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未来を前に進める:回復期の中、再構成するエンタテインメントとメディア業界

PwC
2020-09-02 07:01 2707

ニューヨーク, 2020年9月2日 /PRNewswire/ -- 消費者行動を学ぶには一生かかるが、それはロックダウンだけで失われる。PwCのグローバル エンタテインメント&メディア アウトルック 2020-2024(http://www.pwc.com/outlook )によると、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は現在発生している消費者行動の変化を加速・増幅し、デジタルディスラプションを進め、何年も到達できないと思われた業界の転換点になる。すべての産業を形成する大きな力の1つ(https://www.pwc.com/gx/en/issues/adapt.html )、デジタル化はソーシャルディスタンスならびに移動の制限によって強化されている。その結果、2020年のエンタテインメントとメディア(E&M)の世界はますますリモート、バーチャル、ストリーミングが進み、パーソナルになり、そして少なくとも現段階では、今年の初めの予想を上回るほど在宅に重点が置かれている。

▽業界の成長は急激に縮小しているが・・・

世界を苦しめている今回のパンデミックにより、E&M業界の成長も恐ろしいほどに停止した。結果として当社はこのアウトルックの発行を3カ月遅らせた。パンデミックの影響を的確に判断するためである。収益の伸びに関する予測改定は、その決定が正しかったことを明確に示している。世界的な不況の中、グローバルのE&M収益は2019年から5.6%、絶対値で1200億米ドルを上回る下落を示した。この調査の21年の歴史で最も急激な下落である。世界経済が縮小した最後の年だった2009年でも、世界のE&M支出はわずか3.0%の下落だった。

▽・・・長期的には力強さを維持する

しかしながら、2020年の衝撃波は世界経済全体に影響を及ぼすが、当社の予測では、業界の基本的な成長カーブは力強いものである。近年、メディア体験はどの時代よりもわれわれの生活に重点を置き、世界のE&Mの成長率は常にGDPを上回っている。そうしたことから、2020年の困難の後、当社はE&Mが好業績を再び取り戻すと予想している。

当社の予測は、2021年のE&Mにかかる支出は6.4%増であることを示している。5年間の予測では、当社は2019年から2024年までの期間における全体的な収益増は複合年間成長率(CAGR)で2.8%であると予測している。

▽転換点の時間軸が加速

ほとんどの経済と同様に、E&Mの現在の苦痛は業界全体で等しく共有されているわけではない。それはCOVID-19によって文字通り閉鎖に追い込まれたライブ音楽、映画、トレードショーの各イベントのセグメントで最も深刻だ。同様に、広告支出も13.4%減となりそうだ。同時に、長い時間をかけて行われている紙からデジタルへの新聞の移行は数年加速し、一例としては印刷された紙版の収益が落ち込んでいる。

その結果の1つとして、E&Mセグメントは以前の予測よりもかなり速いペースで変革が進んでいる。映画の興行成績とサブスクリプション・ビデオ・オンデマンド(SVOD)を比べてみよう。直近の2015年では、映画の興行収入はSVODの3倍だった。SVODの収入は、2020年には映画興行収入を上回り、それからの5年間でさらに急成長し、2024年には映画の興行収入の2倍以上の規模に達するとみられている。さらには、スマートフォンと固定ブロードバンドでのデータ消費量を考えてみよう。2019年時点での差は僅かだったが、いまやスマートフォンは全世界で、インターネットへのアクセスで消費者が利用する優れた個人デバイスとして固定ブロードバンドを引き離している。

▽勝ち組と負け組が出現する結果として・・・

他の産業セグメントでCOVID-19が加速している変化はどうだろうか。在宅の人々により、ネット配信(オーバー・ザ・トップ、OTT)ビデオの収益は2020年に26%増である。その翌年からも力強い増加を続け、2019年には464億米ドルだった規模が2014年には倍増の868億米ドルに達する見込みだ。2019年末に開始したストリーミングサービスのDisney+は絶好調で、2020年8月上旬、Disney+の視聴者数は6005万人に達し、2024年までに有料購読者数が6000万人から9000万人になると予想されている。ストリーミングの興隆を考えると、当然のこととして世界のデータ消費はCOVID-19がもたらしたデジタル加速におけるもう一方の受益者である。それは2020年に33.8%増加し、2019年の1900兆メガバイト(MB)から2024年には4900兆MBへと倍増を上回ることが予想されている。

もう1つのスケールとして、最も深刻な被害を受けたセグメントを挙げる。多くの映画館が閉鎖され、主要な映画の公開が遅れたことで、当社は今年の世界の映画収入が約66%も落ち込むと予測している。すぐに巻き返しがあるとは考えにくく、当社の予測では2024年において、2024年映画収入は2019年を下回る水準になるだろう。他のCOVID-19関連での影響としては、現下の世界の新聞と消費者向け雑誌の減少が2020年に急激に加速し、全体の収益は14%以上落ち込んで消費者向け雑誌が最大の被害を受ける。それはつまり、デジタルが明るい兆しを提供するということだ。消費者向け雑誌の転換点である2023年には、デジタル広告からの世界的な収益が紙媒体広告を上回るだろう。その他の主要な産業セグメントは、2019年に失った成長を取り戻そうと奮闘するだろう。例えば、2020年に13.4%落ち込むことが予想される世界の広告分野は、2022年まで、その2019年の水準に戻ることはないとみられている。

