【サンディエゴ(米カリフォルニア州)2015年12月10日PR Newswire=共同通信JBN】ファーウエイ(Huawei、華為技術)は10日、サンディゴで開催されたIEEE Globecom 2015で、キャリア・ネットワーク・アーキテクチャーの斬新なビジョンとコンセプトとなるアプリケーションドリブン・ネットワーク(ADN)を発表した。このADNはファーウエイの2012 LaboratoriesのFuture Network Theory Labで開発され、ネットワーク設計・開発においてネットワーク・アプリケーションおよびサービス需要に優先順位を付けるもので、リソース活用やネットワーク運営の最適化に重点を置いている従来のアプローチとは異なっている。ファーウエイは、ネットワークはアプリケーションを最優先すべきであるという考えを提起した最初の企業であり、このコンセプトによって固定および無線双方のネットワークを将来、設計・構築する方法を根元から変革すると確信している。
ファーウエイのフェローであるウェン・トン博士はGlobecom 2015で、このADNイノベーションを発表した。ウェン・トン博士は「われわれの革新的なADNアーキテクチャー・ビジョンはネットワークの中心にアプリケーションを据え、ネットワーク・アプリケーションの大幅な効率向上を実現する。従来のネットワーク・アーキテクチャーとは異なり、ADNはアプリケーションの抽象化、ネットワーク再編成、ネットワーク・リソースのグローバルおよびローカル連携、サービスのレイヤー化によるアプリケーション・ディカップリングをサポートする。これらの優位性を備えるADNは、例えば5Gネットワークなど、さまざまな未来のアプリケーション需要に応えることができる」と語った。
ADNが優れているのは、トップレイヤー・ネットワーク・アーキテクチャー設計である。ADNは、限られた機能を持つパイプの役割をする物理ネットワークにさまざまなアプリケーションをただ単にマップするだけではない。ADNはそれよりはむしろ、アプリケーションの需要に沿ってエンドツーエンドからカスタム化できるネットワークを実現し、優れたユーザー体験を提供する。
ADNは階層的マネジメント向けの柔軟なアーキテクチャーを備えており、べき乗則で生じるネットワーク変化にダイナミックに適応する。ファーウエイはADNアーキテクチャーがより安定したネットワークを生み出し、将来のアプリケーション主導の変化需要に適応し、その他の不確実性に対しより有効に対処できることを理論的に証明した。さらに、ADNはネットワーク運営モデルを変革し、ネットワーク主導のKPIからサービス体験主導のKPIへと根本的な変化を生み出し、キャリアのネットワーク収益向上を可能にする。
▽NFVとSDN技術を一体化させる新しいビジョン
ADNは5Gネットワークスライスをサポートし、短期・長期におけるネットワーク進化を加速する。ADNは既存のNFVおよびSDNコンセプトとは異なるものの、NFVおよびSDN技術を統合する。両技術はまだ、そのいかなる経済的恩恵をユーザー体験に焦点を合わせた総合的なネットワーク・アーキテクチャーに取り込むことができていない。ADNはネットワーク・アーキテクチャーと関係があり、NFVは実装に使用される支援技術であり、SDNはエンジニアリングと関係がある。