パリ, 2020年10月22日 /PRNewswire/ -- 2020年5月28日、フィリップス社は、オンライン販売で、バンクシーの作品『Happy Choppers(2003年)』を3万9千ドルで売却しています。この作品が4年前には4千500ドルで購入された750点の作品シリーズの621番のスクリーンプリントであったことを考慮すると、これがいかに驚異的なことであるかは明らかです。この作品の価値は、年間70%上昇したということになります。
Festival Peinture Fraîche (ウェットペイントフェスティバル) 2020年10月2日から25日までリヨンのアール ドゥブルグで開催(2020年11月1日まで延長)
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「ストリートアートは、リオからベルリンにいたる世界中のあらゆる場所で目にすることができる真に普遍的なアートであり、アート市場における位置づけも急速に変化しています」と、Artmarket.comおよびその一部門であるArtpriceの社長兼創設者であるThierry Ehrmann氏は述べています。「統合に到るまで15年を要し、現在ついに成熟しつつある市場です。今日、ストリートアートは、独自のセグメントとなっており、スターアーティストや傑作が数多く存在します。また、作品にはさまざまなエディションがあり、より重要なエディションや、手頃な価格のエディションも存在します。」
「現在流通している」作品
ストリートアートは本質的に都市の環境の中で製作される作品です。通りから離れ、ギャラリーに展示されたり、オークションルームで取引されると、ストリートアートの本質は必然的に大幅に失われるものです。とはいえ、ストリートアート市場は、アート市場において本格的にダイナミックな存在となっていることは明らかです。
ストリートアート市場の発展は、比較的最近のその他の数多くのアートムーブメント(例えば、ランドアート等)から多くを吸収しているように思われます。ストリートアーティストは、公共の場でのインターベンションを写真に残すことがあります。また、オリジナルのストリート作品から派生した小規模の作品やドローイング、スクリーンプリントを製作したり、屋外での作業と並行して、絵画やオリジナルの彫刻などの副次的な作品を製作することがあります。現在、このような「副次的」な作品はすべて取引対象となっており、多くの作品がオークションに掛けられ、実に「厚みのある」市場となっています。
市場の4本の柱
1980年代初頭、ジャン=ミシェル・バスキアはニューヨークのストリートで頭角を表しましたが、その(短い)生涯にわたり、ストリートアーティストであり続けたのでしょうか?バスキアの絵画は、数百万ドルの価値がありますが、現在でもアーバンアートとして扱われているのでしょうか?2019年には、ジャン=ミシェル・バスキアの作品は、セカンダリーマーケットで総額1億3千万ドル、キース・ヘリングの作品は、4千200万ドルを生み出しています。この2人のモダンアートの巨匠は、一般的にはいまだにストリートアートであると考えられていますが、市場における分類は違います。
最近未曾有のブームを引き起こしたKaws (2019年の販売額は1億800万ドル)についても、同じようなあいまい性が見られます。Kawsは、キャリア初期のようなストリートアートから徐々に離脱して行ったアーティストです。Kawsの絵画や彫刻は、現代アートの最大規模のギャラリーで販売され、幅広い国際市場で、とりわけアジアで非常な人気となっています。
このトレンドを皮肉るかのように逆の道をたどったのが、匿名のアーティストである バンクシー(2019年の販売額は2千800万ドル)です。バンクシーは、自ら世界各地の都市で印象的な活躍を続けるアーティストです。
市場の構造化に15年...
バンクシーほどオークションの実績があり、ストリートマーケット市場の急速な進化を象徴するアーティストはいないでしょう。
- バンクシーの絵画の初オークション販売は2005年
- オークションの売上高は、サブプライム危機直前にピークに
- 2010年から2019年までの10年間、ほぼ定期的に売上高が上昇
- コロナ禍でも並外れた回復力
間違いなくバンクシーを筆頭に、ストリートアートのムーブメントが台頭したと言えますが、「バンクシー現象」を期に、この市場が立ち上がり、頭角を現したアーティストが3人います。フランス人アーティストの Invader (2019年の販売額400万ドル)、イギリス人アーティストの Stik (100万ドル)、アメリカ人アーティストの Obey (100万ドル)です。Obeyだけでも2019年のオークションでは、700点以上の作品が販売されています。
JonOne、ミスター・ブレインウォッシュ、Futura 2000、Vhils、JRなど、その他10数人のストリートアーティストにより、毎年数万ドルが創出されています。ただし、ストリートアーティスト市場の大多数は依然として脆弱です。それは、年間売上が平均約5万ドルにおよぶ Ernest Pignon-Ernest といった比較的名声を得たアーティストであっても同様です。
ストリートアートに特化したオークション
2008年2月、Bonhams社がストリートアートに特化した初のオークションを開催しました。その後まもなく、フィリップス社もコンテンポラリー&アーバンアートのオークションを開催しています。ただ、サブプライム危機とその後の影響により、こういったオークションの開催は以降低迷し、フィリップス社では2009年、Bonhams社では2013年に開催を停止しています。
Artcurial社も2008年にアーバンアートの販売を開始しましたが、それ以降停止せずに開催を続けています。このフランスきっての大手オークションハウスは、2019年には4回のストリートアートオークションを開催しており、現在明らかにこのニッチ市場の重要なプレイヤーとなっています。2009年、ストリートアート専門部門の販売については、パリではDigard社とCornette de Saint-Cyr社、 ロンドンではTate Ward社、ダラスではHeritage社、ロスアンゼルスではJulien社により、ヨーロッパおよびアメリカで3千点の作品がオークションで販売されており、1千万ドルが創出されています。
エキサイティングな市場
クリスティーズやサザビーズのようなオークションハウスは、ストリートアート作品を、とりわけ非常に有名な作品の販売をカタログで提供することを好む傾向にあります。2020年7月、サザビーズは「レンブラントからリヒターへ」と題された特別販売で、バンクシーの三連作『Mediterranean Sea View (地中海の風景、2017年)』を290万ドルで売却しました。著名な巨匠の作品が並ぶ中でも、バンクシーの作品への入札に人気が集まることは予測のつくことではありました。
実際、バンクシーの作品がオークションハウスで販売されることに関しては、2018年にバンクシー自身が『Girl with Balloon(風船と少女、2006年)』を破壊して以来、多大な関心が寄せられるようになっています。スティーブ・ラザリデスが撮影し、バンクシーが額装を施した写真の作品、『Raising the steaks (2001年)』は、2020年2月のArtcurialでのオークションで、8万4千500ドルの高値が付けられています。この作品にも案の定サプライズがあり、アーティスト自身による真作認証であるペストコントロールが正式につけられています。
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ArtmarketとArtpriceによるプレスリリースのインデックス:
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