhong氏は「このデータ対応のプラットフォームは農産品の産地を追跡し、オンライン取引チャネルと金融サービスを提供することができる。ビッグデータ・ソリューションにより、地元農民は運営効率を向上させただけでなく、経営と物流のコストを削減した」と続けた。
統計によると、物流パークは4000トンの野菜と果物の拠点になっており、1日の取引額は3000万元(460万米ドル)を超える。
統計は、貴陽がビッグデータを活用し農産業の生産性と収益性を大幅に向上させていることに言及している。それによる収入増はますます多くの村民を貧困から脱却させた。
近年、地元政府はビッグデータと農村活性化の交わりを重視している。貴陽はeコマースプラットフォームを構築し、通信インフラストラクチャーを向上させ、人材プールを拡充することに努めてきた。
2019年までに、貴陽は8の県級農村eコマース運営センターと600を超す農村eコマースサービスステーションを構築した。郷級の速達配送のカバー率は100パーセントに達した。さらに、政府は農村部の販売業者向けの研修プログラムに資金を拠出し、近年はGuizhou Institute of Technology(貴州理工学院)のアリババ・カレッジも創設された。
公式ウェブサイトによると、2020年、貴陽の農業、林業、畜産および水産業の総価値は300億元(45億9000万米ドル)を上回った。
Guiyang Municipal Agriculture and Rural Bureau(貴陽市農業農村局)の責任者は「ビッグデータの継続的な開発は精密農業とスマート農業を可能にした」と述べた。
同責任者は「今後、政府はビッグデータを活用し、経済成長の新たな推進力を解き放つ」と付け加えた。貴陽市政府によると、第14次5カ年計画(2021年-2025年)の間、貴陽はビッグデータと農村活性化の統合を継続的に促進する。
具体的には、貴陽は新たなインテリジェント農業設備を導入し、インフラストラクチャーを最適化する。2025年までに、主要な農村地域における5Gネットワークのカバー率は100パーセントに達するよう計画されている。