シンガポール、2024年5月21日 /PRNewswire/ -- 2024年5月17日、ASEANエネルギーセンター(ASEAN Centre of Energy、英文略称ACE)とファーウェイが共同で策定した「ASEANにおける次世代データセンター施設の設立に関する白書(White Paper on Building Next Generation Data Center Facility in ASEAN)」が、シンガポールで開催されたGlobal Data Center Facility Summit 2024で発表されました。この白書は、環境を意識した低炭素業態への変革をASEANのデータセンター業界で加速させることを目的としています。
世界的なデジタル化の波にも後押しされ、ASEAN地域ではデジタルトランスフォーメーションが活況を呈しています。膨大なデータとコンピューティングに対する大規模な需要が出現し、データセンター市場に大きな可能性がもたらされています。ASEAN地域特有の熱帯という気候条件があるため、データセンターの冷却要件は高く、エネルギー消費も多く、PUE(電力使用効率)値も世界平均をはるかに上回っています。そのため、ASEAN各国の政府は、再生可能エネルギーや省エネ技術の応用を推進しています。
ACEの事務局長であるNuki Agya Utama博士は、次のように述べています。「この白書は、データセンターの設置や運用における課題を反映した内容となっていますが、技術動向に関する包括的な説明や、エネルギー消費、コスト削減、環境責任に対処する方法についても記載しています。さらに、成熟市場と新興市場の両方を視野に入れ、データセンター市場全体に対し、データセンターを発展させるための政策も提言しています。」
ACEの企業業務部門責任者のAndy Tirta博士は、サミットの基調講演で次のように述べています。「ASEAN地域のエネルギー安全保障を支える再生可能エネルギーにとどまらず、エネルギー効率は最も実現しやすい成果です。高度なテクノロジーとイノベーションを導入し、支援に関する資金調達メカニズムを整え、地域目標の標準化を含めた政策と法規制を実現すれば達成可能なものなのです。」
この白書は、次世代データセンターの特徴を「信頼性」、「簡素化」、「持続可能性」、「スマート」の4つにまとめています。白書は、データセンターの設計、開発、O&M(運用保守)において、効率的な省エネルギーの製品やソリューションを採用し、エネルギー効率を向上させることを要求しています。
白書によれば、データセンターの電力供給にクリーンエネルギーを利用することは、二酸化炭素の排出量を削減する良い方法です。また、クリーンエネルギーを主電源とするデータセンター事業者に対し、ASEAN各国政府が電気料金の割引や税制優遇措置を実施するよう勧告しています。
カーボンニュートラルは世界的な潮流となっています。信頼性が高く、簡素化され、持続可能でスマートな次世代データセンターを構築するために、ASEAN地域はどのような方向から進めるべきか、今回の白書はそれを示したと言えます。ファーウェイは、ASEANエネルギーセンターと協力し、ASEAN地域のデータセンター業界全体の低炭素化とインテリジェント化を共同で推し進め、持続可能な未来に貢献していきます。