【北京2021年4月23日PR Newswire=共同通信JBN】世界最大の開発途上国である中国は、二酸化炭素の排出を2030年の前にそのピークとし、2060年の前にはカーボンニュートラルを達成すると再確認した。
習近平国家主席はこの公約を、22日の気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット、Leaders Summit on Climate)で繰り返し表明した。同サミットは英グラスゴーでの第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議を11月に控える中、世界の気候に関する政治プロセスの重要な節目である。
習主席は「中国は生態文明への協力を一帯一路の共同構築における優先事項に位置付け、環境に配慮した一連の取り組みを促進している」と述べ、さらに中国は生物多様性条約第15回締約国会議(Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity)を10月に開催すると付言した。
▽石炭消費を制御・抑制
習主席は気候変動サミットに参加の他国リーダーたちに、具体的な行動が既に実行されていると述べ、「中国は目標を生態文明の構築に集約し、2030年までに炭素排出がピークを打つための行動計画が進行中である」とした。
習主席は「われわれは、第14次5カ年計画(2021年-2025年)の間に石炭消費の伸びを厳密に管理し、第15次5カ年計画の期間中に石炭消費を徐々に抑制する」と付言した。
石炭火力発電は依然として中国の主要エネルギー源であり、同国は2021年に石炭が総エネルギー消費に占める割合を56%以下にすると公約した。
第14次5カ年計画は中国の今後10年、そしてそれ以降の経済発展にも大きな影響を及ぼす重要な政策公文書である。同計画は、国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費ならびにGDP当たりの二酸化炭素排出量を、同計画期間中にそれぞれ13.5%と18%削減するとしている。
2020年末に開催された中国の中央経済工作年次会議(Central Economic Work Conference)で、2021年に重視すべき中国の8大課題の1つとして炭素排出量の削減が対象リストに入った。
一方、習主席は、これらは決して簡単な課題ではないと指摘し、「中国の公約は、先進国のそれよりも期間が大幅に短いものだ」と述べた。
低炭素の公約を達成するには、中国は炭素がピークを打ってからカーボンニュートラルまでの移行を30年以内に行う必要がある。先進国の多くは、その移行に60年を要するとしている。
習主席は、国々は気候変動に対処する公約を高く評価すべきであると強調した。
2009年のコペンハーゲンサミットでは、中国の非化石エネルギー消費の2020年目標を15%に定め、炭素強度を2005年比で40-45%削減することが伴った。中国の2019年統計ではそれぞれ15.3%と48.1%である。つまり中国はスケジュールより前に目標を上回り、達成した。
生態環境省によると、中国の温室効果ガス排出量は2019年までにGDP当たり2005年比で48%削減され、2020年に向けた中国の公約をスケジュール前に達成している。
▽世界的な協力が重要
習主席は世界的な協力の重要性も強調し、世界のコミュニティーがお互いに非難するのではなく協力して取り組み、公約を破るのではなく守るよう呼び掛けた。
習主席は生態環境の保全に関しては、分裂して一時しのぎのアプローチに警鐘を鳴らした。
習主席は米国が気候変動に関して多国間統治に復帰したことを歓迎し、世界の環境ガバナンスを前に進めるため、中国は米国を含む国際社会と協力することを楽しみにしていると述べた。
習主席は、開発途上国が気候変動に対処する能力を高めることができるよう、先進国は具体的に取り組んで支援すべきであると付言し、こうした過程における共通だが異なる責任の原則を強調した。
習主席は、気候変動との戦いで他国主義、団結、協力を支持することの重要性を繰り返し強調した。
中国と欧州諸国は、ドナルド・トランプ前米大統領の政権がパリ協定を離脱した後も、気候変動に対する世界的な戦いに密接に取り組んでいる。
ソース:CGTN