【北京2020年11月24日PR Newswire=共同通信JBN】COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が依然として世界中で広範な損害をもたらしている中、中国は21日、パンデミック後の時代において、より包括的な開発を促進しグローバルガバナンスを向上するため、主要経済国による協調した取り組みを呼び掛けた。
全世界で5740万人以上が感染し、130万人以上が死亡したパンデミックで、グローバルガバナンスの多くの脆弱なつながりが露呈した。中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、ビデオリンクを通じてG20(20カ国・地域首脳会議)リヤドサミットで演説した際、国際社会は20カ国グループ(G20)がシステムを改善するために何ができるのか疑問に思っていると述べた。
習氏は、COVID-19との世界的な戦いでかけがえのない役割を果たしているG20は、多国間主義、開放性、包摂性、互恵協力を支持し、時代の流れについていく必要があると述べた。
1999年に創設されたG20は、金融および経済問題に関する国際協力の主要なフォーラムである。G20は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコ、英国および米国の19カ国と欧州連合(EU)で構成される。
▽開発途上国を支援する
習氏は他のG20リーダーに対し、「開発途上国への支援を継続し、パンデミックが引き起こした困難を途上国が克服するよう助けるべきだ」と述べ、世界の主要経済国がより包摂的な開発を追求するよう促した。
習氏は、中国は自国の困難を克服しながらG20の債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)を完全に実施し、総額は13億ドルを超えていると指摘した。
G20は低所得国の即時流動性ニーズに対処するため、4月にDSSIを開始し、最貧国が抱える5月1日から今年年末までに返済期限を迎える債務の返済を停止した。G20の財務相と中央銀行総裁は10月、債務返済猶予をさらに6カ月延長し2021年6月30日までとすることを決定した。
劉昆(Liu Kun)財政相は最近、最貧国向けのDSSIにおける債務繰り延べ額の点で、中国はG20のメンバーの中でトップであると述べた。
習氏は演説の中で「中国は特定の困難に直面している国々への債務猶予と救済のレベルを引き上げ、金融機関が自主的かつ市場原理に従って新たな資金援助を提供するよう促す」と語った。
同氏は、COVID-19ワクチンを世界中で入手可能かつ手頃な価格の公共財にすることで、他の開発途上国を助け、支援するという中国のコミットメントを再確認した。
中国国家主席はまた、G20が自由貿易を促進し、一国主義と保護主義に反対し、開発途上国の開発の権利とスペースを保護するよう求めた。
▽グローバルな課題に取り組む
習氏は「われわれはグローバルな課題に取り組む能力を構築する必要がある。現時点で最も差し迫った課題は、世界の公衆衛生システムを補強し、COVID-19などの感染症を封じ込めることだ」と強調した。
同氏は、G20のメンバーは世界保健機関(WHO)の役割を強化し、全ての人のための健康のグローバルコミュニティーを構築するために協力しなければならないと述べた。
一方、習主席は環境を保護し、気候変動と戦い、「人と自然が調和して共存するクリーンで美しい世界」を構築するための国際協力を呼び掛けた。
中国は9月、2060年までにカーボンニュートラルを達成するよう努めると発表した。同国は2030年までに二酸化炭素排出量をピークにすることを目指している。
習氏によると、G20はデジタル時代にイノベーション主導の開発において主導的役割を果たし、経済のグローバル化を向上する必要がある。
パンデミックが新しいテクノロジーと事業形態をにわかに景気付かせたことに言及し、習氏は危機を機会に転じるための行動を呼び掛けた。
「われわれは、科学技術イノベーションとデジタルトランスフォーメーションを通じて構造改革を進め、新たな成長推進力を醸成する可能性がある」と同氏は述べた。
習氏は経済のグローバル化に対する反発についてコメントし、課題に正面から取り組み、グローバル化を「よりオープンで包摂的、バランスが取れ、全ての人に有益」なものにするよう求めた。
習氏はサミットに出席した他のリーダーに対し、新しい発展のパラダイムを確立する中国の動きは、世界の国々が高品質の経済開発を追求する上で成果を共有するためのより多くの機会を創出するだろうと語った。
中国の最高指導者は、国内循環を主体に、国内外の双循環が相互に強化する新しい発展のパラダイムを促進する戦略的決定を下した。
習氏は「中国は今後も常に世界平和の構築者であり、世界発展への貢献者で、国際秩序の擁護者である。われわれは対話を通じて相違を乗り越え、交渉を通じて紛争を解決し、世界平和と発展に向けて共同で努力することができる」と語った。