▽大規模な産業の再構成

それでも、おそらく直感を拒否しながら、幾つかの「伝統的」メディアはCOVID-19やデジタルの加速にもかかわらず、持ちこたえる。ロックダウン期間中に活況だった書籍販売では、世界の消費者向け書籍収益の上昇カーブが続き、2019年から2024年に複合年率で1.4%増加し、647億米ドルに達すると予想されている。テクノロジーが大きな役割を果たしており、スマートフォンやスマートスピーカーの利用が増えたことでオーディオブックの取り込みも増加し、消費者は行動しながらの視聴が可能になっている。

実体的なイベントであるライブは、これまで長く続いてきたセグメントの1つであり、加速しているデジタル世界の現実に適応しようとしている。1年の間の多くが閉鎖されたコンサートホール、展示センター、スタジアムでは、一部のライブイベントがデジタルプラットフォームを使ってオーディエンスとのつながりを維持している。英国ではロンドンのWireless Festivalが2020年半ばにMelodyVRの技術チームと協力し、カーディ・B、トラヴィス・スコット、ミーゴズといったアーティストのバーチャルリアリティー公演を記録し、提供して34カ国から13万人超の人々がバーチャルに参加した。

▽際立った1年に

多くのE&M業界を含む、ほとんどの産業にとって2020年は困難で破壊的な年だが、多様で拡大する一連のメディアチョイス提供への消費者ニーズは今、明確な成長を続けている。今年のアウトルックにおける収益の数字はCOVID-19によって発生した経済不況とデジタル加速の大きな力を反映しているものの、E&M業界全体としての長期展望は依然として明るい。アウトルックは、日常が徐々に戻ってくるのも明らかであり、その中で勝者と敗者が継続的に発生するだろうと言及している。

PwCのグローバルエンタテインメント・メディア産業リーダー、Werner Ballhaus氏は「COVID-19は明らかに、肯定的と否定的の両面で、メディアの多くの形式にわたってデジタル消費への顧客の移行を加速し、破壊的な変化の引き金をひいた。しかしE&M業界の潜在的な強さと消費者へのアピールは、これまでと同様に強力であることも明らかだ。われわれがパンデミックの先へと進む中、E&M企業にとっての困難は残るものの、前に進んだデジタルへの移行は、現在までの影響から利益を得た者にとどまらず、すべてのセグメントにチャンスをもたらすだろう」とコメントした。

▽グローバル エンタテインメント&メディア アウトルックのコンテンツへのオンライン記者アクセス

グローバル エンタテインメント&メディア アウトルック 2020-2024へのオンライン記者アクセスを求めるには、ashley.worley@pwc.com でAshley Worleyまで連絡を。このアクセスにより、グローバル エンタテインメント&メディア アウトルックのデータセットと分析からセグメントと領域レベルで詳細を抽出し、あなたの記事と併用できるエキスポート可能なオンスクリーンのチャートを作成し、本件と他のメディア記事の解説が可能になる。

▽グローバル エンタテインメント&メディア アウトルックについて

PwCが21年にわたって発行しているグローバル エンタテインメント&メディア アウトルック(Global Entertainment & Media Outlook)は消費者と広告支出に関する世界的な分析の総合オンラインソースである。アウトルックは収益比較、5年のヒストリカルと予測データならびに53の領域における14の定義された産業セグメントについてのコメントを提供し、セグメント・領域全体の消費者と広告支出の比較、対象が容易である。より詳しくはwww.pwc.com/outlook を参照。

グローバル エンタテインメント&メディア アウトルックに網羅されるセグメントは以下の通り。

書籍;ビジネス・ツー・ビジネス;映画;データ消費;インターネットアクセス;インターネット広告;音楽、ラジオ、ポッドキャスト;新聞と消費者向け雑誌;ネット配信ビデオ;OOH広告;従来のテレビとホームビデオ;テレビ広告;ビデオゲームとeスポーツ;バーチャルリアリティー

▽グローバル エンタテインメント&メディア アウトルックのデータについて

このプレスリリースのデータの多くはグローバル エンタテインメント&メディア アウトルック2020–2024から使用している。PwCはオンラインのグローバル エンタテインメント&メディア アウトルックを継続的にアップデートするよう努めている。そのため、このプレスリリースのデータはオンラインで検索されるデータとは一致しないことがある。グローバル エンタテインメント&メディア アウトルック2020–2024は消費者と広告支出のデータについての最新ソースである。

▽PwCについて

PwCは、社会における信頼を築き、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としている。われわれPwCは、社会での信頼を構築し、重要な問題を解決することを目的にしている。当社は157カ国に展開する企業のネットワークで、その27万6000人超の人々は高品質な監査、アドバイザリー、税務サービスを提供することにコミットしている。www.pwc.com にアクセスし、さらに詳しい情報を見ていただくと共に、あなたにとっての問題を教えていただきたい。

PwCはPwCネットワーク、そして/あるいは別個の法人である1社またはそれ以上のメンバーファームのことをいう。さらに詳しくはwww.pwc.com/structure を参照。

▽問い合わせ先
Ashley Worley,
PwC Global Corporate Affairs & Communications
ashley.worley@pwc.com

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ソース: PwC
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